「じいちゃん、じいちゃん」
ほのかが飛び込んだ。枕元には道子とそして次男が座っていた。
「おじいちゃん。ほのかが来たよ」
次男が声をかけると、閉じられていた目がうっすらと開いた。
穏やかな表情だった。
シゲ子に感じた嫌悪感も、いま目(ま)の当たりにする孝道には感じない。
優しい気持ちで接することができた。
節くれ立ってゴツゴツとしている孝道の手を、愛おしくさすり続けた。
「じいちゃん。痛かったらお医者さんに言ってね。がまんなんかしちゃだめだよ」
「ありがとな、ほのか。分かったよ、分かったよ」
弱々しい声がもれ、ゆっくりと目が閉じられた。
痛みをこらえる仕草を孝道が見せると
「じいちゃん、がまんしちゃダメだよ。痛み止めがあるから、今あげるね。
それで少しねむってね」
「いいんだ、いいんだよ、ほのか。それより、ばあさんがな。ほのかに伝えて欲しいと言うんだよ」
一気に話すことができず、ひと呼吸置いてからになった。
「ほのかを責めちゃいないよ。それどころか、ほのかには感謝しているよと言ってた。
だから、なにも気にすることはないんだから」
「あたしね、あたしね、ばあちゃんをね、をね‥‥」
小さく首を振って「言わなくて良いんだから」と、目で告げた。
「じいちゃん、じいちゃん!」
大声で叫びながら、長男が駆け込んできた。
滅多に感情を表さない長男が、大粒の涙をこぼしながら枕元に座った。
「そんな大きな声でなくても、聞こえてる。どうだい、受験勉強は」
目を閉じたままの孝道の手をしっかりと握りながら
「大丈夫、大丈夫だよ。じいちゃんにもらったお守りがあるんだから。天神さまのお守りなんだ、効果絶大さ」
ほのかが飛び込んだ。枕元には道子とそして次男が座っていた。
「おじいちゃん。ほのかが来たよ」
次男が声をかけると、閉じられていた目がうっすらと開いた。
穏やかな表情だった。
シゲ子に感じた嫌悪感も、いま目(ま)の当たりにする孝道には感じない。
優しい気持ちで接することができた。
節くれ立ってゴツゴツとしている孝道の手を、愛おしくさすり続けた。
「じいちゃん。痛かったらお医者さんに言ってね。がまんなんかしちゃだめだよ」
「ありがとな、ほのか。分かったよ、分かったよ」
弱々しい声がもれ、ゆっくりと目が閉じられた。
痛みをこらえる仕草を孝道が見せると
「じいちゃん、がまんしちゃダメだよ。痛み止めがあるから、今あげるね。
それで少しねむってね」
「いいんだ、いいんだよ、ほのか。それより、ばあさんがな。ほのかに伝えて欲しいと言うんだよ」
一気に話すことができず、ひと呼吸置いてからになった。
「ほのかを責めちゃいないよ。それどころか、ほのかには感謝しているよと言ってた。
だから、なにも気にすることはないんだから」
「あたしね、あたしね、ばあちゃんをね、をね‥‥」
小さく首を振って「言わなくて良いんだから」と、目で告げた。
「じいちゃん、じいちゃん!」
大声で叫びながら、長男が駆け込んできた。
滅多に感情を表さない長男が、大粒の涙をこぼしながら枕元に座った。
「そんな大きな声でなくても、聞こえてる。どうだい、受験勉強は」
目を閉じたままの孝道の手をしっかりと握りながら
「大丈夫、大丈夫だよ。じいちゃんにもらったお守りがあるんだから。天神さまのお守りなんだ、効果絶大さ」
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