昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~ (五十三) 四

2013-01-01 16:57:19 | 小説
三部構成の、
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
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(四)

「今日はね、お刺身よ。
タケゾーはお肉が多いでしょうから、お魚しか食べさせてあげない。」

「なに言ってる、刺身は好物だ。
酒にぴったりじゃないか。」

「お昼はどうしてるの? 外に食べに出てるの? 
ひとり、じゃないわよね。

どうせ取引先と一緒に、でしよ? 
あたしなんかいっつも、お茶漬けさらさらなのに。」

暗に、休みの日にはステーキを食べさせて、と匂わす小夜子だ。

「馬鹿言うな、そんなことはないさ。
いつもざるだよ。
近所の店から、ざるそばを出前させてるさ。」

「うそ! タケゾー、嘘吐いてる。」
「嘘なもんか、小夜子に嘘なんか吐くものか。」

「嘘よ、ぜったい嘘よ。」
あくまで言い張る小夜子。

「どうしてそう思うんだ? 
今夜の小夜子はおかしいぞ。」


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