再掲載作品です。
(前タイトル:風よ、伝えて! ~恋のGT~)
一昨年(平成23年)、市文芸祭に出品しました。
市長賞(二位)を頂きました。
審査員の方に、
「真理子ちゃんのお話がもう少し欲しかったですね。」
と言われました。
三十枚という制限の中では、どうしても書き切れませんでした。
で今回は、そのことも含めて少し書き足しました。
~~~~~~~~
(二十七)
事務員さんに気を取られている間に、前の車が眼前に近づいていた。
ホッとため息を吐く俺に、容赦ない罵声が浴びせられた。
「こらっ! お嫁に行けなくする気か!
それとも、婿養子に来るか?」
「ごめんなさい……それだけは、ご勘弁を!」
「それだけは、って、どういう意味なの!
はいはい、真理子ちゃん一途なのね。」
何とも、絶妙のお言葉。姉御肌の事務員さん、ほんとにありがとうございます。
それにしても、打てば響く相方みたいだ。
あれ? 何の花だろう、いい香りがする。
前のめりになった真理子ちゃんの匂いか? いい匂いだ。
「あぁ、びっくりした。」
「ごめんなさい、もう少しで頂上に着きまーす。」
(前タイトル:風よ、伝えて! ~恋のGT~)
一昨年(平成23年)、市文芸祭に出品しました。
市長賞(二位)を頂きました。
審査員の方に、
「真理子ちゃんのお話がもう少し欲しかったですね。」
と言われました。
三十枚という制限の中では、どうしても書き切れませんでした。
で今回は、そのことも含めて少し書き足しました。
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(二十七)
事務員さんに気を取られている間に、前の車が眼前に近づいていた。
ホッとため息を吐く俺に、容赦ない罵声が浴びせられた。
「こらっ! お嫁に行けなくする気か!
それとも、婿養子に来るか?」
「ごめんなさい……それだけは、ご勘弁を!」
「それだけは、って、どういう意味なの!
はいはい、真理子ちゃん一途なのね。」
何とも、絶妙のお言葉。姉御肌の事務員さん、ほんとにありがとうございます。
それにしても、打てば響く相方みたいだ。
あれ? 何の花だろう、いい香りがする。
前のめりになった真理子ちゃんの匂いか? いい匂いだ。
「あぁ、びっくりした。」
「ごめんなさい、もう少しで頂上に着きまーす。」
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