6日(土).昨日は,朝ブログをアップしたはずなのに,夜チェックしたらアップされていないことが分かり慌ててアップしました アップした後は必ず直後に確認しているのですが,原因不明です.それともこの暑さでボケたか
ということで,わが家に来てから678日目を迎え,リオ・オリンピックの開会式前日に行われたサッカーの試合で日本が敗退した原因を分析するモコタロです
ブラジル入りが遅れたナイジェリアに 油断したんだろうな
閑話休題
昨日,ミューザ川崎で神奈川フィルの「モーツアルトへのオマージュ」公演を聴きました これは7月23日から8月11日までミューザ川崎で開かれている「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれたコンサートです
プログラムは①モーツアルト「歌劇”フィガロの結婚”序曲」,②同「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364」,③リヒャルト・シュトラウス「オーケストラのための歌曲集」~「花束を摘みたかった」「あすの朝」「セレナーデ」「万霊節」,④同「歌劇”ばらの騎士”組曲」です.②のヴァイオリン独奏はコンマスの崎谷直人,ヴィオラ独奏は首席の大島亮,③のソプラノ独唱は二期会会員・高橋維,指揮は若き常任指揮者・川瀬賢太郎です
午後3時からの本公演に先立って,午前11時から同じ会場で公開リハーサルが開かれました 背番号12のブルーのサッカー・ウエアを着ている若者が指揮台近くで話をしていたので,誰だろうと思ったら指揮者の川瀬賢太郎でした.進行係りのお兄ちゃんだと思っていました
楽員もカジュアルな衣装でリハーサルに臨んでいます
演奏曲目順に行う旨のアナウンスがあり,早速 1曲目のモーツアルト「フィガロの結婚」序曲から始まりました
今まで何人かの指揮者のリハーサルをこの会場で見てきましたが,ベテラン指揮者が指揮台の上に椅子を設置して座って指揮をしていたのに対し,川瀬は立ったまま指揮をしました.さすがは若さです
この序曲では,何回か指揮台の上でジャンプしていました.リオ・オリンピックも始まることだし,良いことです
次にモーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364」のリハーサルに移ります コンマスの崎谷直人とヴィオラ首席の大島亮が普段着で登場しますが,大島は何と阪神タイガースのユニフォームを着用しています
ものすごく親近感を感じました
8月第1週で すでに自力優勝の芽がなくなったタイガースをどう思うよ,えっ?大島君
もちろん阪神半疑だよね
第1楽章から第3楽章まで途中で止めることなく通します ソリストの二人はリラックスして臨んでいます.川瀬はオケが弱音になると後ろを振り返って,(たぶん)副指揮者に音のバランスが問題ないかを目と目で確かめ合います
前半が45分で終了し,15分の休憩後に後半のリハーサルが再開されました 最初はリヒャルト・シュトラウスのオーケストラ伴奏による歌曲集です.ソプラノの高橋維(ゆい)がカジュアルな衣装で登場し,4つの歌曲を通して歌います
最後にリヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲の仕上げをします 通して演奏した後,何カ所かやり直しをしました.後半は50分かかりました
さて本番です.自席はいつもと同じ2階センター右サイドです 会場は約半分埋まっている感じでしょうか.地元神奈川県民はもっと聴きに来るべきです
オケがスタンバイします.コンマスは一見気障な石田泰尚です
川瀬賢太郎の指揮で「フィガロの結婚」序曲が軽快に演奏されます リハーサル通り,終盤では指揮台の上で飛び上がっていました
5分もかからない短い曲ですが,川瀬はメリハリを付けてエネルギーをぶつけます
ソリストの崎谷直人と大島亮が登場,モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K,364」の演奏に入ります オケの編成は弦楽5部と管楽器はホルンとオーボエが各2本ですが,このホルンとオーボエがソリストをサポートする素晴らしい演奏を展開していました
若い二人ですが,情感豊かな演奏で,とくに第2楽章「アンダンテ」の中盤でヴァイオリンがソロで出る部分は,ビックリするほどの最弱音で演奏効果を高めていました 一方,ヴィオラは雄弁に語っていました
後半の最初は,リヒャルト・シュトラウスのオーケストラ伴奏による歌曲集です ソプラノの高橋維が淡いパープルの衣装で登場します.普段着の時とは別人のように輝いています
衣装は”その気にさせる”力があるのかも知れません
前半でソリストを務めた崎谷直人がコンマスの隣に座ります
「わたしは小さな花束を編もうとした」はシューベルトの「野ばら」のような内容の歌です 「明日には!」はコンマスの独奏ヴァイオリンとハープの美しい伴奏に載せて”明日の幸せ”を歌い上げます
「セレナーデ」は恋人を強く思う歌です
「万霊節」はいわばカトリックのお盆とのこと.感動的な歌です
高橋維の美しいソプラノが会場いっぱい広がりました
最後はリヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲です 歌劇「ばらの騎士」は,モーツアルト「フィガロの結婚」へのオマージュとして作曲されました.これを組曲として編集したのは指揮者のアルトゥール・ロジンスキーだろうと言われています
良くも悪しくもこの曲は誇大妄想の極致を行くリヒャルト・シュトラウスによる大管弦楽曲です 「私が音に出来ないモノは何もない」と豪語していた作曲家の集大成とでも言うべき作品です
なにしろ家族のことを音楽にした「家庭交響曲」まで作っているのですから驚きます
神奈川フィルは河瀬健太郎の精力的な指揮のもと,リヒャルト・シュトラウスの誇大妄想の世界を鮮やかに描き出しました
会場一杯の拍手に,川瀬+神奈川フィルは「ばらの騎士」組曲のフィナーレ部分をアンコール演奏し,コンサートを締めくくりました
神奈川フィルは他のオーケストラと比較して平均年齢が若いと思われますが,70人の構成員の中には,若き川瀬から見れば先輩格の演奏家も数多くいると思います そうしたオーケストラを束ねていくのは並大抵のことではないと思いますが,堂々とチャレンジしています
おそらく若き日の小澤征爾も最初はそうだったに違いありません.若くして老成したような指揮者よりも,若ければ若いなりの元気はつらつとした指揮者の方がよほど好ましいと思います
神奈川フィルともども これからも頑張ってほしいと思います