25日(金)。昨日の朝日新聞朝刊に「ブドウの王様 巨峰から交代? シャインマスカット作付面積首位の勢い」という見出しの記事が載っていました🍇 農林水産省の調査によるとシャインマスカットの作付面積は2021年に2346ヘクタールと、5年間で倍増したのに対し、巨峰は2528ヘクタールと同じ期間で4割ほど落ち込み、22年の統計がまとまれば、シャインマスカットが王座を奪うとの見方も強いとのことです たしかに1年間に1度の割合で食べるシャインマスカットは美味しいですが、とにかく高い さらに、人工知能の普及・高度化によって仕事が奪われる恐れのある業種で働く人たちにとっては、名前のイメージが良くないようです 従業員の大量解雇を連想させるからです 社員マス・カット
というわけで、わが家に来てから今日で3573日目を迎え、共和党のトランプ前大統領について、トランプ前政権で首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏が「トランプは憲法も法の支配の概念も理解していない」と評し、「ファシストの定義に当てはまる。ヒトラーを称賛していた」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプがヒトラーならプーチンはスターリンか 独裁者は独裁者を礼賛するようだ
昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました 生姜焼きは「豚ロース生姜焼き用」と書かれている肉を買いましたが、厚みがあって固くなりがちなので、次回からは今まで通り「豚ロース薄切り」に戻そうと思います
昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1010回 定期演奏会Bシリーズ」を聴きました プログラムは①エルガー:序曲「南国にて”アラッシオ”」作品50,②フィンジ「クラリネット協奏曲 ハ短調 作品31」、③ヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第9番 ホ短調」です 演奏は②のクラリネット独奏=アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ、指揮=マーティン・ブラビンズです
マーティン・ブラビンズはイングリッシュ・ナショナル・オペラ音楽監督などを歴任。2025/26シーズンからスウェーデンのマルメ交響楽団の首席指揮者に就任予定。現在、英国王立音楽大学客演教授などを務める
オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは水谷晃です
1曲目はエルガー:序曲「南国にて”アラッシオ”」作品50です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1903年末から04年初めにかけて妻子とともに滞在した地中海沿いの北イタリアの街アラッシオの印象をもとに1904年1月に作曲、同年3月16日にロンドンでエルガー自身の指揮により初演されました
「序曲」とは名ばかりで、演奏時間にして約22分、北イタリアの街アラッシオを主役とする実質的な”交響詩”とでも言える作品です
ブラビンズの指揮で演奏に入りますが、冒頭の弦楽器を中心とする豊潤な音の響きが、太陽の光を浴びる南国イタリアの街を活写しているようで、ワクワクした気分になります 後半のヴィオラ首席・篠崎友美の哀愁を帯びた演奏が素晴らしい こういうところにメロディーメーカーとしてのエルガーを感じます 素晴らしい曲、素晴らしい演奏でした
2曲目はフィンジ「クラリネット協奏曲 ハ短調 作品31」です この曲はジェラルド・フィンジ(1901-1956)がBBC交響楽団の首席クラリネット奏者フレデリック・サーストンのアドヴァイスを得ながら1948年から49年にかけて作曲、1949年9月9日にエルガー自身の指揮、サーストンの独奏により初演されました 第1楽章「アレグロ・ヴィゴローソ」、第2楽章「アダージョ・マ・センツァ・リゴーレ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ジョコーソ」の3楽章から成ります
クラリネット独奏のアンネリエン・ファン・ヴァウヴェはベルギー生まれ。リューベック音楽大学でザビーネ・マイヤーに学ぶ 2012年にミュンヘン国際コンクール第2位入賞 ヨーロッパ各国のオーケストラと共演を重ねる傍ら、アントワープ王立音楽院のクラリネット主任を務めるなど後進の指導にも当たっている
管・打楽器が退場し10型に縮小した弦楽セクションが残ります
ヴァウヴェが赤のキラキラ光る、クリスマスにはまだ早いんだけどなあ、という衣装で登場 ブラビンズの指揮で演奏に入ります ヴァウヴェは高音から低音までクラリネットの特性を生かした演奏を繰り広げます とくに第3楽章は親しみやすいメロディーが軽快に演奏されたので印象に残りました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、ヴァウヴェはカイヤ・サーリアホ「DUFT」より第2楽章を超絶技巧を駆使して演奏、聴衆を黙らせました
プログラム後半はヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第9番 ホ短調」です この曲はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)がロイヤル・フィルハーモニック協会からの委嘱により晩年の1957に作曲、1958年4月2日にロンドンで初演された最後の交響曲です 第1楽章「モデラート・マエストーソ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ぺザンテ」、第4楽章「アンダンテ・トランクイロ」の4楽章から成ります
管・打楽器が加わり、弦楽セクションは16型のフル・オーケストラ態勢に戻ります ステージ下手にはハープが2台スタンバイします
本公演を聴くにあたり、サー・エードリアン・ボールトの指揮によるCDで予習しておきました その時から感じていたのは、この曲の「暗いドラマ性」です 等松春夫氏は「プログラム・ノート」に次のように書いています
「最終形態は標題のない『絶対音楽』になったが、作曲段階ではトマス・ハーディの小説『ダーヴァヴィル家のテス』(1891年)が強く意識されていた ハーディ作品の多くはイングランド南西部の荒涼とした風景をモデルにした架空の地方「ウェセックス」を舞台にしている。小説の主人公テスは貧しい農村の少女。一時は幸福をつかみかけるが、苛酷な運命に翻弄された末に短い生涯を終える」
第1楽章冒頭の重心の低い音楽から「何か悲劇が起こるのではないか」という雰囲気が漂います まさに、テスという少女の不幸な運命を表しているかのようです この空気感は楽章を通して漂っています 第2楽章に移ってもその傾向は変わりません 第3楽章に入って初めて曲想がガラッと変わり、諧謔的な音楽が繰り広げられます どこかとぼけた味は「空耳アワー」風に言うと、デュカス「魔法使いの弟子」の音楽のように聴こえます 第4楽章に入ると、第3楽章までの主題が登場し、大きなクライマックスを経て、最後は静かに終結します これは苦しみからの解放を表しているのだろうか
しばしのしじまの後、ブラビンズのタクトが下ろされると、満場の拍手とブラボーの嵐がステージ上のブラビンズと渾身の演奏を展開した都響の面々に押し寄せました
ブラビンズは2009年に都響に初登場してから、今回が6度目の共演とのことですが、また呼びたくなる気持ちが良く分かります 素晴らしい指揮者だと思います
今日は新日本フィル「すみだクラシックへの扉」シリーズで、上岡敏之指揮によるモーツアルト「三大交響曲」を聴きます
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