人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京藝大モーニング・コンサートで前川泉「CHARLIE~哀れな羊のドタバタ喜劇」、パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(Sax:千野哲太)を聴く / 世界若手オペラ歌手ガラコンサートのチケットを取る

2018年07月27日 07時20分22秒 | 日記

27日(金)。わが家に来てから今日で1394日目を迎え、ポンぺオ米国務長官は25日の上院外交委員会で「北朝鮮は核物質の生産を続けている」と証言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

               北朝鮮は米国を甘く見てるとポンぺオ火山が爆発してポンペイ遺跡のようになるぞ

 

         

 

昨日、夕食に「サバの塩焼き」「マグロの山掛け」「生野菜とアボカドのサラダ」「男前豆腐の食べるラー油乗せ」「アサリの味噌汁」を作りました サバは勝浦氏在住で大学時代の友人S君が送ってくれた逸品ですが、脂がのって美味しかったです


     

 

         

 

新国立劇場「オペラパレス」で開かれる「世界若手オペラ歌手ガラコンサート」のチケットを取りました 9月16日(日)、17日(月・祝)のうち16日午後5時からの部です これは新国立劇場オペラ研修所20周年を記念して開かれる特別公演で、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=飯守泰次郎による演奏です 

出演はオペラ研修所研修生第19期~21期生のほか、安藤赴美子(第3期修了)、清水華澄(第4期修了)、城宏憲(第10期修了)、桝貴志(第5期修了)が賛助出演し、ロンドン、ミラノ、ミュンヘンの各歌劇場のオペラアカデミーからも6名が出演します

なお、プログラムの詳細はまだ発表されていません 個人的には安藤赴美子さんのプッチーニを期待します

 

     

 

         

 

昨日、東京藝大奏楽堂で第10回藝大モーニング・コンサートを聴きました プログラムは①前川泉(藝大4年)「CHARLIE~哀れな羊のドタバタ喜劇」、②パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品47」です ②はサクソホーンによる演奏で、独奏は千野哲太、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮=山下一史です

 

     

 

全席自由です。1階10列24番、センターブロック右通路側を押さえました。会場は7割くらいの入りでしょうか

オケはいつもの通り、ヴァイオリン・セクションを左サイドに集めています。コンマスは戸原直です

1曲目は藝大4年生・前川泉作曲による「CHARLIE~哀れな羊のドタバタ喜劇」です 演奏直前の本人の説明とプログラム記載の解説によると、CHARLIEというのは喜劇王チャーリー・チャップリン(1889‐1977)のことで、彼女はチャップリンの「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である」「悲劇と喜劇は紙一重である」という言葉を引用し、この作品では悲劇と喜劇の二面性に注目して作曲したとのことです さらに、チャップリンの自伝書に書かれた次のエピソードを紹介します

「彼は子供の頃、屠畜場が近くにある家に住んでいたのだが、ある日、一頭の羊が群れの列から離れて逃げ出してしまった パニックに陥り跳ね回る羊と、羊を捕まえようと慌てる人々の追っかけ合いは、とても滑稽で周囲に笑いが起こった チャップリンも最初は笑っていたのだが、ついに羊が捕らえられてしまうと、その出来事の本当の悲劇に気づき涙を流したという 『この出来事こそ、悲劇と滑稽さが組み合わさった映画の土台を築くきっかけになったのかもしれない』と、チャップリンは語っている

作品は、このエピソードを基に作られており、逃げた一頭の羊こそチャーリー・チャップリンその人で、チャーリーの行動を中心に物語が進行していくとのことでした

指揮の山下一史が登場、演奏に入ります 冒頭ティンパニの強打で物語が始まります。曲中、ドタバタ喜劇のような賑やかな表現も聴かれ笑いが聴こえます 中盤ではオッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」(邦題:天国と地獄)の有名なカンカン(地獄のギャロップ=カステラ一番、電話は二番~で有名)の馬鹿騒ぎのメロディーが引用され、ドタバタ喜劇がシニカルに強調されます 全体的に現代音楽にありがちな「小難しさ」は無く、ストーリー性のある聴きやすい音楽でした


     

 

プログラム後半はパガニーニ「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品47」です この曲はニコロ・パガニーニ(1782‐1840)が1817~18年頃に作曲しました 第1楽章「アレグロ・マエストーソ~テンポ・ギウスト」、第2楽章「アダージョ・エスプレッッシーヴォ」、第3楽章「ロンド・アレグロ・スピリトーソ~ウン・ポコ・ピゥ・プレスト」の3楽章から成ります

ただし、今回は藝大4年生・千野哲太君のソプラノ・サクソホーンによって演奏されます ヴァイオリン協奏曲第1番は1819年に初演されていますが、その当時はまだサクソフォーンは存在していませんでした。本人によるプログラム・ノートによると、「もしパガニーニがサクソフォーンを使用していたら・・・」と思い、カデンツァはパガニーニによるヴァイオリン用を使用せず 千野君が独自に作曲したそうです

山下一史指揮藝大フィルハーモニアにより第1楽章の長い前奏が続きます そして、千野君のソプラノサックスによって最高音が輝かしく演奏されます この楽章を通して、彼の指使いとタンギング(舌使い)を見ているだけでも、この曲がいかに超絶技巧を要するかが分かります ヴァイオリンで超絶技巧曲なのに、自分の息を吹き込んで、高速で指を動かすサックスで演奏するわけですから それ以上に超絶技巧だと思われます よほど口が達者じゃないとあれほど上手くは吹けません(ちょっと、意味が違うか)。カデンツァは自らの作曲によるものだけに高音から低音までサックスの魅力が良く生かされた演奏でした

第2楽章では、速いパッセージが無く、むしろ低音部を中心にゆったりと聴かせる楽章ですが、千野君のサックスは良く歌っていました 第3楽章に入ると再び超絶技巧を駆使する場面が多くなりますが、千野君は演奏を楽しんでいるかのように軽快に演奏、フィナーレになだれ込みました

クラシック音楽にサクソフォーンのための作品があまりにも少ないため、千野君はパガニーニの難曲を選んだのだと思いますが、まずそのチャレンジ精神に敬意を表します そして、超絶技巧を駆使した演奏は、その精神が活かされた見事なものでした

千野哲太は須川展也、上野耕平に続いてクラシック・サックス界のスターになれるか これからが楽しみです

 

     

コメント
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