28日(金)。わが家に来てから今日で1456日目を迎え、トランプ米大統領は25日国連総会の一般討論演説で「現政権は2年足らずで歴代のほぼ全ての政権よりも多くのことを成し遂げた」と語り、その後、経済成長について語ろうとしたが、会場から失笑が漏れ続けたため話を中断し「事実だ」と強調、さらに会場の笑いが大きくなると「そんなリアクションは期待していなかったが、まあいいだろう」と強がった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ここまで世界からコケにされて平然としているトランプは ある意味大物だと思う
昨日、夕食に「鶏のトマト煮」と「ミックスビーンズとトマトのスープ」を作りました 「鶏の~」は娘のリクエストです。もう何度も作ったので味は安定しています
昨日、早稲田松竹でデヴィッド・リンチ監督・脚本によるアメリカ・フランス映画「マルホランド・ドライブ」(145分)を観ました
夜のマルホランド・ドライブで自動車事故が起こる 事故現場から一人だけ生き延びた黒髪の女性(ローラ・ハリング)は助けを求めにハリウッドまでたどり着く。女性が偶然潜り込んだ家は、有名な女優ルースの家だった。ルースの姪である女優志望のベティ(ナオミ・ワッツ)に見つかった彼女は、部屋に貼られていた女優リタ・ヘイワースのポスターを見て、反射的に「自分はリタだ」と名乗る
彼女はベティに自分が事故で記憶喪失になっていると打ち明ける。リタのバッグには大金と青い鍵が入っていた
ベティはリタの失った記憶を取り戻すことに協力する
【若干ネタバレです】この映画も先日観た「ロスト・ハイウェイ」同様非常に解りにくい作品です つまり時間軸がずれているのでストーリーの繋がりを理解するのが困難なのです
しかし、途中で、自称リタが自分の名前はカミーラであることを思い出してから、少しずつリタとベティの関係が分かるようになってきます
実は過去に二人は親密な関係にあり、リタが仮の名前だったようにベティも仮の名前で本当はダイアンという名前だったのです
そしてベティはあることでカミーラに嫉妬を抱いていたのでした
リンチ監督の「イレイザーヘッド」や「ロスト・ハイウェイ」ほどではないにしても、この映画でも「音」が重要な要素を占めているように感じました
昨夕、サントリーホールでNHK交響楽団第1893回定期演奏会を聴きました 今までのCプロからBプロに移り、会場がサントリーホールに変わりました。席のランクを落としたので比較的前方ながら右端という感じです
プログラムは①シューベルト「交響曲第3番ニ長調D.200」、②リヒャルト・シュトラウス「ホルン協奏曲第2番変ホ長調」、③ベートーヴェン「プロメテウスの創造物」序曲、④ハイドン「交響曲第102番変ロ長調」です ②のホルン独奏はラデク・バボラーク、指揮はパーヴォ・ヤルヴィです
オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置=ヤルヴィ・シフトをとります コンマスはマロこと篠崎史紀氏です。チェロの首席には藤森亮一氏の隣に、鶏のトサカ・ヘアで有名な日本フィルのソロ・チェリスト 辻本玲氏がスタンバイしています。N響さん、レンタルしましたね、鶏を、いや辻本氏を
1曲目はシューベルト「交響曲第3番ニ長調D.200」です この曲はフランツ・シューベルト(1797‐1828)が18歳の時、1815年7月19日に完成した作品ですが、シューベルトの交響曲の中で最も短い作品です
第1楽章「アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「メヌエット:ヴィヴァーチェ~トリオ」、第4楽章「プレスト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
ヤルヴィが指揮台に上がり第1楽章の演奏に入ります シューベルトはベートーヴェンも一時師事していたアントニオ・サリエリに師事しましたが、この第3番を聴く限り、ハイドンやモーツアルトの音楽に近いという印象があります
この曲をひと言で言い表すと「溌剌」です
まさに青春の伊吹を感じます。ヤルヴィ✕N響はメリハリのある演奏でシューベルトの青春の音楽を歌い上げました
2曲目はリヒャルト・シュトラウス「ホルン協奏曲第2番変ホ長調」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864‐1949)が1942年に完成し、1943年8月11日にザルツブルクで、ゴットフリート・フォン・フライベルクのホルン独奏、カール・べーム指揮ウィーン・フィルの演奏で初演されました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「ロンド:アレグロ・モルト」の3楽章から成りますが、第1楽章と第2楽章は切れ目なく演奏されます
ホルン独奏のラデク・バボラークは1976年チェコ生まれ。18歳でチェコ・フィルの首席に就任したのを皮切りに、ミュンヘン・フィルの首席、ベルリン・フィルのソロ奏者を歴任し、退団後は室内楽奏者として活躍する傍ら指揮者としても活動しています
バボラークがヤルヴィとともに登場、さっそく第1楽章に入ります 冒頭からいきなり独奏ホルンが息の長い美しい旋律を奏でますが、いったいどこで息継ぎをしているのか、と思うほど鮮やかにホルンを操ります
これは第1楽章に限らず、全楽章について言えることです。それにしてもリヒャルト・シュトラウスという作曲家は、まるでオペラのアリアのような旋律をホルンに吹かせますね
彼の父親がホルン奏者だったということもあってか、ホルンという楽器の特性を十分把握しているからこそ書けるのでしょう。シュトラウスとバボラークにブラボー
アンコールにブラームス「トランペットのための練習曲集」から第3曲を演奏、大きな拍手を受けました
プログラム後半の1曲目はベートーヴェン「プロメテウスの創造物」序曲です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)がバレエ作品のために書いた曲です。ヤルヴィの指揮で演奏に入りますが、冒頭の和音はほとんど交響曲第1番の第1楽章の冒頭と同じです
曲名当てクイズで冒頭の音楽を出題されたら第1交響曲と答えてしまうかも知れません
短い曲ですが、きびきびしたヤルヴィのタクトにより緊張感溢れる演奏が展開しました
最後の曲はハイドン「交響曲第102番変ロ長調」です ヨーゼフ・ハイドン(1732‐1809)は約30年におよぶエステルハージ公爵家での音楽家としてのお勤めを”円満退職”した後、興行師ザロモンの招きに応じて1791~92年と1794~95年の2度にわたりロンドンに赴いています。この間、次の通り各6曲ずつ交響曲を作曲しています
第1期(1791‐92年)
交響曲第93番ニ長調
交響曲第94番ト長調「驚愕」
交響曲第95番ハ短調
交響曲第96番ニ長調「奇蹟」
交響曲第97番ハ長調
交響曲第98番変ロ長調
第2期(1794‐95年)
交響曲第99番変ホ長調
交響曲第100番ト長調「軍隊」
交響曲第101番ニ長調「時計」
交響曲第102番変ロ長調
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」
交響曲第104番二長調「ロンドン」
なお、各作品の愛称はハイドン自身が付けたものではないとされています それにしても、100曲を超えると、愛称でも付けないととても把握しきれませんね
交響曲第102番変ロ長調は第1楽章「ラルゴ~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ~トリオ」、第4楽章「終曲:プレスト」の4楽章から成ります
ヤルヴィの指揮で第1楽章が開始されます 長い序奏に続いてフルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器が中心となって軽快な音楽が展開します。木管楽器群は充実していますね
第2楽章ではチェロの独奏が聴かれますが、辻本玲の演奏は見事でした
それにしても、藤森亮一という優秀な首席奏者がいるんだから彼がソロを弾けばいいのに、と思うのですが、いろいろ事情があるのでしょうね。第3楽章、第4楽章を含めてハイドンらしい明朗な曲想ですが、ヤルヴィ✕N響はメリハリを付けて生き生きと演奏を展開しました
この曲を聴きながら、1曲目のシューベルトの第3交響曲と曲想が似ているな、と思いました 速度表示はほとんど同じです。しかし、冷静に考えてみると、シューベルトの第3交響曲は18歳の時の作品、一方ハイドンの第102交響曲は63歳の時の作品です。これはシューベルトが歳のわりに成熟していたと考えるべきなのか、あるいは、ハイドンがいつまでも若々しい精神で作曲に取り組んでいたと考えるべきなのか、判断が難しいところです
両方かも知れません
カーテンコールが繰り返され、女性のヴァイオリン奏者からヤルヴィに花束が贈呈されました これは彼の誕生日とかロシアの建国記念日(プーチン大統領に似てるなぁ!)ということではなく、ヤルヴィ✕N響のコンビが4年目のシーズンに突入したということで、「今までありがとう、これからもよろしく
」という意味の花束だったのだと思います
ヤルヴィの今後の活躍に期待したいと思います