人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

山田和樹 ✕ 藤原道山 ✕ 友吉鶴心 ✕ 読売日響でバルト―ク「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」、武満徹「ノヴェンバー・ステップス」、ベートーヴェン「交響曲第2番」を聴く

2024年02月10日 01時13分37秒 | 日記

10日(土)。わが家に来てから今日で3314日目を迎え、保守的な論調で知られる米FOXニュースの元看板司会者タッカー・カールソン氏が8日、ロシアのプーチン大統領にインタビューした動画を公開したが、プーチン氏は2022年にウクライナに侵攻して始めた戦争について「あらゆる種類のネオナチの動きを禁止するという目的はまだ達成されていない」との見解を述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ネオナチはプーチンのことだろ ヒトラー並みの独裁者に言わせておいていいのか!

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「舞茸の味噌汁」を作りました チキンステーキは久しぶりに作りましたが、鶏肉が柔らかく焼けて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第635回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①バルト―ク「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 BB114」、②武満徹「ノヴェンバー・ステップス」、③ベートーヴェン「交響曲第2番 ニ長調 作品36」です 演奏は②の尺八=藤原道山、琵琶=友吉鶴心、指揮=山田和樹です

 

     

 

1曲目はバルト―ク「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 BB114」です この曲はベラ・バルトーク(1881-1945)がスイスの指揮者パウル・ザッハーの委嘱により1936年に作曲、1937年1月21日にスイス・バーゼルで初演されました 第1楽章「アンダンテ・トランクイロ」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

オケの編成が変わっています。変則16型とでもいうのか、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが”それぞれ”左右に分かれ、コントラバスが後方に横一列に並びます 「絶対的対抗配置」とでも呼べば良いのだろうか 舞台中央にはピアノ、チェレスタ、ハープが控えます これと同じ編成で思い当たるのは、バッハ・コレギウム・ジャパンが「マタイ受難曲」を演奏する際の体型です。下手のオケをⅠ群、上手のオケをⅡ群と呼んでいたと思います この変わったオーケストラ配置はバルトークが楽譜上に明示しているとのことです。Ⅰ群のコンマスは林悠介、Ⅱ群のコンマスは戸原直です

山田の指揮で第1楽章が開始されます この楽章は変拍子のフーガですが、弦楽器がミステリアスなメロディーを奏でます 第2楽章はティンパニとピアノがインパクトの強い演奏を展開し、弦楽器が切れ味鋭い演奏を繰り広げます 第3楽章は歌舞伎の幕開けの拍子木のような音で開始されるのが印象的です 第4楽章は弦楽器と打楽器による活気溢れる演奏が展開し、華やかなフィナーレを迎えます

満場の拍手とブラボーが飛び交いました 指揮者もオケも大熱演でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目は武満徹「ノヴェンバー・ステップス」です この曲は武満徹(1930-1966)が1966年にニューヨーク・フィルの楽団創設125周年記念の作品として委嘱されて作曲した作品で、尺八と琵琶をソリストとする管弦楽曲です 1967年11月9日、ニューヨークのリンカーン・センターにあるフィルハーモニック・ホールで小澤征爾指揮ニューヨーク・フィルにより、ベートーヴェン「交響曲第2番」、ヒンデミット「画家マティス」とともに初演されました

武満は「ノヴェンバー・ステップス」というタイトルに、初演の「11月」に自らの仕事の「新たなステップ」を踏み出すという意を込めたといいます。それと同時に、筝曲「六段」などに倣い、「十一段」を表す言葉としても意を込めたといいます

オケの編成は舞台中央にハープ2台が左右に分かれて配置されているほかは基本的に前半と同じ体型で、弦楽各セクションは全て左右に分かれます そして管楽器が後方にスタンバイします

楽員がスタンバイしたところで、山田がマイクを持って登場、「悲しいお知らせをしなければなりません。小澤征爾さんがお亡くなりになりました 実際には3日前だったようですが、今日になって初めて知らされました これから演奏する曲が、まさに小澤先生が初演された切っても切り離せない深い関係にあり、しかも先生が初演された時と同様、今回もベートーヴェンの交響曲第2番をプログラムに組んでいます そうした偶然もあり、追悼のために何か曲を演奏した方がよいかどうか色々考えましたが、黙とうを捧げたり追悼のための曲を演奏したりするのは、小澤先生は望んでいないと思いますので、そういうことはいたしません その代わり、これからする演奏を先生に捧げたいと思います」とアナウンスしました 会場から大きな拍手が起こりました その後もしばし会場がざわついていましたが、大きな拍手のなかソリスト2人を迎えました

尺八の藤原道山(ふじわら どうざん)は10歳から尺八を始め、初代山本邦山(人間国宝)に師事。東京藝大・大学院修了 現在、尺八アンサンブル「風雅竹韻」等のユニット活動や、舞台音楽、音楽監修など多岐にわたる活動を展開中

友吉鶴心(ともよし かくしん)は「ノヴェンバー・ステップス」の初演で琵琶を担当した鶴田錦史に師事 NHK大河ドラマの琵琶の指導や、新日本フィルとの共演など幅広く活動を展開中

琵琶の友吉が指揮者の下手側、尺八の藤原が上手側にスタンバイし、山田の指揮で、弦楽器を中心にいかにも”現代音楽”といった曲想の音楽が静かに始まります やがて、尺八と琵琶が入ってきますが、驚くべきは藤原の息の長い旋律を吹くテクニックです とくにカデンツァにおける演奏は息を呑むほど瞑想的で深淵さを感じます また友吉の琵琶のバチさばきは見事で、叩きつけるような激しい演奏があるかと思えば、琵琶の音色の美しさを知らしめるソフトな演奏もあり、深い感銘を受けました

最後は尺八と琵琶のソロにより余韻を残して曲を閉じますが、山田は指揮台の上で頭を垂れてしばし動かず、小澤征爾氏に黙とうを捧げているように見えました それを見ている聴衆の何割かも同じ思いを抱いていたことでしょう 山田が頭を上げてリラックスすると、満場の拍手とブラボーが飛び交いました

最後の曲はベートーヴェン「交響曲第2番 ニ長調 作品36」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1801年から翌02年にかけて作曲、1803年4月5日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・モルト ~ アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

「ベートーヴェンでは普通の対抗配置をとるだろう」と思っていたら、これまでと同じ「絶対的対抗配置」とでも呼ぶべき編成をとります また、弦楽器が16型の大編成なので当然のように木管楽器は2管ではなく倍の4管編成に拡大しています

山田の指揮で第1楽章の序奏部が強いインパクトで開始されます 弦楽器が渾身の演奏を展開しますが、驚いたのはオーボエとクラリネットがベルアップ奏法を見せていたことです これは弦楽器が16型で大きな音を出すので、後方に位置する木管楽器は弦楽器を突き抜けて客席に音を届けるために楽器の先を上に上げて音を遠くに飛ばす必要から採られた措置だと思われます 第2楽章は冒頭から弦楽セクションの演奏が美しい 第3楽章のスケルツォを経て、第4楽章は極めて速いテンポでエキセントリックな曲想が演奏されますが、山田はベートーヴェンの「新奇性」「革新性」を強調するかのようにメリハリをつけて演奏させました 終わってみれば、指揮台の上で飛んだり跳ねたり、やりたい放題の指揮ぶりで、故・内田裕也の言うところの「ロケンロール」のような、はたまた 元気溌剌オロナイン軟膏、違った、オロナミンC のような活気あふれるホットな演奏を繰り広げ、「現代に息づくベートーヴェン」を感じさせました

満場の拍手の中カーテンコールが繰り返され、ブラボーが飛び交いました

山田和樹(1979年生まれ)は2018年4月から読響の首席客演指揮者を務めてきましたが、今年3月末で退任します せっかく慣れて来たのに残念ですが、個人的には今月13日(火)に名曲シリーズでフランク「交響曲ニ短調」他を聴くのを楽しみにします

 

     


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