2日(土)。わが家に来てから3581日目を迎え、ブリンケン米国務長官は31日の記者会見で、ロシアに派遣された北朝鮮軍が数日内にウクライナとの戦闘に加わるとの見通しを示したが、ロシア国内に1万人規模の北朝鮮兵が入っており、戦闘行為に関わればウクライナの「正当な軍事標的になる」と明言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
金正恩は ロシアに北朝鮮軍の兵士を売り渡したお金で ICBMの開発を進めているね
昨日の夕食は、隔週金曜日のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました いつも通り外カリカリ中ジューシーに仕上がりました 唐揚げにはビールということで、本当は腰痛に良くないのですが、飲みました 唐揚げもビールも美味しかったです
赤松利市著「下級国民A」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 赤松利市は1956年香川県生まれ。2018年「藻屑蟹」で第1回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー 20年「犬」で第22回大藪春彦賞を受賞。他に「鯖」「アウターライズ」「白蟻女」「東京棄民」などがある
本書のタイトルのうち「下級国民」は、2019年4月に池袋4丁目で起きた自動車暴走事故の容疑者(当時87歳)がかつて通産省の技官だったことから、なかなか逮捕されず「上級国民」と揶揄されたこと、それだったら自分は「下級国民」だとしたこと さらに「A」は、中森明菜の「少女A」の歌詞「特別じゃない どこにもいるわ ワ・タ・シ 少女A」に由来しています
著者は「文庫化によせて」の中で、「本作は、私が初めて書いたエッセイ本なのであるが、当時の読者諸氏の反応は見事に二分した」と書いていますが、読み終わった印象はエッセイというよりドキュメンタリーという方が相応しいと思いました
また、本書を読む前に、私は「下級国民A」というタイトルから年収の極めて少ない「生活保護レベル」の”一下層国民”の嘆きを描いた物語だと思っていました しかし、それは若干ニュアンスが違ったようです
そもそも著者は35歳で起業し、ゴルフ場の管理(芝刈り)の会社を20年間経営してきた人物です 全国12カ所のゴルフ場のコース管理を請け負い、年収は2400万円で会社の経費も潤沢に使えたといいます しかし、55歳の時に経営を破綻させてしまいます 東日本大震災から半年くらい経ったとき、芝生のコンサルティングの関係で知り合いだった兵庫県小野市に所在する小さな土木会社の社長から、震災復興事業を起こしたいので協力してほしいと声を掛けられます 月収は40万円と言う条件でした。著者はこれを受けることとし、40万円から5万円を残して、奈良に住む高校生の娘の母親に仕送りすることにしました
ここから彼の下級国民としての生活が始まります 石巻では土木事業に携わりますが「営業部長」という条件だったのに自らも肉体労働者として働かざるを得なくなります その後も除染作業を中心に仙台、福島、郡山、南相馬と場所を変えて働くことになりますが、行く先々で苛酷で醜悪な環境が待っていました 仕事仲間からの陰湿なイジメ、危険極まりない除染作業、守られない労働契約、金銭搾取・・・それでも彼は月収40万円を確保するため我慢に我慢を重ねます しかし、ただ働き同然の仕事を打診され、遂に切れて、現場を去ります
著者が最後まで40万円の月収を確保できたのは、彼が肉体労働者としてだけでなく管理職の仕事も併せてこなしていたからだと思います スポーツで言えば、単なるプレイヤーではなくマネージング・プレイヤーだったからです
本書に書かれていることは事実なので、東日本大震災後の東日本各地では、多くの人たちが著者と同じような辛い経験をしてきたのではないかと想像します それと同時に、格差社会や相対的貧困をどうすれば是正できるのかと考えさせられました