13日(木)。昨日の朝日新聞夕刊の見開き企画「Next Stage」でソプラノ歌手の林正子さんが取り上げられていました 林さんは東京都出身。東京藝大大学院、二期会オペラスタジオ、ジュネーブ音楽院をそれぞれ修了し、現在 欧州を拠点に活躍しています 2018年10月には新国立劇場のモーツアルト「魔笛」でパミーナを歌いました 今年6月には東京文化会館、新国立劇場などの共同制作によるワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」でヒロインのエーファを歌う予定です
インタビューの中で、林さんは6月のオペラ公演に向けての意気込みを語るとともに、母親の交通事故死、父親の看病による海外での活動の制限など、いくつもの試練があったことを明かし、次のように語っています
「人生、いろいろあります。でも、悲しみも悔しさも もちろん喜びも、全部心に刻みつけて生きてきました だからどんな役を演じる時も、ねえ、あの時私はどんな気持ちだった?と、いろんな感情の”引き出し”を開けてヒントにするんです」
自身の経験に裏付けられたしっかりしたバックボーンがあるからこそ、聴く人々の心に訴える力があるのだと思います 林さんに限らず、特に女性の歌手の皆さんは、歌手である前に一人の人間として、支えるべき家族を持つ生活者として、乗り越えなければならない試練が少なくないのだと思います。そういう 頑張っている皆さんに 心から応援のエールを送ります
ということで、わが家に来てから今日で1962日目を迎え、日本の野球界で選手として、監督として大活躍してきた野村克也氏が11日、84歳で急逝した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
長嶋監督がヒマワリなら 野村監督は月見草 安倍首相は桜だけは勘弁してほしい?
昨日、夕食に「チキンソテー」を作りました とても美味しかったです。赤ワインが良く合いました
昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート 第23回「ラフマニノフに酔いしれて」を聴きました プログラムは①ラフマニノフ(アール・ワイルド編)「ヴォカリーズ」(ピアノ)、②クライスラー(ラフマニノフ編)「愛の喜び」(ピアノ)、③ラフマニノフ「ヴォカリーズ」(バリトン+ピアノ)、④同:歌劇「アレコ」より「カヴァティーナ」(同)、⑤同「夜の神秘な静けさの中」(同)、⑥同「2台のピアノのための組曲 第1番 ”幻想的絵画” 」です 演奏は③~⑤のバリトン=ヴィタリ・ユシュマノフ、①③⑤⑥のピアノ=清水和音、②④⑥のピアノ=後上聡司です
1曲目はラフマニノフ「ヴォカリーズ」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1912年に作曲した「14の歌曲 作品34」の最終曲に当たりますが、昨今では単独の作品として歌や楽器のソロで演奏される機会が多くなっています 「ヴォカリーズ」とは歌詞ではなく、母音のァだけで歌う歌唱法です 今回はアール・ワイルドのピアノ編曲版により清水和音がしみじみと演奏しました
2曲目はクライスラー「愛の喜び」です この曲はフリッツ・クライスラー(1875-1962)がヴァイオリンのために作曲した小品です 今回はラフマニノフの編曲によるピアノ版により後上聡司(東京音大卒、桐朋学園大学院出身)が演奏しました ヴァイオリン版だと愉悦感に満ちた曲想ですが、ラフマニノフが手を加えると超絶技巧の重厚な作品に変貌します
3曲目は「ヴォカリーズ」の声楽版です 今回はロシア出身のバリトンで、日伊声楽コンコルソ第1位ほか受賞歴多数のヴィタリ・ユシュマノフが歌います 「ァ」だけで歌う単純な曲だけに反って歌いにくそうな曲想でした 通常はソプラノで歌われるケースが多いようですが、バリトンは特に高音部が若干苦しそうでした
4曲目はラフマニノフ:歌劇「アレコ」より「カヴァティーナ」です 「アレコ」は1892年にモスクワ音楽院の卒業作品として作曲した1幕物オペラです プーシキン原作によるオペラの内容は、貴族の青年アレコが、浮気したゼムフィーラと相手の男を殺してしまうという悲劇です 今回歌われるカヴァティーナ「月は高く輝く」は、「あれほど自分を愛してくれていたゼムフィーラが冷たくなってしまった 彼女は私を裏切った」と嘆き歌う歌です。ヴィタリは「ヴォカリーズ」と違って、水を得た魚のように感情表現豊かにアレコの怒りと悲しみを歌い上げました
次いでラフマニノフが1890年に作曲した「6つの歌 作品4」の第3曲「夜の神秘な静けさの中」を情感豊かに歌いました
最後は「2台のピアノのための組曲 第1番” 幻想的絵画” 」です この曲はラフマニノフが1893年に作曲し、同年11月に死去したチャイコフスキーに捧げられた作品です 第1曲「バルカロール」、第2曲「夜と愛と」、第3曲「涙」、第4曲「復活祭」の4曲から成ります
2台のピアノが向かい合わせに配置されます 向かって左に清水和音、右に後上聡司がスタンバイし、さっそく演奏に入ります 第1曲「バルカロール」では波の煌めく様子が頭に浮かびました 第2曲「夜と愛と」では2台のピアノの会話が楽しめました 第3曲「涙」ではとめどもなく流れ落ちる涙を思い浮かべました 第4曲「復活祭」では、ラフマニノフが幼少時に聴いたであろう教会の鐘の音がピアノを通して聴こえてきました 初めて聴く曲でしたが、ラフマニノフらしいロマンに満ちた作品で、すっかり気に入りました