27日(木)。わが家に来てから今日で1976日目を迎え、新型コロナウイルスについて米疾病対策センターの幹部が25日、「国内で感染が広がるのは時間の問題だ」と警告したことから、米株式市場ではダウ工業株平均が連日で大幅安となり、2日間の下げ幅は1911ドルと過去最大となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
経済だけが頼りのトランプ政権にとって 一番の敵は新型コロナウイルスだった!
昨日 安倍首相は、首相官邸で開かれた新型コロナウイルスの感染症対策本部の会合で、「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベントは大規模な感染リスクがある」と述べ、「今後2週間はイベントの中止や延期、規模縮小を政府として要請する方針」と表明しました
これを受けて、新国立劇場は昨日「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る主催公演中止のお知らせ」を基に「オペラ研修所修了公演『フィガロの結婚』を含む2月28日から3月15日までの間、全ての主催公演等をやむなく中止することといたしました」とツイートしました 私は2月29日(土)の公演を聴く予定にしていたのでキャンセルになります
国の組織なので仕方ないと思います
チケットの払い戻しは後日同劇場ウェブサイトで通知するとしています。聴くのを楽しみにしていたわれわれ以上に、当日歌う予定だった研修生の皆さんはさぞかし悔しいだろうと思います
また、新日本フィルは昨日「2月28、29日のルビー(アフタヌーン・シリーズ)で指揮を予定していたエヴェリ・ピド氏の来日は、諸般の事情により急遽中止となりました。代わりまして、大山平一郎氏が出演いたします」とツイートしました 「急遽」というところを考えると、「ははあ、新型コロナウイルスの拡散に怖気づいたな」と勘繰ってしまいます
私は もともとピドという指揮者は知らないので、大勢に影響はありません
また新日本フィルはその後のツイッターで、「新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、両日のロビーコンサートを中止する」と発表しました
このほか、私は行きませんが、日本フィルは2月29日になかのZEROホールで開催予定のフレッシュ名曲コンサートと、3月11日に杉並公会堂で開催予定の第6回公演を中止するとツイートしました また、ミューザ川崎シンフォニーホールは、2月28日に予定していたロウヴァリ指揮エーテボリ交響楽団の公演を中止するとツイートしました
なお、それぞれの情報はツイッターなので、詳細については各オーケストラやコンサートホールのホームページ等で確認していただくようお願いします 公演中止・延期の動きはこれから強まるでしょう。ツイッターから目が離せません
昨日、夕食に「筑前煮」を作りました 前回作った時、味が薄めだったので今回は気をつけました。美味しかったです
昨夕、東京文化会館小ホールで都民芸術フェスティバル参加公演「シューベルトの最高傑作」を聴きました プログラムはシューベルト①「弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810 ”死と乙女” 」、②「ピアノ五重奏曲 イ長調 作品114 D.667 ”ます” 」です
演奏は弦楽四重奏=クァルテット・エクセルシオ、②のピアノ=小山実稚恵、コントラバス=渡邉玲雄です
クァルテット・エクセルシオのメンバーは、第1ヴァイオリン=西野ゆか、第2ヴァイオリン=北見春菜、ヴィオラ=吉田有紀子、チェロ=大友肇です 渡邉玲雄は新日本フィル首席コントラバス奏者を経て、現在愛知県立芸術大学准教授を務めています
1曲目はシューベルト「弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810 ”死と乙女” 」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が27歳の時=1824年に作曲しました。第2楽章に歌曲「死と乙女」作品7の3(D.531)のピアノ伴奏部を借用したため、この愛称があります
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります
残念ながら東京文化会館小ホールはアルコール消毒の設置がありませんでした 自席はP17番、後方左ブロックの左から3つ目です。会場は9割は埋まっていると思われ、マスク着用率は大雑把に7割くらいだと思います
ステージに登場した女性陣3人はダークグリーン系の衣装で統一しています 第1ヴァイオリンの西野さん、髪を伸ばしましたね
4人の演奏で第1楽章に入りますが、冒頭から集中力に満ちた演奏が展開します このクァルテットを聴いていつも思うのは、常設の弦楽四重奏団ならではの緻密なアンサンブルです
第1ヴァイオリンの西野さんがリードしますが、チェロの大友氏ががっちりと低音部を支えます
そしてヴィオラの吉田さんと第2ヴァイオリンの北見さんがしっかりとフォローします
第2楽章は、シューベルトの独白をヴァイオリンやチェロを通して聴いているような感じです
何とシューベルトは悲しいのでしょうか
第3楽章のスケルツォを経て、第4楽章のプレストは、何かに追われているような疾走感があります
そして、シューベルト特有の「いつ終わるか分からない」メロディーの繰り返しがあります
しかし、エクセルシオの演奏で聴いている限り、飽くことを知りません
次々と湧き出てくる音楽が新鮮さを保っています
それを可能にしているのが緻密なアンサンブルです。文句なしの素晴らしい演奏でした
プログラム後半はシューベルト「ピアノ五重奏曲 イ長調 作品114 D.667 ”ます” 」です この曲は1819年(22歳)に作曲されたと言われてきましたが、音楽評論家の小味淵彦之氏のプログラム・ノートによると、近年は1823年(26歳)に作曲された可能性もあるとのことです
また、この曲はオーストリアのシュタイアーという町の鉱業所長パウムガルトナーがリートの「ます D550」がお気に入りで、彼のたっての希望で書かれたそうです
ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという珍しい五重奏曲の編成は、フンメルの作品の編成を基にパウムガルトナーが指定したのだそうです
こういうプログラム・ノートは参考になりますね
この曲は第4楽章が歌曲「ます」作品32 D.550の主題による変奏曲であるためこの通称を持っています 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:プレスト」、第4楽章「テーマ・アンダンティーノ~ヴァリアツィオー二1-Ⅴ~アレグレット」、第5楽章「フィナーレ:アレグロ・ジュスト」の5楽章から成ります
コントラバスを含む5つの楽器の編成も異色ですが、5楽章形式も異色です
演奏はエクセルシオから第2ヴァイオリンの北見さんが抜け、コントラバスの渡邉氏とピアノの小山さんが加わります
5人の演奏で第1楽章に入りますが、あまりにもゆったりしたテンポだったので、違う曲を聴いているように感じました しかし、まもなくお馴染みのテーマが表れて「明るく正しく強く」といった小学校の教室に飾られたモットーのような晴れやかで明快な音楽が展開します
最初、小山さんのピアノの音が若干大きすぎるかな、と思いましたが、すぐに慣れました
第2楽章は特に小山さんのピアノが哀愁が漂って美しかった
第3楽章は切れ味するどく軽快な演奏に突入しますが、特に女性陣は楽しそうに演奏していました
この楽章は「ます」の主題と変奏曲ですが、変奏曲が得意なベートーヴェンにも負けない曲想の変化が楽しめます
小山さんのピアノは「ます」が水面に跳ねているようです
第5楽章はシューベルト特有の同じメロディーの繰り返しです
終わったかと思って油断していると、また同じメロディーが演奏され、今度こそ終わったかと思うと再び同じメロディーが・・・とキリがないのですが、説得力のある演奏というのは飽きさせません
そして、愉悦感に満ちたフィナーレを迎えます
5人は満場の拍手とブラボーに、今演奏した「ます」の第3楽章「スケルツォ」をノリノリで演奏、再び大きな拍手に囲まれました
コンサートを聴き終わって「中止にならなくて良かった」と、心の底から思いました