「ひ・み・つ、ククク。
それよりねえ、どうなの? ミタ君、本気でダンスをやるつもりある?
いいのよ、正直に言って。
のぶこでしょ、のぶこに誘われたから入ったんでしょ?
見る目が違ってたからさ」
口を開こうとする彼を遮るように、耀子は
「パートナーのことなら、心配ないわよ。
決めてあるの、他の男子学生に。ミタ君が出たいと言っても、無理よ。
のぶこも知ってるの、ホントは。冗談で言ったのよ。
ミタ君にはさ、ホントのことを言うね。私、ホントはソシアルダンスは、好きじゃないの。
成り行き上、リーダーになったでしょ。だから、今更止められないのよね」
と、空になったコップを見つめながら語った。
「ストリートダンスって、知ってる? 知らないよね。
まだ日本ではなじみがないもの。
一昨年、ニューヨークに行ったの。もう、鳥肌もの。とにかく、凄い!の、ひと言。
それにね、この間の冬休みを利用して、アマゾンに行ったの。従兄が居るのよ、商社マンなんだけど。
『面白いダンスがあるよ』って、電話をもらったの。
そうだ、踊るから見ててね。ランバーダ、って言うの」
言うが早いか、ラジカセのスイッチを入れた。
南米独特の軽快なリズムに乗せて、哀愁を感じさせるメロディーが流れ始めた。
フロアの中央に立つと、妖艶さを漂わせながら身体を動かした。
ヒップを左右に激しく揺らしながら軽快に回転する様は、彼の背筋に悪寒を催させるものだった。
そして耀子の指が妖しく動き、彼を手招きした。
「いらっしゃい。男性とのからみが大事なの。男性に対する、女性の求愛のようなものなの。」
吸い込まれるように彼は、耀子の待つステージに立った。
立ちすくむ彼に、耀子は下半身をピッタリとすり寄せた。
そして、彼の首に手を回し
「そもそもは、アフリカに起源をもつ『カリンボー』という踊りなの。
女性が激しく回転しながら、男性にスカートをかぶせようと官能的に、自由に動く踊りなの」
と、耳元で囁いた。
耀子の動きは、艶めかしく彼を包み込んだ。
下半身はそのままで、彼の手をしっかりと握ったまま大きくエビ反った。
次の瞬間には、ピッタリと上半身を寄せる。
そして彼を軸にして、身体を密着させたまま一周。
そんな動きに、彼は唯々圧倒された。
官能的な耀子の動きに、為す術もなかった。
頭の芯が真っ白になり、桃源郷とでも言うべき境地に陥った。
耀子の身体が彼の前に来た時、思わず両手でしっかりと抱き締めた。
うっすらと汗ばんだ耀子が、光り輝いて見える彼だった。
「よう、こ、さん。」
彼のひりついた喉から、ひからびた声が発せられた。
そして、うっすらと開いている耀子の唇にむしゃぶりついた。
(「ランバーダ」については、「ぶらじる総合情報サイト」内の情報を参考にさせていただきました)
それよりねえ、どうなの? ミタ君、本気でダンスをやるつもりある?
いいのよ、正直に言って。
のぶこでしょ、のぶこに誘われたから入ったんでしょ?
見る目が違ってたからさ」
口を開こうとする彼を遮るように、耀子は
「パートナーのことなら、心配ないわよ。
決めてあるの、他の男子学生に。ミタ君が出たいと言っても、無理よ。
のぶこも知ってるの、ホントは。冗談で言ったのよ。
ミタ君にはさ、ホントのことを言うね。私、ホントはソシアルダンスは、好きじゃないの。
成り行き上、リーダーになったでしょ。だから、今更止められないのよね」
と、空になったコップを見つめながら語った。
「ストリートダンスって、知ってる? 知らないよね。
まだ日本ではなじみがないもの。
一昨年、ニューヨークに行ったの。もう、鳥肌もの。とにかく、凄い!の、ひと言。
それにね、この間の冬休みを利用して、アマゾンに行ったの。従兄が居るのよ、商社マンなんだけど。
『面白いダンスがあるよ』って、電話をもらったの。
そうだ、踊るから見ててね。ランバーダ、って言うの」
言うが早いか、ラジカセのスイッチを入れた。
南米独特の軽快なリズムに乗せて、哀愁を感じさせるメロディーが流れ始めた。
フロアの中央に立つと、妖艶さを漂わせながら身体を動かした。
ヒップを左右に激しく揺らしながら軽快に回転する様は、彼の背筋に悪寒を催させるものだった。
そして耀子の指が妖しく動き、彼を手招きした。
「いらっしゃい。男性とのからみが大事なの。男性に対する、女性の求愛のようなものなの。」
吸い込まれるように彼は、耀子の待つステージに立った。
立ちすくむ彼に、耀子は下半身をピッタリとすり寄せた。
そして、彼の首に手を回し
「そもそもは、アフリカに起源をもつ『カリンボー』という踊りなの。
女性が激しく回転しながら、男性にスカートをかぶせようと官能的に、自由に動く踊りなの」
と、耳元で囁いた。
耀子の動きは、艶めかしく彼を包み込んだ。
下半身はそのままで、彼の手をしっかりと握ったまま大きくエビ反った。
次の瞬間には、ピッタリと上半身を寄せる。
そして彼を軸にして、身体を密着させたまま一周。
そんな動きに、彼は唯々圧倒された。
官能的な耀子の動きに、為す術もなかった。
頭の芯が真っ白になり、桃源郷とでも言うべき境地に陥った。
耀子の身体が彼の前に来た時、思わず両手でしっかりと抱き締めた。
うっすらと汗ばんだ耀子が、光り輝いて見える彼だった。
「よう、こ、さん。」
彼のひりついた喉から、ひからびた声が発せられた。
そして、うっすらと開いている耀子の唇にむしゃぶりついた。
(「ランバーダ」については、「ぶらじる総合情報サイト」内の情報を参考にさせていただきました)
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