昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルー・じゃあず ~二十歳の詩(うた)~ (四)

2010-03-28 14:13:46 | 小説
部屋の中はキチンと整理されていた。
ベッドの横の壁には、
この別荘を建ててくれた
愛すべき祖父のいかめしい姿の額があり、
まるでこの狭い部屋の全てのものー空気でさえもーを、
支配するかの如くで妙に大きく感じられた。

そのいかにも明治らしいー
鹿鳴館時代にしばしば起きた、
東洋と西洋の対立と調和をまざまざと感じさせる、
チョンマゲにタキシード姿。

まさに明治時代から今に至る道、
この部屋の全てを支配した、
主そのものであった。

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