人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

黒澤明監督✕三船敏郎主演「蜘蛛巣城」を観る~忘れられない 三船演じる鷲津武時が矢を射かけられる鮮烈なラストシーンと 妻・浅茅を演じる山田五十鈴の狂気迫る演技!

2018年07月17日 07時21分04秒 | 日記

17日(火)。わが家に来てから今日で1384日目を迎え、自由党の小沢一郎代表が主宰する政治塾が15日、東京都内のホテルで開かれ、小泉純一郎元首相が講演した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       バラバラな野党を安倍一強態勢に対抗できるように取りまとめられるのは誰なの?

 

         

 

昨日、夕食に「野菜とひき肉のドライカレー」と「生野菜、ワカメ、アボカドのサラダ」を作りました 「ドライカレー」の材料は玉ねぎ、トマト、ナス、ピーマン、ひき肉です。先日作ったのが娘に受けたので また作りました

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「蜘蛛巣城」を観ました これは黒澤明監督・脚本による1957年東宝映画(白黒・110分)です

この作品はシェイクスピアの戯曲「マクベス」を日本の戦国時代に置き換え、能の様式を取り入れて制作した戦国時代の一大悲劇です

謀反を起こした藤巻を討ち、城主・都築国春(佐々木孝丸)の危機を救った鷲津武時(三船敏郎)と三木義明(千秋実)は、蜘蛛巣城に帰城途中に出会った老婆から「武時は北の館の主となり、やがて蜘蛛巣城の城主になる。義明は一の砦の大将となり、やがて義明の子が蜘蛛巣城の城主となる」という不思議な予言を聞く 二人は一笑に付すが、武時はその予言通りに北の館の主に、義明は一の砦の大将に任ぜられる 武時からその話を聞いた妻・浅茅(山田五十鈴)は、老婆の予言を義明を通じて国春が知れば、こちらが危ないと謀反をそそのかす 武時は迷うが、浅茅が見張りの兵士たちの酒に薬を入れて眠らせた隙に主を殺害し、自ら城主の地位に着く しかし、彼には子がないため義明の嫡男・義照を養子に迎えようとするが、浅茅は懐妊したとしてこれを拒む。しかし浅茅の子は死産し発狂する。浅茅にそそのかされた武時は家来に命じ義明を殺す。しかし子の義照は生き残り、軍勢を率いて 切り倒した木に身を隠しながら蜘蛛巣城に接近する。武時は兵士たちに老婆の予言を伝え、自分は戦には負けない運命にあると説くが誰も信じようとしない 持ち場に戻れ!と怒鳴る武時めがけて、味方の兵士から無数の矢が放たれる

 

     

 

蜘蛛巣城のセットは富士山2合目・太郎坊の火山灰地に建設されたとのことで、晴れた日には麓の御殿場市の街からも見えたほどの巨大なセットだったといいます

武時を演じた三船敏郎は、馬に乗って疾走するシーン、館でどっしりと構えるシーン、どのシーンをとっても「これぞ日本の侍」という風貌と男らしさを持っています

この映画で忘れられないシーンが2つあります その一つは妻・浅茅の発狂シーンです。「どうして、この血はいつまでも消えないんだろうねぇ」と言いながら水瓶で何度も手を洗う仕草を見せるシーンです。この時の山田五十鈴の顔はまさに能面の顔付きです 黒澤監督は山田五十鈴に前もって能の「曲見(しゃみ)」を見せたそうです。山田の迫真の演技に黒澤監督は「このカットほど満足したカットはない」と感嘆したそうですが、まさに「狂気の演技」です

もう一つは、家来たちから見放された武時が、味方の兵士たちから無数の矢を射かけられるシーンです これはトリックではなく、学生弓道部の部員が実際に三船や三船の周囲めがけて矢を射たものとのことです また、三船から離れた位置に矢を射て、遠距離から超望遠レンズで撮影することで生じる圧縮効果により近くに刺さっているようにみせる工夫もあったようです 一歩間違えれば三船は命を落とす重大なシーンですが、先日観た「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」で黒澤組のスクリプターを務めた野上照代さんが語るところによれば「三船さんは、俳優として育ててきてくれた黒澤さんに恩義を感じて、あの命がけの厳しいシーンを引き受けたのだと思います 当時は、保険なんてかけてなかったですからね」ということです 保険もかけてない状態で、学生弓道部の連中から狙われるわけですからどれほど恐怖を感じていたでしょうか 画面に現れた三船の恐怖の表情はあながち演技だけとも思えない真に迫ったものがあります 彼は撮影の前日は眠ることが出来ないほどだったそうです。また 撮影後、酒に酔った勢いで散弾銃を持って黒澤の自宅に押しかけ、自宅前で「こら~!出てこい!」と叫んだというエピソードもあるそうです   その後の映画界のことを考えると、その時 散弾銃を撃たなくて良かったと思いますが、映画を作る監督も、役を演じる俳優も、黒澤組では命がけだったことが良く分かります

黒澤明✕三船敏郎の映画は理屈抜きで面白い この「蜘蛛巣城」にしても、「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」にしても、特に白黒作品に 何回観ても飽きないない 無類の面白さがあると思います

 

     

     

コメント
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