人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エルディーティ弦楽四重奏団でベートーヴェンとメンデルスゾーンのクァルテットを聴く

2016年02月21日 08時27分19秒 | 日記

21日(日)。わが家に来てから511日目を迎え、撮影者にイチャモンをつけているモコタロです

 

          

           どこにピンとを合わせてるんだよ?! せっかくの男前が・・・

 

  閑話休題  

 

昨日、5月の3連休に東京国際フォーラムを中心に開かれる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の先行抽選販売の申し込みをしました この音楽祭は毎年テーマを決めて開催されていますが、今年のテーマは「ナチュール(自然と音楽)」です 分かり易く言えば、ベートーヴェンの「交響曲第6番”田園”」であるとかヴィヴァルディの「四季」であるとか、自然と関わりのある音楽を集めて、1公演平均45分のコンサートを大小6つのホールで開くというものです 取りあえず3日間で20公演申込んでおきましたが、もし全部に当選すると全部に行かなければなりません ただし、収容人数が153席、221席という公演も複数申し込んでいるので、それらの当選の確率は極めて低いと思われます。最終的には例年どおり17~18公演あたりで落ち着くのではないかと思っています

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールでエルディーティ弦楽四重奏団のコンサートを聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」、②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第15番イ短調」です エルディーティ弦楽四重奏団は、1989年東京藝術大学出身者4人で結成されました。第1ヴァイオリン=蒲生克郷、第2ヴァイオリン=花崎淳生、ヴィオラ=桐山建志、チェロ=花崎薫というメンバーです

 

          

 

自席は1階5列13番、センターブロック左通路側です。会場は5割程度でしょうか。ちょっと寂しい感じです

1曲目のメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」は1827年、18歳の時に書かれました 第1番が1829年に作曲されたので、実質的にはこちらが第1番になります。ショパンのピアノ協奏曲の第1番と第2番もそうですが、おそらく出版の順番が入れ替わったのだろうと言われています メンデルスゾーンがこの第2番を作曲した1827年は、奇しくもベートーヴェンが死去した年で、後半に演奏されるベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第15番イ短調」が作曲された2年後に当たります。そのため、この曲にはベートーヴェンの弦楽四重奏曲の影響が色濃く反映されています

この曲については、ここ1週間ほど、アメリカの若手弦楽四重奏団、パシフィカ・クァルテットのCDで予習してきたので、メロディーは頭に入っています 第1楽章「アダージョーアレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ・ノン・レント」、第3楽章「インテルメッツォ」、第4楽章「プレスト」から成ります

 

          

 

舞台上の4人の演奏を聴いていると、「これが本当に18歳の青年が書いた曲なのだろうか」と驚きを禁じえません。もっとも、メンデルスゾーンは16歳の時にあの名曲「弦楽八重奏曲」を書き、17歳の時に「真夏の夜の夢」序曲を書いたのですから、不思議でも何でもないのかも知れません

18歳の若き作曲家による作品ですが、4人は円熟したベテランの演奏を展開、短調という曲の調性とも相まって ほの暗い感動をもたらしました         

 

          

 

休憩後はベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第15番イ短調」です。この曲は1824年の「第9交響曲」の初演の翌年 1825年に作曲に取り掛かったようです その後、ベートーヴェンは大病を患い、その病から回復したのちに、5つの楽章から成る、真ん中の第3楽章に「モルト・アダージョ”病癒えた者の神への聖なる感謝の歌”」を据え、それを中心とするシンメトリーな形で第15番を作曲しました

この曲でも、4人は円熟の演奏を聴かせてくれましたが、とくに第3楽章の演奏はしみじみと心に沁みました

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は第13番以降、生前に出版されませんでした。さぞ心残りだったことでしょう

4人はアンコールに最後の弦楽四重奏曲「第16番」から第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィッロ」を、これもしみじみと演奏し 盛んな拍手を受けました

この日のコンサートは、ベートーヴェンと、ベートーヴェンの影響を受けたメンデルスゾーンとの組み合わせという絶妙のプログラミングでした 今後もこの組み合わせのコンサートが開かれると良いな、と思いながら家路に着きました

 

          

コメント (2)
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