二人並んで、お互い頷き合いながら店に戻った。
「でも、ケンちゃんは福の神ね。何かお礼をしなくちゃね」
「そうですね、ホントに」
そんな会話が終わるや否や、井上がやって来た。
外商部の同期に、
「今夜あたり、部長が行くようだよ」
と耳打ちされていたのだ。
で、部長の帰還を確認してから、ママに声をかけたのだ。
「ママ、どうだった?」
「あら、ケンちゃん。見てたの?」
「うん、うまく行ったようだね。良かった、良かった」
「お陰様で、ね」
ママは聡美を店に行かせると、井上と連れだって近くのバーに入った。
息抜きに利用している、五十過ぎの女性が一人で営業している店だった。
二坪ほどのカウンターのみの店だった。
「大ママ、お早う。少し休ませてえ」
「あいよ!」
「ここは私の秘密のお店なの。疲れた時なんかに、ちょっとお店を抜け出したりしてるの。
だから聡美だけなの、知ってるのは。ケンちゃんには特別に教えてあげる。
ねえ、大ママ。今夜はお祝いなの、一緒に呑んでよ」
差し出されたビールで、三人の乾杯は何度も続いた。
「お礼しなくちゃ、ね」
と言うママの言葉に対し、冗談交じりの
「そうだな、愛人にでもしてもらおうかな」
から、二人の関係が始まったのだ。
「今夜は、どうする?」
ママが、井上の太ももをつつきながら、目で合図した。
井上は、大丈夫だとばかりに、その手を軽く叩いた。
「でも、ケンちゃんは福の神ね。何かお礼をしなくちゃね」
「そうですね、ホントに」
そんな会話が終わるや否や、井上がやって来た。
外商部の同期に、
「今夜あたり、部長が行くようだよ」
と耳打ちされていたのだ。
で、部長の帰還を確認してから、ママに声をかけたのだ。
「ママ、どうだった?」
「あら、ケンちゃん。見てたの?」
「うん、うまく行ったようだね。良かった、良かった」
「お陰様で、ね」
ママは聡美を店に行かせると、井上と連れだって近くのバーに入った。
息抜きに利用している、五十過ぎの女性が一人で営業している店だった。
二坪ほどのカウンターのみの店だった。
「大ママ、お早う。少し休ませてえ」
「あいよ!」
「ここは私の秘密のお店なの。疲れた時なんかに、ちょっとお店を抜け出したりしてるの。
だから聡美だけなの、知ってるのは。ケンちゃんには特別に教えてあげる。
ねえ、大ママ。今夜はお祝いなの、一緒に呑んでよ」
差し出されたビールで、三人の乾杯は何度も続いた。
「お礼しなくちゃ、ね」
と言うママの言葉に対し、冗談交じりの
「そうだな、愛人にでもしてもらおうかな」
から、二人の関係が始まったのだ。
「今夜は、どうする?」
ママが、井上の太ももをつつきながら、目で合図した。
井上は、大丈夫だとばかりに、その手を軽く叩いた。
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