昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

僕の女王様は妹 (四十六)

2010-06-29 20:31:46 | 小説
「ありがとうございます。
それではお客様、
こちらで少しお待ちください。」

小ぢんまりとした部屋に、
通されました。
テレビが置いてあって、
野球中継をやってました。

でも、
全然目に入らないんス。
見てはいたんですが、
見てなかったス。

ドキドキもので、
音なんか耳に入らなかったス。

どの位待ったかなぁ、
五分か十分か・・、
長~く感じましたあ。
は~あ!

「お待たせしました。」
床に膝をついて、
お辞儀してました。
「はい、お待ちしました。」
なんて、
つい答えてしまいました。

我ながら、
馬鹿な返事をしちゃいました。
でも、
それがかえって良かったみたいです。

声を殺して、
笑ってました。
僕も、
緊張感が取れました。

「お兄さん、
初めて?」
「はい?
いや、二度目です。
ここは、初めてですけど。」

「ありがとうねぇ、
指名してくれて。
タクシーの運転手に、
連れて来られたんだって?
私が言うのも変だけど、
そういうのはやめた方がイイョ。
謝礼欲しさの、
ポン引きみたいなことするからね。」

「そうなんですか?
そうは、
見えなかったスけど。」
「この店は、
そういうことしてないけどね。
今度からは、
気をつけてね。」

何だか、
母親に諭されてるみたいでした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿