昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

心象風景 第二弾:ある時の彼 (初めにお断り・・)

2010-05-06 19:42:21 | 小説
それは、
いつも起きるであろう唯の平凡な一事件にすぎなかった。

いや、
事件ということさえ、
おこがましい程のことだ。

しかし何故か、
その時の彼にはそれだけのことには思えなかった。

何かをそこに感じた。
そして何かをしなければ、
と思った。

何かを?

・・それが何であるかを知る為に
彼は全てのもの―会社・恋人そして家族まで―
兎に角ありとあらゆるものを捨てた。

それだけの価値があるか否かは、
皆目検討がつかない。
彼は、
到底論理的に立証し得ない心境になったのだ。

筆者はこの男の行動に特異な共感を持ち、
「人間蘇生」の可能性を見出した。
しかしそれは、
「非人道的」と非難されるだろう。

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