昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

昭和の恋の物語り (二十七)

2013-02-07 20:38:14 | 小説
再掲載作品です。
(前タイトル:風よ、伝えて! ~恋のGT~)

一昨年(平成23年)、市文芸祭に出品しました。
市長賞(二位)を頂きました。

審査員の方に、
「真理子ちゃんのお話がもう少し欲しかったですね。」
と言われました。

三十枚という制限の中では、どうしても書き切れませんでした。
で今回は、そのことも含めて少し書き足しました。
~~~~~~~~

(二十七)

事務員さんに気を取られている間に、前の車が眼前に近づいていた。
ホッとため息を吐く俺に、容赦ない罵声が浴びせられた。

「こらっ! お嫁に行けなくする気か! 
それとも、婿養子に来るか?」

「ごめんなさい……それだけは、ご勘弁を!」

「それだけは、って、どういう意味なの! 
はいはい、真理子ちゃん一途なのね。」

何とも、絶妙のお言葉。姉御肌の事務員さん、ほんとにありがとうございます。
それにしても、打てば響く相方みたいだ。

あれ? 何の花だろう、いい香りがする。
前のめりになった真理子ちゃんの匂いか? いい匂いだ。

「あぁ、びっくりした。」
「ごめんなさい、もう少しで頂上に着きまーす。」


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