突如、雄叫びが響いた。
神社の方角から聞こえた。
どうやら、新年を迎えたらしい。
「タケシさん、明けましておめでとう!」
「明けましておめでとう。今年も、よろしく!」
「わたしこそ、よろしくね。ねえ、タケシさん。前に、来ない」
「そうだね。バックミラー越しでは、話しにくいよね」
車外に出ると、雪が道路を覆っていた。
ホンの四・五分だというのに、五センチ程の積雪になっている。
雪は、間段なく降り続いている。
「相当、積もるだろうね、これは」
助手席に移った彼が真理子に声をかけても、真理子は黙ったままだった。
真理子は、表情を曇らせていた。
「どうしたの?」
「うん…実は…ノーマルタイヤなのよ」
「チェーンは、ないの?」
「さあ、どうかな」
「トランク、開けてみてくれる。探してみるよ、ぼくが」
コートのフードを被って、トランクの中を探した。
しかし、スペアタイヤはあるものの、チェーンはどこにもなかった。
「タケシさん。いいわよ、ゆっくり走るから。もう、中に入って」
真理子の声に促されて、彼は車に戻った。
そろそろと発進させるが、それでも少しタイヤが滑る。
右に左にと、滑った。
対向車が来ないことが、せめてもの救いだった。
神社の方角から聞こえた。
どうやら、新年を迎えたらしい。
「タケシさん、明けましておめでとう!」
「明けましておめでとう。今年も、よろしく!」
「わたしこそ、よろしくね。ねえ、タケシさん。前に、来ない」
「そうだね。バックミラー越しでは、話しにくいよね」
車外に出ると、雪が道路を覆っていた。
ホンの四・五分だというのに、五センチ程の積雪になっている。
雪は、間段なく降り続いている。
「相当、積もるだろうね、これは」
助手席に移った彼が真理子に声をかけても、真理子は黙ったままだった。
真理子は、表情を曇らせていた。
「どうしたの?」
「うん…実は…ノーマルタイヤなのよ」
「チェーンは、ないの?」
「さあ、どうかな」
「トランク、開けてみてくれる。探してみるよ、ぼくが」
コートのフードを被って、トランクの中を探した。
しかし、スペアタイヤはあるものの、チェーンはどこにもなかった。
「タケシさん。いいわよ、ゆっくり走るから。もう、中に入って」
真理子の声に促されて、彼は車に戻った。
そろそろと発進させるが、それでも少しタイヤが滑る。
右に左にと、滑った。
対向車が来ないことが、せめてもの救いだった。
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