取り調べでは、
知らぬ存ぜぬを押し通した。
盗みを働く前だったことで
証拠品は無く、
腰元たちへの詮議も
「無礼者!」のひと言で
無くなった。
しかし奉行所にも、
面子がある。
捕らえた次郎吉を、
腰元たちへ引き渡すことはなかった。
元大阪町専助店の
次郎吉という名前で入牢した。
吟味の折りに、
前年七月以来
千住在その他の野天で
丁半・ちょぼ一などの博打をして暮らしてきたが、
二月三日のあの夜は、
中間の安五郎という
知人を訪ねたものだと言い張った。
そしてたまたま
裏木戸が開いていたので入り込んだと、
切々と訴えた。
屋敷内をうろついている所を
あの腰元達に見咎められ、
恐ろしさのあまり逃げ出しただから、
盗みなどを考えていたのではない、
と言い張った。
土屋家に
安五郎などという中間は居ない等、
色々矛盾がありはしたものの、
さほどの吟味も無く、
五月二日、
入れ墨中追放となった。
知らぬ存ぜぬを押し通した。
盗みを働く前だったことで
証拠品は無く、
腰元たちへの詮議も
「無礼者!」のひと言で
無くなった。
しかし奉行所にも、
面子がある。
捕らえた次郎吉を、
腰元たちへ引き渡すことはなかった。
元大阪町専助店の
次郎吉という名前で入牢した。
吟味の折りに、
前年七月以来
千住在その他の野天で
丁半・ちょぼ一などの博打をして暮らしてきたが、
二月三日のあの夜は、
中間の安五郎という
知人を訪ねたものだと言い張った。
そしてたまたま
裏木戸が開いていたので入り込んだと、
切々と訴えた。
屋敷内をうろついている所を
あの腰元達に見咎められ、
恐ろしさのあまり逃げ出しただから、
盗みなどを考えていたのではない、
と言い張った。
土屋家に
安五郎などという中間は居ない等、
色々矛盾がありはしたものの、
さほどの吟味も無く、
五月二日、
入れ墨中追放となった。
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