昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

心象風景 第二弾:ある時の彼 (八)

2010-05-14 22:04:42 | 小説
先ずもって、どうしてもお話しておきたい。
決して誤解をしてもらいたくない、ということである。
筆者は、ある朝の偶然ともいうべき事件に遭遇した男を、
瞬可的に捉えてそれを報告しているのである。


(神様は?)

一瞬間、
彼は恍惚としている
(私にはそう見えた。
代わりたいものだ。)。
そして、
生きていることに感謝したに違いない。

そればかりではない、
待望(?)の女性の手をしっかりと、
吊り革上で握りしめている。
そしてその状態は、
彼の姿勢が変わらない限り続くのだ。

彼は祈ったであろう。
勿論、
”このままで!”と。

しかし神様も、
彼の味方とは限らない。
すぐにも電車が動き出した。
彼は謝りつつも、
未練を残しその手を離した。

女性は耳を赤くして、
横を向いてしまった。
その横顔を、
彼は美しいと感じた。

正直、
筆者にはそう思えないが、
まぁ好みの問題だから・・。

しかし今の彼にとって、
これ以上の美女はいないといった表情だ。
そして、
会社で待つ恋人のことも忘れた。

えっ、何故わかる?
と問われますか・・・、
うーん、
そういうことにして下さい。
話の流れとして。

ほら、
あなたがそんなことを問いかけている内に、
女性が電車を降りてしまった。

彼はどうしたのか・・・。

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