5月1日(火).早いもので今日から5月です.先月ツキがなかった人は,今日からツキが変わります.気持ちを切り替えていきましょう
昨日4月30日(月・休日)午後2時から東京オペラシティ・コンサートホールで新交響楽団第217回定期演奏会を聴きました 曲目は①伊福部昭「交響譚詩」,②イベール「祝典序曲」,③マーラー「大地の歌」の3曲.指揮は飯守泰次郎,③の独唱は福原寿美枝(メゾ・ソプラノ),福井敬(テノール)です
会場は楽員の関係者らしき聴衆を中心にほぼ満員御礼の盛況 自席は1階21列10番で,ほぼ中央の通路側です.コンサートマスターは女性です.青山学院高等部教諭の堀内真美さんか,三鷹ヴァイオリンの会の前田知加子さんかどちらかです.堀内さんかも
伊福部昭といえば映画「ゴジラ」の音楽でお馴染みですね.譚詩(たんし)というのはバラードの日本語訳で,音楽と舞踏が分離せず渾然と一体となった状態を指します 交響譚詩は2つのバラードからできていて,第1譚詩はリズムを中心とする活発な動きのある音楽で,第2譚詩は悲しみを湛えた音楽です.この曲は30歳の若さで死去した兄に捧げられています
こういう曲を聴くと,日本の音楽もまんざらでもないなあと思います.プロのオーケストラは,こういう良い曲をもっと取り上げるべきではないでしょうか
2曲目のイベール「祝典序曲」は,過去の日本に関係のある曲です.日本政府は1940年の「紀元二千六百年祭」のための祝典音楽を同盟国(ドイツ,イタリア,ハンガリー,イギリス,フランス)に依頼し,フランス政府はイベールに作曲を依頼しました 神武天皇が即位してから2600年目にあたるとして,大日本帝国の国威発揚のため様々な記念行事が行われましたが,この時に演奏されもっとも評判の良かったのがこの曲だったようです ちなみにドイツではR.シュトラウスが作曲を依頼されました.イギリスではブリテンが依頼され「シンフォニア・ダ・レクイエム」を作ったのですが,祝典にはふさわしくないとして演奏されませんでした
初めてこの曲を聴きましたが,日本からの依頼によって作曲された割には”日本”の要素は微塵もありません.”お江戸日本橋”が出てくるわけでもなし,”越天楽”のメロディーが出てくるわけでもなし・・・・・・イベールは自国フランスの国民を鼓舞するためにこの曲を作曲したのではないか,とさえ思われます
最後のマーラー「大地の歌」は,本来なら交響曲第9番となる曲でしたが,ベートーヴェンやブルックナーが第9交響曲を書いてこの世を去っていることから,番号を与えず「大地の歌」と名付けました この曲の歌詞はドイツの詩人ベートゲが李白らの唐詩を自由に翻訳・編集した詩集「中国の笛」をマーラーが改編したものです.
この曲は6つの楽章から成り,テノールとメゾ・ソプラノが交互に歌います.第1楽章は「この世の哀れについての酒の歌」で,福井敬が高らかに歌い上げます.出番が少ないせいか,最初から全力投球です しかし,力強い歌なのに歌の末尾は「生は暗い.そしてまた死も」なのです.続いての第2楽章は「秋に一人寂しきもの」で,福原寿美枝が心情を込めて歌います
第3楽章「青春について」(テノール),第4楽章「美について」(メゾ・ソプラノ),第5楽章「春に酔えるもの」(テノール)と続き,最後の第6楽章「告別」(メゾ・ソプラノ)を迎えます この「大地の歌」は全体で約1時間かかりますが,この第6楽章だけでその半分を占めています.この「告別」を聴いていると,これまで聴いてきた第1楽章から第5楽章までが,この「告別」の前奏曲に過ぎなかったのだという感覚に捕らわれます
その最後の部分「春になると,いとしい大地のいたるところで花が咲き誇り,新緑が現れる! いたるところで そして永遠に,はるか遠方まで明るい空が続いている.永遠に,永遠に!」
マーラーはここで,人間の有限性に対する自然の無限性に一種の憧れをもって音楽を作ったのかもしれません.そうした心情をメゾ・ソプラノの福原寿美枝は見事に歌い上げていました
このオーケストラはアマチュア・オケの老舗的な存在ということもあり,楽員の一人一人の力量が優れているのではないかと思います とくにオーボエ,フルート,クラリネット,ホルンを中心とする管楽器が素晴らしいと思います 新交響楽団のようなアマチュア・オケの良いところは,日常的にそれぞれ仕事を持ちながら,年4回の公演のために練習に練習を重ねて本番に臨み,全力で演奏することです とくにマーラーの交響曲などは,アマチュア・オケはプロのオケに決して負けていません 仕事を続けながらの練習はつらいでしょうが,皆さんは素晴らしい これからも頑張って,いい演奏を聴かせていただきたいと思います.次回のコンサートを楽しみにしています
閑話休題
マーラーの「大地の歌」の「告別」を聴いているときのことでした.ふと中央前列の通路側席を見ると,白いものがハタハタと動いているのが見えました どう見ても犬のシッポです.よく見ると,目の不自由な方に付き添っている盲導犬が,メゾ・ソプラノの歌に合わせてシッポを振っていたのです.なかなか感性の鋭い犬だと感心しました.盲導犬というよりMode賢というべき犬でした 飼い主が気が付いたらしく,犬にシッポを収めるように言い聞かせたようで,すぐに止めました.白い犬でした.頭も白く,体も白く,尾も白かった(面白かった)です
もう一つ.前の席のカップルは,男性が舟を漕いでいる時は,女性が起きて音楽に耳を傾けていて,女性が舟を漕いでいる時は,男性が起きて音楽に耳を傾けていました このコンビネーションには”ほとほと”感心しました.これを記念に次の賞を授けたいと思います.
舟は公演でなく公園で漕ぎま賞
もひとつ閑話休題
昨年2月15日に始めたこのtoraプログも本日,5月1日に第500回を迎えました.その記念にテンプレートを,これまでの「蓄音機+SPレコード」から「LPレコード」に代えました.レコードを”進化”させた印象はいかがでしょうか
飯守泰次郎さんはいつも全力で指導してくださるのですが今回は今までにないほど気迫がこもっていました。私たちの実力以上の音が出せたように思います。次回も飯守さんです。バイオリンのソリストにお迎えする松山さんも素晴らしく音楽的な演奏をされる方です。ぜひ次回もおこしください。
おっしゃるとおり、日本は文化面でもっと海外に門戸を開くべきだし、一方で、海外に日本の文化を発信すべきだと思います
コンサートで日本の作曲家、演奏家をもっと取り上げて、日本がアジアの演奏家の交流点になれば、もっと発展しますよ!!
音楽コンクールは、どうなっているのでしょうね。もっと海外に門を開いてもいいのに。
賃料を中心とする対テナント管理,警備・清掃業務管理など多岐にわたります.空室が出れば営業もします,少人数ですので
邦画もご覧になるのですね。ビル管理会社って、山田洋次監督作品の「学校Ⅲ」のような会社なのですか?