22日(金)。一昨日の日経夕刊「グローバル ウォッチ」のコーナーに「コロナ禍『生演奏』を配信」という見出しの記事(NQNロンドン=椎名遥香)が掲載されていました 超訳すると、
「5月1日、ベルリンのコンサートホールに、ベルリン・フィルのメンバー30人弱が集まり、首席指揮者キリル・ぺトレンコの指揮でペルト「フラトレス」やバーバー「アダージョ」などを演奏した もともとイスラエルで演奏する予定だったが、新型コロナでキャンセルになった
そこで急きょ、本拠地のコンサートホールで無観客で演奏し、同フィルが運営するオンライン配信サービスで全世界に流した
演奏者の数を減らし、フルオーケストラではなく室内アンサンブルになった。事前に新型コロナウイルスの検査を受け、ステージ上では息を吹き込む管楽器は5メートル、そのほかの楽器も2メートル離れて配置に着いた
ベルリン・フィルの広報代表でもあるヴァイオリニストのスタンリー・ドッズ氏は、演奏が終わった瞬間に観客からの反応がないのが、プロの演奏家として残念だ、と語った
州政府の要請でコンサートホールには7月末まで観客を入れないことが決まっている。しかし、それが緩和されたからといってすぐに平時に戻れるわけではない
『3密』を避けるため、本番どころか大勢の楽団員が集まるリハーサルすら今は難しい。規制緩和の段階に合わせて、『まずリハーサル、次に観客数を制限してのコンサート再開を検討したい』とドット氏も慎重だ
欧州のオーケストラはどこも似たような悩みを抱える。ハンガリーのブダペスト祝祭管弦楽団は『隔離の夜会』と題して週3回ほど夕方に演奏をライブ配信している
ただ、多くの団員が登場するフルオケではなく、ほとんどが室内楽というのが現状だ。マスクを付けたピアニストやヴァイオリニストが登場することもある
欧州各国は比較的手厚い支援策を講じる。フランスは文化・芸術分野だけで200万ユーロ(約25億円)を援助し、フリーランスの失業手当の受給条件も緩和した。英国は総額1億6000万ポンド(約210億円)を助成。ドイツは個人の音楽家らに3か月で最大9000ユーロを支給する。欧州では、音楽を含めた文化・芸術は単なる『娯楽』『余暇』ではなく、社会を構成する大切な柱として位置づけられている
伝統的にオペラ座や劇場が社交場であり、「芸術家に一目置く空気もある。新型コロナとの闘いは長期にわたる可能性が大きい。支援が息切れせずにどこまで続くかが次の課題となる
アーティストも政府も『新たな日常(ニューノーマル)』に身構える
」
先日このブログでご紹介した新日本フィルの7月公演に向けての取り組みと合わせて考えると、コンサート再開に向けての取り組みは各国共通だな、と思います 最初の段階では、演奏する側も聴く側も人数を絞って ソーシャルディスタンシングを採りながら 大きなホールで演奏することになるのでしょう
欧州各国政府による文化・芸術分野に対する手厚い支援策については、いつも羨ましい思いをしますが、欧州並みとは言わないまでも、もう少し演奏家の活動に対する理解があっても良いのではないかと思います
ということで、わが家に来てから今日で2060日目を迎え、「桜を見る会」の前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会をめぐり、662人の弁護士や学者が21日午前、公職選挙法と政治資金規正法に違反した疑いで、首相と後援会幹部の計3人に対する告発状を東京地検に提出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ケンサツチョウがコケたので この際 モリ カケ サクラ まとめて告発してほしいな
昨日、夕食に「牛肉と大根の煮物」を作りました お酒はやっぱり冷酒ですね
今日はワーグナーの誕生日です(1813年5月22日) リヒャルト・ワーグナー(1813-1888)は、今から207年前のきょう ライプツィヒに生まれ、75歳でヴィネツィアに没しました
ドイツ・ロマン派音楽の劇的分野における頂点に立つ作曲家と言われています
音楽的手法としては、ベルリオーズの「イデー・フィクス(固定観念)」を発展させた「ライト・モチーフ(示導動機)」の使用、管弦楽の巨大化などによって、19世紀後半の音楽に多大な影響を残し、ワグネリアンと言われる崇拝者を生みました
ワーグナーは、20歳の時ヴュルツブルク市立劇場の合唱指揮者となり、その後、指揮者の職を求めて各地を遍歴しました 1839年に失職し、夜逃げしてパリを放浪し「さまよえるオランダ人」を完成させます
しかし、もっぱら写譜や編曲によって生計を立てていました
1842年にパリを引き揚げ、ドレスデンに戻った彼はオペラ「リエンツィ」と「さまよえるオランダ人」の初演により予想以上の成功を収め、王室ザクセン宮廷指揮者に就任します
その後、「タンホイザー」や「ローエングリン」を完成させ、1849年に革命運動(5月暴動)に加担しましたが、国外追放となりスイスに亡命しました
1862年までに追放が解け、ドイツで活躍、バイエルン国王ルートヴィヒ2世の知遇を得、リストの娘コジマ(ハンス・フォン・ビューローの妻だった)と結婚しました
1876年には各国のワーグナー協会の支援によって、楽劇上演のための劇場がバイロイトに完成されました
なお、彼は反ユダヤ主義者だったため、ヒトラーにその音楽を利用されました
また、同じ1813年生まれの作曲家にジュゼッペ・ヴェルディがいます。どちらも波乱万丈の生涯を送ったことでは共通しています
なお、彼の作品は「ローエングリン」までが「歌劇」と呼ばれていますが、「トリスタンとイゾルデ」以降の作品は「楽劇」と呼ばれています
私の愛聴盤をご紹介します。最初はウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル、フィルハーモニア管弦楽団による「ワーグナー:管弦楽集」(1950~1955年録音、2枚組CD:EMI)です 私は特に「神々の黄昏」の雄大な演奏が好きです
次は歌劇「さまよえるオランダ人」です テオ・アダム(オランダ人)他、オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団による演奏(1968年録音・3枚組CD:EMI)です
クレンペラーの指揮はスケールが大きく、ワーグナーにピッタリです
次は楽劇「ニーベルングの指環」4部作です この作品の愛聴盤はマレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団によるCD(1980~83年録音・全14枚組・eurodisc)です
ヤノフスキは東京・春・音楽祭の「ワーグナー・シリーズ」で毎年 指揮を執っていましたが、キビキビした指揮に好感が持てます
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