昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルー・じゃあず ~二十歳の詩(うた)~ (last)

2010-04-03 00:30:02 | 小説
夕刊の三面の片隅に小さく書き込まれているこの事件には、
誰一人として感情を持たなかった。

“幼少時に脳を冒されて凶暴性が強く発作的行動の多いAは、
XX山の中腹に隔離されての治療中に、
今早朝看護婦が食事を運んだその直後、
鉄格子の窓から飛び降り自殺を試みそのまま即死した。

なお警察当局では、
担当看護婦からの証言について一切発表していない。

直後に退職した担当看護婦の追跡取材を試みた記者が居たが、
事件から一年が経った今でも何の報道もされていない。

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