「良いのよ、お二人さん。お若いんだから、楽しみなさい」
品の良さそうな女性が、声をかけてくれた。
「そうそう、青春だねえ」
と、同席している紳士がその場を納めてくれた。
と突然拍手が起こり、そこかしこから
「楽しみなさい!」
と、声が飛んだ。
二人共、そんな予期せぬ応援に顔を真っ赤にしながら腰を下ろした。
お互いに顔を見合わせて、肩をすくめた。
彼にしても貴子にしても、このことでお互いがより身近に感じられた。
「どうして恋人なんて言うの、もう。あぁ恥ずかしい」
「そっちこそ、どうして違うなんて言うの。あぁ恥ずかしい」
「真似しないで! もう、御手洗くんおかしいわよ、絶対」
「おかしくないよ、絶対。夕食を共にするのは恋人だって、アメリカ映画では決まってるよ」
笑顔で詰る貴子に対し、彼も又笑顔で答えた。
「もういい、知らない!」
「坂井さん、お話の途中ですがオーダーはどうされますか?」
苦笑しながらのウエイターの声に、慌てて貴子はオーダーをした。
「うまい、うまい!
ホント、おごりの食事はうまいや!」
「又そんな憎まれ口を利いてえ」
まるで気取りの無い彼の食べっぷりは、豪快だった。元来少食の貴子は、半分近くの量を残した。
「ねえ、それ食べて良い?」
「あきれた! まだ入るの?」
周囲の視線ーそのどれもが暖か味に溢れたものであったーを、まるで気にすることなく、たゞひたすらに食べる彼だった。
貴子は驚きと気恥ずかしさの入り交じった思いを抱きつつも、そんな彼に親密感が増していった。
品の良さそうな女性が、声をかけてくれた。
「そうそう、青春だねえ」
と、同席している紳士がその場を納めてくれた。
と突然拍手が起こり、そこかしこから
「楽しみなさい!」
と、声が飛んだ。
二人共、そんな予期せぬ応援に顔を真っ赤にしながら腰を下ろした。
お互いに顔を見合わせて、肩をすくめた。
彼にしても貴子にしても、このことでお互いがより身近に感じられた。
「どうして恋人なんて言うの、もう。あぁ恥ずかしい」
「そっちこそ、どうして違うなんて言うの。あぁ恥ずかしい」
「真似しないで! もう、御手洗くんおかしいわよ、絶対」
「おかしくないよ、絶対。夕食を共にするのは恋人だって、アメリカ映画では決まってるよ」
笑顔で詰る貴子に対し、彼も又笑顔で答えた。
「もういい、知らない!」
「坂井さん、お話の途中ですがオーダーはどうされますか?」
苦笑しながらのウエイターの声に、慌てて貴子はオーダーをした。
「うまい、うまい!
ホント、おごりの食事はうまいや!」
「又そんな憎まれ口を利いてえ」
まるで気取りの無い彼の食べっぷりは、豪快だった。元来少食の貴子は、半分近くの量を残した。
「ねえ、それ食べて良い?」
「あきれた! まだ入るの?」
周囲の視線ーそのどれもが暖か味に溢れたものであったーを、まるで気にすることなく、たゞひたすらに食べる彼だった。
貴子は驚きと気恥ずかしさの入り交じった思いを抱きつつも、そんな彼に親密感が増していった。
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