昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

蒼い恋慕 ~ブルー・れいでぃ~ (猿)

2010-01-11 14:08:40 | 小説
差し出されたコークハイを半分ほど飲み込むと、
ジンと快い刺激が喉を襲う。

ゆっくりとグラスをカウンターに置くと、
耳に入り込んでくるバンド演奏に聞き入る。

そしてそのジャズ演奏に、身を委ねる。
少年の体に染み入ってくる生のジャズに、
次第に陶酔していく。

そしてそのジャズが、少年の手足を動かし始める。

演奏に合わせて、
小さな動きから次第に大きく体が波打ち始める。

その様はまさしく、
猿回しの太鼓に踊らされる猿のようにぎこちない。

それでも、
目を閉じて聞き入る少年は
大人の少年がそこにいると思っている。

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