(三)
「母さん、やめてくれ。小夜子奥さまのことは言うなよ。
もういい加減に宗教から離れてくれよ。
忘れてしまったのかい、ひどい目にあったことを」
「勝利。そのことについては、散々にあたしをなじったじゃないか。
あたしも謝ったろうに。親に、何度も土下座をさせたじゃないか。
まだ足りないのかい。何だったら、小夜子奥さまの前で又土下座しようか?」
手を畳みに付けた母親を制して
「お母さんは悪くない。竹田が悪い! お母さんに謝りなさい。
いいこと。お母さんのお話は、宗教の話じゃないの。
あたしが不幸にならないようにって、為になるお話をして下さってるんでしょ!」
と、竹田を叱り付けた。
「いえ、あの、それは、でもそれは、、」
しどろもどろの竹田。
まさか小夜子に叱られるとは思ってもいなかった竹田。
勝子にしてもそうだ。
竹田の口が過ぎていると思いつつも、帰る度に聞かされる説教話には辟易していた。
言い返したいとは思うものの、元を辿れば勝子の病の平癒祈願から始まったことだ。
どうにも母親には、逆らえなかった。
そして母親といえば、複雑な思いでいた。
味方をしてくれる小夜子に感謝をせねばと思いつつも、
我が子を頭ごなしに叱り付ける小夜子に複雑な思いも抱いている。
“女ごときに! 小娘こどきに!”という思いも湧いてくる。
「母さん、やめてくれ。小夜子奥さまのことは言うなよ。
もういい加減に宗教から離れてくれよ。
忘れてしまったのかい、ひどい目にあったことを」
「勝利。そのことについては、散々にあたしをなじったじゃないか。
あたしも謝ったろうに。親に、何度も土下座をさせたじゃないか。
まだ足りないのかい。何だったら、小夜子奥さまの前で又土下座しようか?」
手を畳みに付けた母親を制して
「お母さんは悪くない。竹田が悪い! お母さんに謝りなさい。
いいこと。お母さんのお話は、宗教の話じゃないの。
あたしが不幸にならないようにって、為になるお話をして下さってるんでしょ!」
と、竹田を叱り付けた。
「いえ、あの、それは、でもそれは、、」
しどろもどろの竹田。
まさか小夜子に叱られるとは思ってもいなかった竹田。
勝子にしてもそうだ。
竹田の口が過ぎていると思いつつも、帰る度に聞かされる説教話には辟易していた。
言い返したいとは思うものの、元を辿れば勝子の病の平癒祈願から始まったことだ。
どうにも母親には、逆らえなかった。
そして母親といえば、複雑な思いでいた。
味方をしてくれる小夜子に感謝をせねばと思いつつも、
我が子を頭ごなしに叱り付ける小夜子に複雑な思いも抱いている。
“女ごときに! 小娘こどきに!”という思いも湧いてくる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます