13日(金)。わが家に来てから今日で1380日目を迎え、タイの洞窟に閉じ込められていた少年ら13人が全員無事に救出されたことを巡り、米ハリウッド映画会社が映画化に向け準備を進め、米ケーブルテレビ会社がドキュメンタリー番組の放送を決め、出版の話も出ている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
さすがはトランプ大統領の国だ 金儲けのためなら われ先にと交渉を開始するぜ
昨日、夕食に「厚揚げとナスのピリ辛炒め煮」「切り干し大根とツナのあえ物」「トマトとエノキダケと卵のスープ」「冷奴」を作りました 冷奴を除いて朝日新聞の小さなコラム「料理メモ」掲載のメニューです。いずれも初挑戦ですが、初めての割には美味しく出来ました
昨日、東京藝大奏楽堂で「第8回藝大モーニング・コンサート」を聴きました プログラムは①ルプツォフ「オーボエ協奏曲」、②ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品77」です
①のオーボエ独奏は志村樺奈さん、②のヴァイオリン独奏は内尾文香さん。管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮は山下一史です
全席自由です。1階11列12番、左ブロック右通路側を押さえました。会場は7割以上は入っているでしょうか
1曲目はルプツォフ「オーボエ協奏曲」の日本初演です アンドレイ・ルプツォフは1982年モスクワ生まれで、モスクワ音楽院在学中にロシア・ナショナル管弦楽団のオーボエ副首席奏者に19歳(当時史上最年少)で就任、29歳で英国王立音楽院の指揮科を首席で卒業、現在は指揮者としてロシア・ナショナル管弦楽団に客員しているとのことです
この曲は2003年にロシアのオーボエ奏者アレクセイ・ウトキンのために書かれました。第1楽章「ロンド」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ブルレスク」の3楽章から成ります
バックを務めるオーケストラは弦楽器のみで、いつもの通り 左サイドにヴァイオリン・セクションを集めています。コンマスは戸原直です
水色の爽やかな衣装を身にまとった藝大4年生・志村樺奈(しむら かな)さんが指揮の山下一史とともに登場します 山下の指揮で第1楽章の演奏に入ります。冒頭から活気のある音楽が展開します。現代の作曲家が作った曲ということで、わけのわからんちんの曲かと警戒していましたが、とても聴きやすい魅力あふれる曲で、こけおどしのようなところはありません
志村さんの演奏は軽快そのものです
第2楽章は一転、穏やかな音楽が続き、何かに祈りを捧げているような印象を受けます
間を置かずに演奏される第3楽章は「ブルレスク」のタイトル通り、オーボエがやや皮肉でグロテスクなメロディーを速いテンポで演奏しますが、終盤の音楽はショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の第4楽章「ブルレスク:アレグロ・コン・ブリオ」のような曲想で、同国の先輩音楽家へのオマージュのように感じました
志村さんによるプログラム・ノートによると、演奏するにあたり何度かルプツォフ本人にアプローチし、作曲の経緯などについて問い合わせたとのことです 本人は作品について多くは語らなかったようですが、こうした試みは「日本初演」の演奏者として素晴らしい姿勢だと思います。あらためて大きな拍手を送ります
2曲目はショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調作品77」です この曲はドミトリィ・ショスタコーヴィチ(1906‐1975)が1947~48年に作曲しましたが、この協奏曲を作曲しているさなか、彼の交響曲などの作品が「形式主義的」と批判されたことから、初演を延期することにしました
その後、スターリンの死から2年後の1955年10月29日に、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル、ダヴィッド・オイストラフの独奏により初演されました
第1楽章「ノクチュルノ:モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「パッサカリア:アンダンテ」、第4楽章「ブルレスク:アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります
ステージ上に管・打楽器、ハープ、チェレスタが加わりフル・オーケストラ編成に拡大します 管楽セクションをよく見たら、N響クラリネット首席・伊藤圭氏がスタンバイしていました。彼は藝大准教授なので、プログラムに掲載の名簿には「本学教員」の印が付されていました
茶系のシックな衣装を身にまとった藝大4年生・内尾文香(うちの あやか)さんが山下とともに登場します 第1楽章冒頭 チェロとコントラバスにより序奏が重々しく演奏され、独奏ヴァイオリンが息の長い旋律を歌い出します
独奏の内尾さんは非常に落ち着いていて、暗闇の中をじっと目を凝らしてしっかりと進んでいくように冷静に演奏を進めます
第2楽章に入ると一転、ユーモアに満ちた音楽が展開し、独奏ヴァイオリンとオケとの丁々発止のやり取りが楽しく聴けます
第3楽章はティンパニの強打で開始されますが、この楽章の聴きどころは終盤の長大なカデンツァです 独奏ヴァイオリンが瞑想的な旋律を朗々と奏でます。緊張感に満ちた演奏に会場は物音一つしません
カデンツァがクライマックスに達すると、切れ目なく4楽章に突入します。第3楽章の重苦しい雰囲気は何だったのか、というような明るく祝祭的な音楽が展開します
落ち着きがある中に情熱が込められた内尾さんの演奏を聴いて、なぜか、私が初めてこの曲を聴いたヒラリー・ハーン✕ヤンソンス✕ベルリン・フィルの演奏(2000年11月。みなとみらいホール)を思い出していました
志村さんも、内尾さんもこれからが楽しみな演奏家だと思います
ところで、プログラムに下のチラシが挟み込まれていました 7月21日(土)午後1時から東京藝大音楽学部構内第2ホールでのランチタイムコンサートです
私が今まで聴いてきた「藝大モーニングコンサート」の中で、最も印象に残った演奏家の一人、ヴァイオリンの髙木凛々子さんも出演します
残念ながら私はミューザ川崎にコンサートを聴きに行くので聴けません
入場無料・全席自由・事前予約不要です。お薦めします