7日(火).昨日,渋谷のユーロスペースでロシアの巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督「僕の村は戦場だった」と「ローラーとヴァイオリン」を観ました
いまユーロスペースでは「タルコフスキー生誕80周年記念映画祭」を上映しています.タルコフスキーは1932年4月4日に生まれ1986年12月29日に死去しました.彼の映画は昔「惑星ソラリス」をテレビか何かで観た記憶がありますが,内容はまったく覚えていません
最初に観た「僕の村は戦場だった」は,タルコフスキーの長編第1回監督作品です.原作は「イワン」(1959年.ウラジーミル・ボゴーロフ著)で,独ソ戦を題材として,幼い者の心をゆがめる戦争の実相を描き,当時のソ連でベストセラー小説でした 制作は1962年,モノクロ,94分です.
舞台は第2次世界大戦下のソヴィエト.イワンはドイツ軍に故郷を踏みにじられ,両親と妹を殺され一人ぼっちになってしまいます 大人たちはイワンを学校に通わせようとしますが,イワンはドイツ軍への復讐心に燃え,敵の占領地域への偵察活動に従事します 戦争後,ナチ司令部にあったソヴィエト兵処刑記録を調べていたソ連軍のガリツェフ上級中尉は,その中にイワンの写真を見出します
復讐のためにしか生きられない少年イワンが哀れです.主人公役のニコライ・ブルリャーエフが勝気な少年を健気に演じています 戦争は罪のない子供たちまで巻き込んでしまうことをモノクロ画面で訴えます
2本目の「ローラーとヴァイオリン」は,最初チラシで観た時に「ローラとヴァイオリン」と勝手に勘違いして,ローラという女の子がヴァイオリンを演奏する映画だ,と思っていました しばらく画面を観ていて,ローラーは土やコールタールを固めるローラーのことであることに気が付きました
この作品はタルコフスキーが全ソ国立映画大学卒業制作として撮った第1回監督作品で,カラー,46分です
主人公のサーシャはヴァイオリンが得意で,ヴァイオリン教室に通っています ある日,近所の少年たちにいじめられているところを,青年セルゲイに助けられます.セルゲイはローラーで整地作業をする労働者です.これをきっかけに二人は友達になり,サーシャは労働の意味を知り,セルゲイは音楽に耳を傾けるようになります しかし,二人で映画「チャパーエフ」を観に行く約束をしたのに,サーシャの母親は反対します.サーシャの家はいわば上流階級,セルゲイは労働者階級ということで身分が違うということでしょう
ヴァイオリン教室で出会ったかわいい女の子に,りんごを渡せなくて,教室に入る時に彼女の椅子の近くに置いておきます サーシャがレッスンから戻るとリンゴは芯だけが残されて置かれています.こういうシーンには思わずニヤリとしてしまいます
まだまだ観たいタルコフスキーの映画はたくさんあるのですが,何日か後に「惑星ソラリス」を観たいと思います
タルコフスキー、難しいですが、何本か見ました。わりと最近、BSで「サクリファイス」をやっていて相当久しぶりに見たらほとんど内容を忘れてたことにビックリしました(-_-;)たしか、音楽はバッハのマタイ受難曲が使われていたような…数ヶ月前に見たのにもう忘れてる(>_<)
正直言って,タルコフスキーよりは”樽のウイスキー”の方が好きです それでも観たくなるんですよね,こういうワカランチンの映画が