人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

尾高忠明 ✕ 辻井伸行 ✕ 読売日響でショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」&「交響曲第5番」、芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」を聴く ~ 読響 第679回名曲シリーズ

2025年02月28日 00時18分41秒 | 日記

28日(金)。2月は逃げる   月末を迎えたので、恒例により2月の3つの目標の実績をご報告します ①クラシック・コンサート=15回、②映画鑑賞=2本、③読書=5冊でした 今月は28日しかないのでこんなものだと思います

ということで、わが家に来てから今日で3699日目を迎え、トランプ米大統領は25日夜、自らが主張するパレスチナ自治区ガザのリゾート化構想に関する動画を自身のSNSに投稿したが、「トランプタワー」を想起させる高層ビルや自身の黄金像が立つ様子が描かれており、物議を醸しそうだという観測が流れている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプは 自身を”王様”と自称してるが 復讐を恐れて 誰も ”裸の王様”と言えない

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第679回 名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」、②ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35」、③同「交響曲第5番 ニ短調 作品47」です 演奏は②のピアノ独奏=辻井伸行、トランペット独奏=辻本憲一(首席)、指揮=尾高忠明です

     

会場はいつもより中高年の女性客が多いようです たぶん”辻井押し”のファンの人たちだと思われます とても良いことです その調子で どんどんクラシック・コンサートに足を運びましょう

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び コンマスは林悠介、隣は戸原直というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目は芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」です    この曲は芥川也寸志(1925ー1989)が1950年のNHK放送開始25周年記念管弦楽曲懸賞に応募するために作曲、特選入選を果たした作品です   作品は近衛秀麿指揮日本交響楽団(現N響)により1950年3月21日に日比谷公会堂で初演されました 芥川也寸志の名はこの曲により人口に膾炙するようになりました 飯尾洋一氏のプログラム・ノートによると、芥川は懸賞金の20万円で田園調布に家を買ったそうです 億ションが当たり前の昨今の東京の住宅事情から見ると隔世の感があります 第1楽章「アンダンティーノ」、第2楽章「アレグロ」の2楽章から成ります

尾高の指揮で第1楽章に入ります 木管群による賑やかな演奏が展開しますが、中間部ではイングリッシュ・ホルンが寂寥感のある演奏を繰り広げます 第2楽章はシンバルの一撃で開始され、金管楽器が勇壮なテーマを奏で、明快で歯切れのよいリズムによる推進力に満ちた演奏が展開します 極めてスタイリッシュな曲想で、アメリカのシンフォニー・オブ・ジ・エアを率いて来日し、この曲を指揮したソーア・ジョンソンが、帰国後にこの曲を200回以上取り上げたというのもよく分かる気がします 実に爽快な演奏でした

2曲目はショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35」です    この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1933年に作曲、同年10月15日にレニングラードで作曲者の独奏ピアノにより初演されました   楽器編成から言えば「ピアノ、トランペット、弦楽合奏のための協奏曲」です  第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「レント」、第3楽章「モデラート」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成りますが、続けて演奏されます

ピアノ独奏の辻井伸行は2009年のヴァン・クライバーン国際コンクールで日本人として初優勝を飾りました それ以降、内外のオーケストラと共演を重ねています

ピアノがステージ中央に配置され、テレビカメラがソリストの指の動きを捉える位置に設置され、周囲に集音マイクが立てられます

     

弦楽器が12型に縮小し、尾高の指揮で第1楽章に入りますが、辻井のピアノは「アレグロ・モデラート」ではなく「プレスト」のような速さで突っ走ります 独奏トランペットも、オケも辻井のペースに合わせる形で演奏が進行します 第2楽章は一転、叙情的な演奏が繰り広げられます 後半では弱音器付きの独奏トランペットによる抒情的な演奏が印象的です 短い第3楽章に続いて、第4楽章が賑やかに開始されますが、まるで「競争曲」のようにトランペットとピアノがせわしない対話を繰り広げ、オケを伴ったスピード感あふれる演奏で「狂騒曲」のごとくフィナーレに突入しました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中 カーテンコールが繰り返され、辻井はカプースチン「プレリュード第1番」を目にも止まらぬ速さで鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第5番 ニ短調 作品47」です この曲は1937年に作曲、同年11月21日にレニングラードで初演されました この前年の1936年1月、ソ連共産党機関紙「プラウダ」は、ショスタコーヴィチのオペラ「ムツェンスク群のマクベス夫人」を「音楽ではなく荒唐無稽。粗野で原始的で下品」と批判しました このため彼は「交響曲第4番」を完成したものの、野心的な内容への批判を回避するため作品の発表を撤回します その後に作曲したのが「交響曲第5番」で、明快で分かりやすいスタイルが当局にも受け入れられ、結果的にショスタコーヴィチの名誉は回復しました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

弦楽器は16型に拡大し、尾高の指揮により第1楽章がチェロとコントラバスの魂のこもった演奏で開始されます 荒木奏美のオーボエ、フリスト・ドブリノヴのフルート、金子平のクラリネットがよく歌い、弦楽セクションが渾身の演奏を展開します 特にヴィオラ・セクションの美しいアンサンブルが印象的です 第2楽章は低弦の力強い演奏により開始されます テューバ、バストロンボーンの重心の低い演奏が印象に残ります 林コンマスのソロが素晴らしい 第3楽章は弦楽セクションによる繊細な響きで開始されます ハープをバックに歌うフルートの演奏が寂寥感に満ちて素晴らしい また、荒木のオーボエの演奏が冴え渡ります 第4楽章はティンパニの激しい連打と弦楽セクションの渾身の演奏で開始されます 金管楽器が咆哮し、切れ味鋭い弦楽器が渾身の演奏を展開し、打楽器が炸裂し、オーケストラの総力を挙げてのアグレッシブな演奏によってスケールの大きなフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーの嵐のなか、カーテンコールが繰り返されました

この日は読響のゴージャスなサウンドを堪能することが出来ました

     

     

     


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