「うわあ! プードルみたい」と貴子が言えば
「マシュマロですよ、食べたあい」と、口数の少なかった真理子が応じた。
ルームミラーから見える真理子の目がキラキラと輝いて見える。
窓から身を乗り出しそうな勢いでガラス面におでこを付けている。
2ドアの商用車であることが残念といった表情もまた見せていた。
助手席の貴子も気づいているようで、ご機嫌みたいよと彼に目配せをした。
山の中腹を過ぎて樹木の間から市街地が見え始めると、そろそろ山頂に着く。
「あまり飛ばさないでね、ヒヤヒヤしたわ。
さっき、カーブに差し掛かった時なんか、もう少しでガードレールに当たるところだったわよ。
ホント、生きた心地がしなかったわ。
ねえ、真理子ちゃん」
身振り手振りで後ろの真理子に話しかけ、同意を求めていた。
真理子は、さ程に感じていないようだったが「ええ、そうですね」と、短く答えていた。
確かに、助手席では恐怖心が倍加されるだろう。
そう言えば、途中から貴子のおしゃべりが止まっていた。
「ハイハイ、分かりました。
どうせ、上り坂ではスピードは出ません。
ご安心下さい」
三人乗りの状態では、速度を上げたくとも上がらない。
ギアはセカンドのままでアクセルを目一杯に踏み込む。
エンジンの苦しむ声を聞きながら、(がんばってくれ)と祈るような気持ちで、坂を駆け上がっていく。
「マシュマロですよ、食べたあい」と、口数の少なかった真理子が応じた。
ルームミラーから見える真理子の目がキラキラと輝いて見える。
窓から身を乗り出しそうな勢いでガラス面におでこを付けている。
2ドアの商用車であることが残念といった表情もまた見せていた。
助手席の貴子も気づいているようで、ご機嫌みたいよと彼に目配せをした。
山の中腹を過ぎて樹木の間から市街地が見え始めると、そろそろ山頂に着く。
「あまり飛ばさないでね、ヒヤヒヤしたわ。
さっき、カーブに差し掛かった時なんか、もう少しでガードレールに当たるところだったわよ。
ホント、生きた心地がしなかったわ。
ねえ、真理子ちゃん」
身振り手振りで後ろの真理子に話しかけ、同意を求めていた。
真理子は、さ程に感じていないようだったが「ええ、そうですね」と、短く答えていた。
確かに、助手席では恐怖心が倍加されるだろう。
そう言えば、途中から貴子のおしゃべりが止まっていた。
「ハイハイ、分かりました。
どうせ、上り坂ではスピードは出ません。
ご安心下さい」
三人乗りの状態では、速度を上げたくとも上がらない。
ギアはセカンドのままでアクセルを目一杯に踏み込む。
エンジンの苦しむ声を聞きながら、(がんばってくれ)と祈るような気持ちで、坂を駆け上がっていく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます