(二十八)
駐車場は満杯の状態だったが、幸いにも一台の車が目の前で発進した。
幸運に感謝しながら、
「日頃の行いがいいからすぐに止められたよーん。」
と、軽口を叩いて止めた。
「何を言ってるの、二人の乙女のおかげよ。」
事務員さんの言葉の後に、真理子ちゃんも
「そうそう。」と、応じた。
少し打ち解けてきたようで、嬉しくなった。
プラネタリウムの中では、事務員さんが気を利かせてくれた。
真理子ちゃんを中央にして、俺を隣り合わせにしてくれたのだ。
気恥ずかしさが少し残ってはいたが意を決して話しかけた。
「俺の運転、恐かった?」
真理子ちゃんは何も答えてくれなかった。
薄暗い灯りの下で、じっと俯いている。
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