昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルー・はんたぁ ~蒼い情愛~ (last)

2010-04-23 21:53:35 | 小説
いつか煙は消えていた。

看守の靴音にオドオドしながらの一服ではあった。

が、
それでも美味かった。

看守の靴音が遠ざかることを確認すると、
最後の煙を一吐きした。

そしてその煙に、
どことなく穏やかな色を、
部屋全体に感じた。

その時の死刑囚は決して自由のないことを恨む心ではなく、
むしろ束縛下の自由を感謝しているようだった。

━━━・━━━

ヒーローは、
何千何万の人間を救う義務があるのに、
なぜ、
己一人を救う権利がないのだろう・・・

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