昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

心象風景  第一弾:祭りの夜 (小屋の中で)

2010-04-30 20:53:20 | 小説
「へびを喰う女」にしても、
漢字の「蛇」は使っていなかった。

看板に使用されていたのは確かにひらがなであった。

おそらくは、
ウナギであったろうし、
観客席までは距離があったし、
舞台は薄暗くもあった。

そういえば、
大人の間からは失笑の声も聞こえていた。

もう一つの呼び物の
「人魚姫」にしても、
小さな箱の窓から井戸を覗き込むものであった。

その小屋に井戸があるわけでもないのに、
周りが薄暗かったせいもあり、
その口上の見事さに騙された。

全くの子供騙しであった。
井戸(?)の底にフィルム写真を映写していたのであろうが、
水面がゆらーりゆらーりとゆるやかに揺れて、
水の底に人魚姫らしき物が泳いでいるように見えていた。

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