人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

藝大オペラ「フィガロの結婚」のチケットを取る / 高橋和夫著「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」を読む ~ 国際政治との関連の中でどちらにも平等に解説した良書

2024年07月11日 00時12分30秒 | 日記

11日(木)。昨日、整骨院で腰痛の治療の後、いつも通り池袋の地下ショッピングセンターに行ったのですが、レジのシステムの不具合のため 中に入れませんでした しばらくその辺をうろついて様子を見ましたが、いつ復旧するのかまったく分かりません 仕方がないので同じフロアのカフェで新聞を読んで時間稼ぎすることにしました ちょうど1時間くらいで朝日新聞を読み終わったので、売場に戻ったらオープンしていました 時間通りにオープンしていればアイスコーヒー代370円の支出はなかったし、腰痛のため座らなくても済んだはず・・・それを考えると無性に腹が立ってきました 腹いせに衝動買いしちゃえ と無謀な行動に出ると余計に経済的損失が増大するので、夕食の食材だけ買って帰ってきました それにしても、世の中は自分の責任ではないのに、いつ何が降りかかってくるか分からないですね

ということで、わが家に来てから今日で3467日目を迎え、国連安全保障理事会は9日、キーウの小児病院などウクライナ各地でのロシア軍によるミサイル攻撃を受けて緊急会合を開いたが、民間人や民間施設への攻撃を続けるロシアに対する非難が集中する一方で、ロシアは関与を否定した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     殺人・誘拐・破壊主義国家プーチン・ロシアがやらずして 誰がやったと言うのか! 

         

昨日、夕食に「真鯛の塩焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「豚汁」「冷奴」を作り、「キハダマグロの刺身+イクラ」「十五穀米」と一緒に食べました 真鯛は数カ所切れ目を入れて焼いたら反ってしまいました   次回からは細工をしないで そのまま焼こうと思います

     

         

10月6日(日)14時から東京藝大奏楽堂で開かれる「第70回藝大オペラ公演 フィガロの結婚」のチケットを取りました これは毎年楽しみにしている公演で、東京藝大大学院生が歌います 5日と6日と2公演あり、ダブルキャストで出演者が変わりますが、私は5日に別のコンサートの予定が入っているので6日を取りました 出演者の中に、将来 日本のクラシック界を背負う歌手がいるかもしれません とても楽しみです

     

     

         

高橋和夫著「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」(講談社新書)を読み終わりました 高橋和夫は福岡県北九州市生まれ。大阪外語大学外国語学部ペルシア語科卒。コロンビア大学国際関係論修士、クウェート大学客員研究員、放送大学教員などを経て、2018年よりフリー

     

時節柄、タイトルに惹かれて購入した本ですが、後で読む段になって 本書の刊行が1992年1月、何と32年も前であることに気が付きました これでは最新情報が得られないなーと思いながらも、アラブとイスラエルの歴史は古いので、その基本的な知識は得られるのではないか、と思い直して読み始めました

本書は次の各章から構成されています

第1章「パレスチナへ ユダヤ人国家イスラエルの成立」

第2章「米ソの中東進出とスエズ危機」

第3章「イスラエルの軍事力」

第4章「パレスチナ解放運動の変遷」

第5章「第四次中東戦争と石油危機」

第6章「イスラエル社会の変貌」

第7章「レバノン戦争の構図」

第8章「ペレストロイカの影」

第9章「インティファーダ 占領下の民衆蜂起」

第10章「湾岸戦争とパレスチナ問題」

本書はパレスチナ問題の全貌の大きさ、内容の複雑さ、その歴史の根深さを、国際政治との関連の中でフラットな立場(どこの国からも平等に距離を置く)で解説した良書です

「アラブとイスラエル」問題を考える上で一番大きな歴史的な事実は、第二次世界大戦後、ユダヤ人がイスラエルを建国したことから、アラブ諸国との対立が始まったということです

本書で一番印象に残ったのは、アメリカが自国内の”ユダヤ人票”を確保するためにイスラエルに肩入れし、兵器の供与や資金の提供を続けたことから、幾度もの戦争で勝ち抜くことが出来たということです イスラエルの”アメリカ依存主義”とでも言うべき態度が、現在のガザ地区への非人道的な過剰防衛攻撃に繋がっているとも言えます

昨日の日経夕刊は次のように報じています

「アラブ連盟のアブルゲイト事務局長は9日、都内で記者会見し、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突で犠牲者が拡大していることに危機感を示した 紛争終結にはイスラエルと独立したパレスチナ国家が共存する「2国家解決」が重要だと指摘し、日本のパレスチナ国家承認を併せて求めた これまでに約140か国がパレスチナを国家として承認している

さて、日本はどう答えるのか

毎日のように新聞・テレビを賑わしている「パレスチナ問題」の背景を理解するためのテキストとして役に立つ書籍です 広くお薦めします

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カタリーナ・ヴィンツォー ✕ ユリアン・シュテッケル ✕ 読売日響で矢代秋雄「チェロ協奏曲」、ブラームス「交響曲第2番」他を聴く ~ 読響第640回定期演奏会

2024年07月10日 00時03分24秒 | 日記

10日(水)。昨日、整骨院の帰りに巣鴨駅近くのAクリニックで「眼底検査」を受けました 隔年実施とのことです。受付を済ませると、看護師さんから「今日は検査が立て込んでいて30~40分くらいお待ちいただくことになりますが、よろしいですか?」と訊かれました 当方は時間だけはたっぷりあるので「大丈夫です」と答え、待合ロビーで新聞を読んでいると、5~6分後に名前を呼ばれ、検査に入りました 想定外の早さに驚きましたが、待ち時間が短いほど良いに決まっています それにしても、どうしてこんなに早く順番が回ってきたのか不思議です 看護師さんが ほかの検査と勘違いした可能性がありますが、本当のところは分かりません

ということで、わが家に来てから今日で3466日目を迎え、米国のラジオ・フリー・アジアは 米国商業衛星企業「Planet  Labs」が先月27日と今月5日に撮影した衛星写真に 北朝鮮の金正恩国務委員長の専用豪華遊覧船(全長80メートル、全幅15メートル)が元山付近の海上を運行している姿が確認されたと8日明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     ほとんどの国民が貧困に喘ぎ 食料も不十分な中  金一族は豪華客船で避暑気分かよ

         

昨日は娘が外食で 私は夜コンサートがあったのですが、一人分夕食を作りました 「牛プルコギ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「ワカメスープ」です

     

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第640回定期演奏会」を聴きました プログラムは①コネソン「ラヴクラフトの都市」から「セレファイス」、②矢代秋雄「チェロ協奏曲」、③ブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です 演奏は②のチェロ独奏=ユリアン・シュテッケル、指揮=カタリーナ・ヴィンツォーです

カタリーナ・ヴィンツォーは1995年 オーストリア生まれの新鋭女性指揮者 ウィーン国立音楽大学とチューリヒ芸術大学で学び、ファビオ・ルイージの下でダラス響の副指揮者を務めた 2020年にマーラー国際指揮者コンクールで3位入賞

     

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び    コンマスは林悠介、隣は戸原直というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はコネソン「ラヴクラフトの都市」から「セレファイス」の日本初演です この曲はフランスの作曲家ギヨーム・コネソン(1970~)がリヨン国立管弦楽団とオランダ・フィルの共同委嘱により2017年に作曲した作品です 「ラヴクラフト」とは20世紀初頭のアメリカの幻想小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトのことで、「セレファイス」は全3楽章の交響詩の冒頭楽章で、主人公の夢みる幻の街の名前とのことです

カタリーナ・ヴィンツォーが登場し指揮台に上がりますが、かなり小柄な女性です   彼女の指揮で演奏に入りますが、冒頭から金管楽器と弦楽器とのバトルのような激しい演奏が繰り広げられ、いきなり頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました この衝撃が大きく、後のことはあまりよく憶えていないくらいです ただ、音響としては読響らしいゴージャスなサウンドが楽しめました

2曲目は矢代秋雄「チェロ協奏曲」です この曲は矢代秋雄(1929ー1976)がN響の依頼で1959年から60年にかけて作曲し、尾高賞を受賞しました 曲は4つの部分から成りますが、単一楽章の協奏曲です

チェロ独奏のユリアン・シュテッケルはドイツ出身の俊英チェリストです 2010年ミュンヘン国際コンクール優勝、ロストロポーヴィチ国際コンクール第2位、カザルス国際コンクール第2位など輝かしい受賞歴の持ち主です 現在、ミュンヘン音楽大学教授を務めています

背の高いユリアン・シュテッケルと小柄なカタリーナ・ヴィンツォーという対照的な2人が登場し、スタンバイします ソリストは電子楽譜を使用します

曲は独奏チェロのカデンツァから静かに開始されます 次いでティンパニ、ホルン、フルート、チェロが独奏チェロの主題を繰り返します 演奏を聴きながら、オーストリアの女性指揮者がドイツのチェリストを独奏者に迎え日本のオーケストラを指揮して日本人の作品を演奏するって、何か不思議な感じがするものだ、と思っていました 技巧的ながら温かみのあるチェロを堪能しました

満場の拍手とブラボーにシュテッケルはJ.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」より「サラバンド」を抒情的に演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1877年に作曲、同年12月30日にウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ ~ リステッソ・テンポ、マ・グラツィオーソ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ ~ プレスト・ノン・アッサイ」、第4楽章「アレグロ・コン・スピリート」の4楽章から成ります

カタリーナ・ヴィンツォーの指揮で第1楽章に入りますが、彼女の指揮姿を見ていると、まるでバレリーナがタクトを持って指揮をしているような錯覚に陥ります 手の振りが大きく、美しくて分かり易い指揮ですが、とにかく動きが激しい ホルンの日橋辰朗、フルートの倉田優、クラリネットの中館壮志、オーボエの金子亜未の演奏が素晴らしい 第2楽章は冒頭のチェロのアンサンブルが美しく響きました 第3楽章では金子亜未のオーボエを中心とする木管楽器が冴えています アタッカ気味に入った第4楽章では、冒頭の弦楽セクションの情熱的な演奏が光ります そして、咆哮する金管楽器、歌う木管楽器、炸裂するティンパニ、渾身の演奏を展開する弦楽器によってなだれ込んだフィナーレは圧巻でした 暑さをすっ飛ばす爽快なブラームスでした

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

     

     

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新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 『憧れ』と『欲望』~ 西江辰郎プロデュース編」でタネーエフ「ピアノ五重奏曲」他を聴く ~ 西江辰郎、立上舞、中恵菜、サミェル・エリクソン、菊池裕介

2024年07月09日 00時22分16秒 | 日記

9日(火)。新国立劇場の「クラブ・ジ・アトレ」から「2024/2025シーズン  ポイントアップサービス・アイテムの案内」が届きました これはアトレ・カードの利用ポイントに応じて様々な商品やサービスが受けられる制度です

     

私の所有ポイントは450ポイントです 100ポイントでオペラのプログラム引換券が1枚もらえるので4枚分の400ポイントを使い、残り50ポイントをブッフェ&ショップ共通クーポンに使うことにしました

さらに、ポイントに関係なく「抽選アイテム」としてゲネプロやバックステージツアーなどが用意されているので、9月30日の「夢遊病の女」のゲネプロ(抽選で30名)を申し込んでおきました こういう抽選による応募では当選確率の高いアイテムを選ぶのがコツです これまで2度、オペラのゲネプロに当選しました

     

話は変わりますが、昨日 新国立劇場から「『トスカ』  スカルピア役変更のお知らせ」のハガキが届きました

     

何を今さらです すでに6日の初日公演を観てしまいました 「もっと早く手配すべきだったのではないか」と思う一方、良心的に解釈すれば、それほど切羽詰まった急な出演者変更だったのだろう ということです そんなことを考えながら、2019年から21年にかけて、新型コロナウイルス感染拡大の影響でコンサートやオペラの出演者変更や公演中止が相次いだことを思い出しました    あの頃は、毎日のように主催者から指揮者変更や公演中止のメールが届き、払い戻し手続きに追われていました それに比べれば、多少の出演者変更はあるものの、予定通りコンサートやオペラが挙行されている現在は幸せだと思います

ということで、わが家に来てから今日で3465日目を迎え、7日に投開票された東京都知事選に立候補したN国党の候補者は、ほとんどが数百票にとどまり、24人全員を合わせても11万2081票と7位相当で、有効得票総数の10分の1に達せず、一人当たり300万円の供託金・合計7200万円は没収となる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     ほとんどが売名目的の立候補だったが N国党の名前とともに悪名が轟いただけの話

         

昨日、夕食に「豚の冷しゃぶ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「エノキダケの味噌汁」を作りました 「豚しゃぶ」には湯がいたキャベツを下に敷くと良いです 暑い夏は豚肉でスタミナをつけたいですね

     

         

昨夜、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 『憧れ』と『欲望』~ 西江辰郎プロデュース編」を聴きました プログラムは①J.S.バッハ(ジョン・バーンスタイン編)「来たれ、異教徒の救い主よ BWV659」、②ドヴォルザーク「弦楽四重奏のための『糸杉』B.152」より第4曲「ああ、私たちの愛に求める幸せは花開かない」、③エドヴァルド・ミルゾヤン「弦楽四重奏曲 ニ短調」、④セルゲイ・タネーエフ「ピアノ五重奏曲 ト短調 作品30」です 出演はヴァイオリン=西江辰郎、立上舞、ヴィオラ=中恵菜、チェロ=サミェル・エリクソン、ピアノ=菊池裕介です

     

この日は、馴染みの薄いプログラムにも関わらず、人気楽団員の勢ぞろいということでか、満席近い客入りです

1曲目はJ.S.バッハ(ジョン・バーンスタイン編)「来たれ、異教徒の救い主よ BWV659」です この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が1740~47年頃にグレゴリオ聖歌を起源とする曲をもとに作曲した作品を、ジョン・バーンスタイン(1953年生まれ)が弦楽四重奏用に編曲したものです

4人が登場し配置に着きますが、立上舞は黒をベースに赤い薔薇を配した鮮やかな衣装、中恵菜はシルバーの眩い衣装で勝負を懸けます

バッハの曲を4人の演奏を聴いていると、俄かクリスチャンになったような敬虔な気持ちになります 5分程度の曲ですが、バッハには頭を垂れさせる力があります

ここで、仕掛け人の西江王子を進行役に、出演者の一人一人から挨拶がありました 立上舞は室内楽シリーズは初参加とのことです 中恵菜は弦楽四重奏は数多く演奏している(「カルテット・アマービレ」のメンバー)が、この日のプログラムはいずれも初めて弾く曲とのことです サミュエル・エリクソンは次回の室内楽シリーズの仕掛け人ですが、プログラムは知らない曲ばかりだが、「僕を信じてください」とのことです ところで、中恵菜さんは新日本フィルのプログラム冊子4月号までは楽団員名簿にヴィオラ首席として名前が載っていますが、5月号からは抜けています この間「楽団員異動」欄には退団の告知は出ていません お辞めになったのでしょうか? どなたかご存じでしたらお教えいただけると嬉しいです

2曲目はドヴォルザーク「弦楽四重奏のための『糸杉』B.152」より第4曲「ああ、私たちの愛に求める幸せは花開かない」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)が歌曲集「糸杉」(全18曲)の中の12曲を1887年に弦楽四重奏用に編曲した作品の4番目の曲です

初めて聴いた曲ですがとても美しく、寂しさを湛えながらかすかな希望を求めるような曲だと思いました

3曲目はミルゾヤン「弦楽四重奏曲 ニ短調」です この曲はアルメニア出身のエドヴァルド・ミルゾヤン(1921-2012)が1947年に作曲した全5楽章から成る作品で、急・緩・急・緩・急という対比により構成されていますが、切れ目なく演奏されます

アルメニアと言えばハチャトゥリアンの出身国ですが、演奏を聴いていると彼と同じような民俗色の豊かさを感じます 特にヴィオラが活躍する場面が多く、中恵菜の演奏が冴えました

     

プログラム後半はタネーエフ「ピアノ五重奏曲 ト短調 作品30」です この曲はセルゲイ・タネーエフ(1856-1915)が1911年に作曲、同年ベルリンで初演されました 第1楽章「導入部:アダージョ・メスト~アレグロ・パテティコ」、第2楽章「スケルツォ:プレスト」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります タネーエフはチャイコフスキーの愛弟子であり、ラフマニノフやプロコフィエフの師でもある重要な作曲家ですが、現在ではすっかり忘れ去られてしまいました

中恵菜は黒の衣装にお色直ししての登場です もう、おしゃれなんだから~ ピアノの菊地裕介が加わり、第1楽章に入ります 演奏を聴いていると、ロシアの作曲家の作品というよりもブラームスをイメージするような曲想です とは言え、ブラームスほど洗練されておらず、泥臭い感じがします 第2楽章はピアノが大活躍しますが、遊び心に満ちています 第3楽章はパッサカリアですが、1曲目のバッハ「来たれ、異教徒の救い主よ 」との親和性を感じました 西江王子が意識して選曲したのか、偶然の産物か、私の勘違いか、まったく分かりませんが、そう感じました 第4楽章は再びブラームス風の音楽が分厚い弦楽アンサンブルによって繰り広げられました ピアノと弦楽アンサンブルが一体となったフィナーレは圧巻でした

満場の拍手に弦楽奏者4人でプッチーニの弦楽四重奏の曲がアンコールに演奏され、次いでピアノを入れた5人でピアソラのタンゴをノリノリで演奏し、再び大きな拍手に包まれました

この後、出演者全員によるサイン会があったのですが、すでに9時15分を回っていたので、一足先に失礼しました いつものようにカーテンコールを撮影しておきました

     

     

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エリーナ・ガランチャ ⇒ 2025年6月にリサイタル公演決まる / N響Aプロ継続へ / ピナ・バウシュ「春の祭典」のチケットを取る / 池井戸潤著「民王 シベリアの陰謀」を読む

2024年07月08日 00時03分06秒 | 日記

8日(月)。昨日=7月7日は東京都知事選の投開票日でした 朝刊を見ると、朝日と日経に「広報東京都 7月号」が挟み込まれていました 内容は「脱酸素化特集」です

     

発行日を見て「あれっ?」と思いました 「7月1日発行」とあったからです

     

なぜ発行日から1週間も後に配布されるのか? しかも東京都知事選の投開票日を狙ったかのように・・・と率直に疑問を感じました 良心的に解釈すれば「その月の最初の日曜日に配布する」という慣例でもあるのかもしれませんが、週刊誌や月刊誌のように発行日(日付)の前に配布することだって可能のはず 今回で言えば7月1日付の広報を6月30日(日)に配布するということです とは言え、現職都知事の名前が広報紙面に出てきているわけではないので、実際には選挙とは関係ないのだろうな・・・とつらつら考えながら、あまりの暑さに頭が朦朧とする中、近所の小学校で投票を済ませてきました 結果は”ブラックボックスと電通べったり”の現職が当選確実という情けない既定路線に終わりましたが、やはり現職の壁は高く厚かったということでしょうか それにしても、今回の選挙は過去最多の56人が立候補し、期日前投票も過去最多となった一方、某泡沫候補乱立政治団体が選挙掲示板のスペースを金儲けの手段に利用するなど、何でもありのハチャメチャ選挙になってしまいました 一都民として情けない思いでいっぱいです こういう ふざけた奴らが 二度と選挙を搔き回すことのないよう対策を講じるべきだと思います

     

(全体の半数を占めるN国党のポスターは 掲示板を悪用した立花党首の指名手配ポスターみたい)

ということで、わが家に来てから今日で3464日目を迎え、19年ぶりに行われたイラン大統領選の決選投票で内務省は6日、改革派のマスード・ペゼシュキアン元保健相(69)が、一騎打ちとなった保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)を破り、初当選したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     女性に義務付けてる ヒジャブの着用は撤廃した方がいい 封建制度の象徴のようだ

         

昨日は「N響20240-25シーズン」のAプロとCプロの席替え解禁日でした 私はAプロ(NHKホール)の席替えを希望していたのですが、午前中バタバタしていて手続きを失念してしまい、専用サイトへのアクセスが午後になってしまいました もはや手遅れです 幸い現在の席がやや後方ながら1階センターブロック通路側なので、現状維持で会員継続することにしました 今回はその手続きとともに、先日新たに確保したBプロの、元の席をキャンセルしました

         

下のチラシの通り、「エリーナ・ガランチャ リサイタル」が2025年6月に開かれます 日程、会場等の詳細については「テイト・コーポレーション」のHPで7月中旬に発表されるとのことです これは万難を排して聴きに行きます

     

         

9月12日(木)19時から東京国際フォーラムCで開かれる「ピナ・バウシュ 春の祭典」公演のチケットを取りました 舞踏演劇(ダンス・シアター)の巨星ピナ・バウシュの代表作=ストラヴィンスキー「春の祭典」を中心とするプログラムです

ピナ・バウシュの公演は映画で観て素晴らしいと思い、来日公演があれば是非ライブで観たいと思っていたものです バレエやダンスは2階席で観るのがベストだと思っていますが、幸い2階席が取れたので良かったです

     

         

池井戸潤著「民王(たみおう) シベリアの陰謀」(角川文庫)を読み終わりました 池井戸潤は1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒。1998年「果つる底なき」で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。2010年「鉄の骨」で吉川英治文学新人賞、11年「下町ロケット」で直木賞、23年「ハヤブサ消防団」で柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞 「半沢直樹」シリーズ、「空飛ぶタイヤ」「シャイロックの子供たち」ほか著書多数

第二次内閣を発足させた総理大臣・武藤泰山の元に、内閣最大の目玉であるマドンナこと高西麗子環境大臣が、人を狂暴化させる謎のウイルスに感染したという驚愕の知らせがもたらされる  ウイルスは急速に拡大し、日本は国家存亡の危機に直面する 泰山は緊急事態宣言を発出し事態の収拾を図ろうとするが、営業自粛や外出自粛などの措置に対し国民から総スカンを食らう 一方、泰山の息子・翔と秘書・貝原は京成大学の並木教授の助手・眉村紗英とともに、ウイルスの発生源とされるシベリアへ渡り現地調査し、食品会社と研究者の癒着、そしてウイルスを巡る恐るべき陰謀を暴いていく やがて、緊急事態宣言に反発する人々が国会を取り巻く大規模なデモが起きるが、泰山はデモ隊と話し合うべく、そのど真ん中に乗り込み大演説をぶつ

 

     

本書は2021年9月にKADOKAWAから刊行された単行本を2024年5月に文庫化したものです

こういうのを”極上のエンターテインメント”と言うのでしょう 滅茶苦茶面白かったです それぞれの登場人物のキャラが立っていて、ギャグの連発に笑いが止まりません

しかし、そこは”社会派”の池井戸潤です。それだけに終わりません 翔の”頭の中の言葉”として次のようなメッセージを発信しています

「オカルトや都市伝説のような陰謀論を信じて暴力も辞さない連中にも、何かを信じなきゃやってられない諸般の事情というやつがあるのではないか しかし、お互いに相手を罵り合い、拒絶して聞く耳をもたなければ、できあがるのは些細なことで非難し合う不寛容な世の中であり、分断だ

360ページを超える大作ですが、あまりの面白さにページをめくる手が止まりませんでした 電車の中で読まない方がいいです 広くお薦めします

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新国立オペラでプッチーニ「トスカ」初日公演を観る ~ ジョイス・エル=コーリー、テオドール・イリンカイ、青山貴、妻屋秀和、マウリツィオ・ベニーニ ✕ 東京フィルにブラボー!

2024年07月07日 00時13分05秒 | 日記

7日(日)。わが家に来てから今日で3463日目を迎え、バイデン米大統領(81)は5日、米ABCのインタビューに応じ、高齢不安が高まっていることに対し、「いまも体調は良い」と語り、選挙戦からの撤退を否定した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプとの討論会での汚名を返上するには 腕立て伏せ10回位見せないとダメ?

         

昨日、新国立劇場「オペラパレス」でプッチーニ「トスカ」を観ました 出演はトスカ=ジョイス・エル=コーリー、カヴァラドッシ=テオドール・イリンカイ、スカルピア=青山貴(二カラズ・ラグヴィラ―ヴァの代役)、アンジェロッティ=妻屋秀和、スポレッタ=糸賀修平、シャルローネ=大塚博章、堂守=志村文彦、看守=龍進一郎、羊飼い=前川依子。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、児童合唱=TOKYOFM少年合唱団、指揮=マウリツィオ・ベニーニ、演出=アントネッロ・マダウ・ディアツ(イタリア出身。2015年8月没)です

     

「トスカ」はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)がヴィクトリアン・サルドゥの同名の劇によるジュゼッペ・ジャコーザとルイージ・イリッカの台本に基づき1896年から1900年にかけて作曲、1900年にローマのコスタンツィ劇場で初演された全3幕から成るオペラです

物語の舞台は1800年6月、オーストリア支配下のローマ 共和派の画家カヴァラドッシは、脱獄した友人アンジェロッティを匿った罪で捕らえられる トスカをわがものにしようと狙う警視総監スカルピアは、トスカに分かるように恋人カヴァラドッシを拷問し、命を救う代償にトスカの体を要求する トスカは取引に応じたふりをして、カヴァラドッシを形だけの死刑とする約束を取り付け、出国許可証を手にするや否やナイフでスカルピアを刺し殺す 明け方、見せかけのはずの銃殺刑が行われるが、カヴァラドッシは実弾に倒れて死ぬ 追い詰められたトスカは城の屋上から身を投げる

     

私が新国立劇場で「トスカ」を観るのは2002年、2003年、2009年、2012年、2015年、2018年、2021年に次いで今回が8度目です 演出はいずれもアントネッロ・マダウ・ディアツです

ロビーに入ると「スカルピア役変更のお知らせ」が掲示されていました プログラム冊子には当初の二カラズ・ラグヴィラ―ヴァの名前が載っているので、急な変更だったと思われます

     

人気のオペラの初日公演ということもあってか、会場はほぼ満席です

指揮者のマウリツィオ・ベニーニは1952年イタリア生まれ。METライブビューイングでお馴染みのマエストロです 米メトロポリタン歌劇場をはじめパリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場、英国ロイヤルオペラなど世界各国のオペラハウスでイタリアオペラを中心に指揮を採っています 新国立オペラでは1998年「セヴィリアの理髪師」、2023年「リゴレット」で絶賛を博しました

ベニーニの指揮で「スカルピアの動機」の演奏により幕が開きます 最初のこの数小節でベニーニの凄さが伝わってきます まるでこのオペラの陰の主人公は悪漢スカルピアであるかのように響きます

歌手陣は総じて好調でした

トスカ役のジョイス・エル=コーリーはレバノン生まれ、カナダ育ちのソプラノです カルメン、トスカ、ノルマ、蝶々夫人、ヴィオレッタなど30以上の役で世界の主要な歌劇場で歌っています 第2幕のアリア「歌に生き、愛に生き」をはじめ、完璧な声量コントロールによるリリカルな美声で聴衆を魅了しました 演技力も十分です

カヴァラドッシ役のテオドール・イリンカイはルーマニア出身のテノールです ヨーロッパの主要歌劇場を中心に活躍しており、新国立オペラではオペラ夏の祭典「トゥーランドット」カラフを歌っています 声が良く通り、最強音も無理なく歌いこなしていました

スカルピア役の青山貴は東京藝大大学院修了、新国立オペラ研修所第4期修了生のバリトンです 急な代役でしたが、歌唱に説得力がありました 欲を言えば、悪漢スカルピアらしい狡猾さ、厭らしさが表現できれば完璧です

アンジェロッティ役の妻屋秀和は東京藝大大学院修了のバスです ライプツィヒ歌劇場、ワイマールのドイツ国民劇場の専属歌手を歴任。新国立オペラの常連歌手で、どんな役柄も安心して聴ける歌手です。この日も存在感を示しました

     

アントネッロ・マダウ=ディアツの演出・舞台作りは極めてオーソドックスで、好感が持てます 何回観ても感動するのは第1幕のラストです トスカが別荘に向かうために退場した後、「テ・デウム」が演奏される中、スカルピアが悪辣な心情をアリア「行け、トスカ」で歌い上げるシーンです 荘厳な合唱と極悪非道のソロという両極端が統合され、最後にスカルピアの動機が最強音で鳴り響いて幕が下ります その瞬間、照明が落ちますが、鳥肌が立ちました

また、この演出で印象的なのは第3幕のラストです カヴァラドッシが銃殺された後、屋上で追手に追い詰められたトスカが「おお、スカルピア! 神の御前で!」と叫んで城の屋上から身を投げるシーンです   この時、トスカは舞台の奥に向かって身を投げるのですが、足から飛び降りるのではなく、直立のまま前に倒れ込むのです    この演出の素晴らしさに気づかされたのは、一番最初に観た2002年5月の公演で、ノルマ・ファンティー二がトスカを歌った時でした この時は確か彼女は右手に赤いチーフを持ち、上に掲げて倒れ込んでいきました 今なお そのシーンが目に焼き付いて離れません その後、彼女は2012年にもトスカ役で出演しましたが、同じ演出でした その後、ヒロインは毎回変わりましたが、赤いチーフを使った演出は、今回を含めて見られていません 私にとってノルマ・ファンティー二のトスカは特別です

それにしても素晴らしかったのはマウリツィオ・ベニーニ指揮東京フィルの演奏です 歌手に寄り添いつつ、トスカの嫉妬や苦しみを、カヴァラドッシの正義感を、スカルピアの狡猾さを自ら歌い上げていました

ところでプログラム冊子(1200円)に推理小説作家の深水黎一郎氏が「『トスカ』の謎」というテーマで小文を書いています その一つに「スカルピアは何故食事をしているのか?」(第2幕冒頭シーン)という”謎”を取り上げています 彼は次のように書いています

「私見だが、それは作劇上の理由である この後トスカはスカルピアを刺殺するわけだが、トスカが最初から凶器を携帯していたのでは、犯行は計画的ということになり、観客のトスカに対する同情の念は薄れてしまう あくまでトスカは追い詰められて、窮鼠猫を嚙む形で犯行に及ばねばならない そう、このスカルピアの食事は、トスカにこの場で肉切り用のナイフを”現地調達”させるために必要だったのだ

この説はその通りなのでしょう オペラとは言えリアリティが必要です ところで深水黎一郎氏(1963年山形生まれ)はかなりのオペラ通で、「トスカの接吻」(講談社文庫)を著しています 同書を読んだ感想を2012年12月26日付toraブログに書いていますので、興味のある方はご覧ください

さて、初日公演のこの日は 幕間のカーテンコールもあり、終演は予定より15分超過の17時10分頃でした

     

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「決定版カフカ短編集」(頭木広樹編)を読む ~ 「判決」「火夫」「流刑地にて」「田舎医者」「断食芸人」「父の気がかり」などカフカ自身が評価していた作品などを収録

2024年07月06日 00時07分40秒 | 日記

6日(土)。先日受診した「胃がん検診」「肺がん検診」の結果が相次いで送付されてきました 「胃がん検診」(胃カメラ)については「軽度初見あり」ですが、「今回の検診結果では、軽度の所見が認められるものの特に治療等の必要はありません」とのことでした 「肺がん検診」については、「胸部X線撮影」「胸部CT検査」ともに「著変を認めません」でした

これを受けて、昨日午前、整骨院の帰りに近所の行きつけのクリニックで「特定健診」(健康診断)を受診してきました 採尿、採血、心電図、胸部レントゲン、血圧など一通り検査しましたが、現時点では特に異常はないとのことでした 驚いたのは①体重が減り元に戻っていたことと②血圧が正常値に戻っていたことです 何かの間違いではないかと思い、家に帰って測ってみたら、体重は今年1月に3キロ位増えて67キロ前後あったのが、現在はマイベスト体重の63.8キロまで落ちていました また血圧は1月には高145前後:低80以上だったのが昨日は高127:低76まで落ちていました この要因をつらつら考えてみると、今年2月以降は腰痛のため1日8000歩のノルマはとても達成できず運動不足だったにも関わらず、断酒したのが一番大きいのではないか、と思いました 2週間に1度の唐揚げの日はビールを飲んで(180㎖1缶)いますが、それ以外は飲んでいません 血圧に関しては、以前よりこまめに水分を採るようになったことも大きいと思います このことから得られる教訓は、また毎日お酒を飲むようになると体重は増えるし血圧も上がる可能性が高いということです 今のペースを守ろうと硬く決心するtoraでした

ということで、わが家に来てから今日で3462日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナ侵攻をすぐに止められるとのトランプ前米大統領の発言について、「極めて真剣に受け止めている」と述べ、同氏に期待する姿勢を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     プーチンとトランプは 犯罪者同士で 考えることが同じなんだろ 史上最悪コンビだ

         

昨日の夕食は、いただきもののイクラを「イクラ丼」で食べたいと娘が言うので、作りました とは言え、イクラは醤油漬けになっているので、ご飯に乗せて刻み海苔を散らすだけです あとは「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「アサリの味噌汁」を作りました

     

         

「決定版カフカ短編集」(頭木広樹編:新潮文庫)を読み終わりました フランツ・カフカ(1883-1924)はオーストリア=ハンガリー帝国領の主都プラハで、ユダヤ人商家に生まれる プラハ大学で法学を修めた後、半官半民の「労働者傷害保険協会」に勤め、サラリーマン生活を送りながら、ドイツ語で小説を書いた。いくつかの作品を新聞や雑誌に発表し、「変身」などの単行本を数冊出す。しかし、生前はほとんど評価されず無名だった 1917年、34歳の時に喀血し、1922年に労働者傷害保険協会を退職する。1924年6月3日、41歳の誕生日の1か月前、結核で死亡した。労働者傷害保険協会に真面目に務めた日々は、官僚機構の冷酷奇怪な幻像を生む土壌となった 3度婚約するが、3度婚約解消し、生涯独身で子どももなかった 生前発表された「変身」、死後に注目を集めることになる「審判」「城」等、人間存在の不条理を主題とするシュルレアリズム風の作品群を残した 現代実存主義文学の先駆者

     

巻末の「編者解説」で頭木広樹氏は「新潮社の文庫に、なぜかこれまでカフカ短編集がなかった 今回が初めてだ。となると、これはもう「これだけ読んでおきたいカフカ!」「カフカの短編を読むなら、まずこれから!」と断言できる、王道のセレクトをするしかない」として、次の15編を選んでいます

「判決」「火夫」「流刑地にて」「田舎医者」「断食芸人」「父の気がかり」「天井桟敷にて」「最初の悩み」「万里の長城」「掟の問題」「市の紋章」「寓意について」「ポセイドン」「猟師グラフス」「独身者の不幸」

頭木氏によると、上記のうち「判決」から「父の気がかり」までが、カフカ自身が評価していた作品で、「天井桟敷にて」以降がカフカ・ファンに長年にわたり読み継がれてきた作品ということになります

本書は本文だけで220ページ程度しかないので、すぐに読み切ると甘くみていたのが大間違いでした 細かい文字でびっしり埋まっているので、実質的に2倍くらいの情報量があるのではないかと思われます しかも”不条理のカフカ”です。読んでいても、そう簡単に頭に入ってこないのです 就寝前に読みながら、何度寝落ちしたかしれません

例えば「判決」は父親との対峙を描き、「流刑地にて」は特殊な拷問器具に固執する士官の告白を描き、「断食芸人」は檻の中での断食を見世物にする男の生涯を描いていますが、なぜカフカはこうした内容のストーリーを書かなければならなかったのかさっぱり分かりません

幸い巻末の「編者解説」で頭木氏が各作品の背景等について解説を加えているので、読むうえで参考にはなりますが、1度読んだ程度ではとても理解できないない内容です

文体として驚いたのは「天井桟敷にて」です たった2ページ、24行の作品ですが、この中で使われている句読点のうち句点(「。」)は3カ所しかありません 最初の9行を読点(「、」)で繋ぎ「~と、大声で叫ぶかもしれない。」で閉じます。そして「だがそんなことは起きないのだ。」という文章が続き、その後の14行を読点で繋いでいき「われとも知らず涙にくれる。」で終わります はっきり言ってこれは典型的な悪文です 主語と述語の間が限りなく遠い恩讐の彼方に離れています これが読んでいて疲れる理由となっています

もし本書の内容を理解することの可不可を問われれば、不可と答えざるを得ません したがって、自分が理解できないものをひと様に推薦することはできませんので、カフカが好きな人、あるいはカフカに興味のある人だけにお薦めしておきます

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ヤクブ・フルシャ ✕ 五明佳廉 ✕ 東京都交響楽団でブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」を聴く~第1003回定期演奏会Bシリーズ

2024年07月05日 00時01分46秒 | 日記

5日(金)。1日(月)にN響来シーズンBプロ定期会員継続・座席変更の手続きをしたばかりなのに、昨日、早々と新しい年間チケット9枚が送られてきました クレジット決済ならではの迅速な手続きだと思いますが、それにしてもN響はこういうのは速いです

ということで、わが家に来てから今日で3461日目を迎え、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、ロシアによる進攻を解決できると主張するトランプ前米大統領に対し「戦争を終わらせる方法を知っているなら示すべきだ」と求めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     プーチンに”尊敬”されるトランプのことだ 侵略した土地はロシアの領土となるだろ

         

昨日、夕食に「アスパラとジャガイモとベーコン炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 「アスパラ~」はあらかじめアスパラとジャガイモを茹でてから炒めたので柔らかく出来ました

     

         

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1003回定期演奏会Bシリーズ」公演を聴きました プログラムは①ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26」、②ブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」(コ―ストヴェット:1878/80年)です 演奏は①のヴァイオリン独奏=五明佳廉、指揮=ヤクブ・フルシャです

ヤクブ・フルシャは2010年度から2017年度までの8年間、都響首席客演指揮者を務めました 現在 バンベルク交響楽団首席指揮者、チェコ・フィル首席客演指揮者、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団首席客演指揮者を務めており、2025/2026シーズンには英国ロイヤル・オペラハウス音楽監督に就任する予定です

     

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び コンマスは矢部達哉、隣は水谷晃というダブルトップ態勢を敷きます 都響ゆかりの指揮者フルシャということでしょう、第2ヴァイオリン以下のトップも双紙正哉、遠藤香奈子、伊東裕、古川展生、石田紗樹、鈴木学、池松宏といった錚々たるメンバーを揃えています

1曲目はブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26」です この曲はマックス・ブルッフ(1838-1920)が1866年に作曲、同年4月24日にコーブレンツで初演され、その後改訂され1868年に改訂初演されました 第1楽章「前奏曲:アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「終曲:アレグロ・エネルジコ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の五明佳廉(ごみょう かれん)は東京生まれ ジュリアード音楽院で名教師ドロシー・ディレイに学び、現在 世界各国のオーケストラと共演を重ねています

五明佳廉が黒のドレスに銀のワンポイント・アクセサリーという、まるでシャネルのポスターから抜け出たようなエレガントな衣装で登場、フルシャの指揮で第1楽章に入ります   冒頭からかなりゆったりしたテンポによりヴァイオリン・ソロが演奏されます   五明のヴァイオリンはシルキートーンとでも言うべきソフトでノーブルな音色が印象的で、よく歌います    フルシャ ✕ 都響はそっとソリストに寄り添いますが、オケだけの演奏に移るとアグレッシブな演奏を展開します    第2楽章「アダージョ」は、五明のヴァイオリンの特色がよく出た美しいカンタービレが聴かれました 第3楽章に入ると、愉悦感に満ちた独奏ヴァイオリンが天翔けました フルシャ ✕ 都響はピッタリとソリストに寄り添い しっかりとサポートしました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 五明はピアソラ「タンゴ・エチュード第3番」を超絶技巧を駆使して演奏、再び大きな拍手を浴びました

ソリスト・アンコールに入る時、フルシャはオケの後方のファゴット奏者の空いている椅子に座り彼女の演奏を聴いていました 演奏が終わった五明がカーテンコールに応えるなかで、オケの中のフルシャを発見し、「カモーン 指揮台に戻ってきて~」と合図をしますが、フルシャは「アイ・ハヴ・ファゴットン」の様子でした

     

プログラム後半はブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」(コ―ストヴェット:1878/80年)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1874年に作曲、1878年から80年にかけて改訂され、1881年2月20日にウィーンでハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルによって初演されました なお、この日の演奏は、2018年刊行のベンジャミン・M・コーストヴェット(アメリカの音楽学者)校訂版が用いられます 第1楽章「動きをもって、速すぎず」、第2楽章「アンダンテ・クワージ・アレグレット」、第3楽章「スケルツォ:動きをもって」、第4楽章「フィナーレ:動きをもって、ただし速すぎず」の4楽章から成ります

弦楽器は16型に拡大し、フルシャの指揮で演奏に入ります 冒頭のホルンがちょっと躓きましたが、その後挽回しました 弦楽器のアンサンブルが素晴らしい とくにヴィオラとチェロが冴え渡っています そして、第1ヴァイオリンはトップの矢部、水谷の二人の渾身の演奏が印象的です 木管楽器ではフルートがダントツに素晴らしい演奏を展開していました 金管楽器はいずれも重量感のある演奏が光りました ここぞというところで打ち込まれるティンパニも見事でした フルシャが指揮台の上でジャンプを見せるシーンも何度かありましたが、ノッテル証拠でしょう 総じて各セクションがよく鳴っていました

フルシャのタクトが下ろされると満場の拍手とブラボーが飛び交いました 豪快で爽快な演奏でした

     

     

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反田恭平インタビュー「平和への願い 演奏に込めて」 ~ 朝日新聞の記事から / フィリップ・ド・ブロカ監督ジャン=ポール・ベルモンド主演「おかしなおかしな大冒険」を観る

2024年07月04日 00時02分04秒 | 日記

4日(木)。昨日の朝日新聞朝刊にピアニスト反田恭平氏のインタビュー記事が載っていました 超略すると次の通りです

「2013年9月からロシアに3年半いて、17年9月から22年までポーランドで勉強した ロシアとウクライナの戦争が始まって2,3か月たったころ、久しぶりにポーランドに戻った時、ワルシャワ中央駅にはたくさんのテントがありウクライナの人たちが配給待ちをしていた それを見て、本当に戦争が行われていると実感し、切なくなった ウクライナとロシアの両方に友だちがいる。ロシアで学んでいた師匠は1935年にクリミアで生まれで何度も戦争を体験している。90歳近くになってから、音楽を続けるために米国に亡命した 彼らは被害者でもある 政治と戦争と音楽ということでいえば、ショスタコーヴィチが国に指定された音楽を書かなければ逮捕されてしまう中で反骨精神をみせ、素晴らしい作品を残した 今年5月のエリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で1位になったウクライナの男性は今回、そのショスタコーヴィチのヴァイオリンコンチェルトを弾いた この時期にそういう選曲をしたことは、彼なりの思いがあったのだろう 自分の祖母は広島出身だが、戦争体験を一切語らないようにしていた ピアニストのアルゲリッチがよく広島でコンサートをして、被爆ピアノも弾いている 自分も何度か広島でコンサートを開いたことがあり、7月も演奏するが、平和への願いを込めて演奏することしかできないのではないか

エリザベート・コンクールで1位になったウクライナの男性がショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲」を演奏したことは、初めて知りました 彼は「音楽は国境を超える」ことを態度で示したかったのだろうか

話は変わりますが、新交響楽団から維持会回数券が5枚分届きました さっそく第266回演奏会の座席指定券の送付を依頼しました いつものように「1階センターブロック通路側席希望」としてハガキを出しておきました

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3460日目を迎え、日銀は3日、1万円札に「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の、5千円札に女子英学塾(弦・津田塾大学)を創設するなど「近代的な女子高等教育に尽力」した津田梅子の、千円札に「日本の近代医学の父」として知られる北里柴三郎の肖像をあしらった新札の発行を始めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     「古いお札は使えなくなる」という 見え透いた詐欺が横行するので 気をつけてね

         

昨日、夕食に「青椒肉絲」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「シメジの味噌汁」を作りました チンジャオロースはビーフカレーで余った牛肉を使いました

     

         

現在、新宿武蔵野館では「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選  グランド フィナーレ」を上映中です 昨日午前、フィリップ・ド・ブロカ監督、ジャン=ポール・ベルモンド主演による1973年製作フランス・イタリア合作映画「おかしなおかしな大冒険」(93分)を観ました

     

秘密諜報部員ボブ・セント・クレアを主人公とした「ボブ・シリーズ」で人気を集める小説家フランソワ・メルラン(ジャン=ポール・ベルモンド)はメキシコ・アカプルコを舞台にした新作を執筆している 自分が主人公のスパイになって活躍するのを妄想しながら執筆する彼は、ある日、同じアパートに住む女子大生クリスティーヌ(ジャクリーン・ビセット)と知り合いになる 彼女はフランソワの小説に興味を示し、論文のテーマを「ボブ・シリーズはなぜ大衆に人気なのか」に決める 一方、クリスティーヌの美しさに一目ぼれしたフランソワは、自身の小説に彼女をメキシコ諜報部の連絡員で美女のタチアナとして登場させ、さらに、いけ好かない出版社の編集者シャロンをボブとタチアナの命を狙うカルポフとして登場させる かくして、現実と妄想の世界が同時に動き出していく

     

この映画は「リオの男」「カトマンズの男」の監督フィリップ・ド・ブロカと主演ジャン=ポール・ベルモンドが4度目のタッグを組んだ作品です ベルモンドが小説家と彼の小説の主人公である凄腕スパイの2役を演じ、ジャクリーン・ビセットがヒロインを演じています

     

本作はひと言でいえば「爆笑ナンセンス・コメディ」です 二枚目で三枚目を演じるジャン=ポール・ベルモンドの落差が魅力です

ボブとタチアナを捕らえたカルポフが猫を抱いて登場するシーンは、「007シリーズ」のパロディだとすぐに気が付きました

小説(妄想)の中でメキシコの小楽団が「メサイア」を歌う場面があり、それを聴いたボブが「タチアナの体にはバッハがよく似合う」と気障なセリフを言うと、タチアナから「ヘンデルよ」と訂正されるシーンは、思わず笑ってしまいました

とにかく文句なしに楽しい映画です Netflixでは放映していないので、来週中にクロード・ルルーシュ監督「レ・ミゼラブル」と「ライオンと呼ばれた男」も観るつもりです

     

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Netflixでクリストファー・ノーラン監督「インセプション」を観る ~ 人の夢の中に侵入してアイディアを盗み、植え付ける技能を持つ男の物語

2024年07月03日 06時43分53秒 | 日記

3日(水)。わが家に来てから今日で3459日目を迎え、トランプ前米大統領が2020年の大統領選の結果を覆そうとしたとされる事件をめぐり、連邦最高裁は1日、「大統領在任中の行為については刑事免責される」というトランプ氏の主張を部分的に認める判断を示したが、判決は9人の判事のうち、共和党の大統領が任命した6人の保守派による多数意見で決まった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     米国では大統領の権限が司法を上回るということだね 三権分立の民主主義はどこへ

         

昨日は娘が外食でしたが、一人分夕食を作りました 「まだらのムニエル」「生野菜サラダ」「冷奴」を作り、「いさきの刺身」と一緒に食べました。和食はいいですね

     

         

Netflixでクリストファー・ノーラン監督による2010年製作アメリカ映画「インセプション」(148分)を観ました この作品はノーラン監督のオリジナル脚本によるSFアクション映画です

     

人が眠っている間にその潜在意識に侵入し、他人のアイディアを盗み出すという「エクストラクト」のスペシャリストのコブ(レオナルド・ディカプリオ)は、その才能ゆえに最愛の妻を失い、国際指名手配犯になってしまう そんな彼に、日本の実業家サイト―(渡辺健)から、重病の競争相手モーリス・フィッシャーが経営するエネルギー複合企業を破滅させるため、モーリスの息子で後継者のロバート・フィッシャーに父親の会社を解体するのを納得させる”アイディア”を植え付ける「インセプション」が依頼される サイト―は、見返りとしてコブの犯罪容疑を取り消し、アメリカに再入国して彼の息子と娘が待つ家に戻れるよう、影響力を行使することを匂わせる これを受諾したコブはパリの大学へ行き、恩師であり妻モルの父でもあるマイルス教授から優秀な「設計師」としてアリアドネを紹介される アリアドネに夢に入る世界を教え設計を教示する。コブは仲間たちとともにロバート・フィッシャーに接近し、彼の夢の中へ侵入していく

          

この映画はストーリーが夢の中だけに、どこまでが現実で どこまでが夢なのかが曖昧で、理解に苦しむシーンが続きます 一つだけ明確に分かるのは、コブは妻モルに「インセプション」を施し、結果的に妻を自殺に追いやったという過去があることです ストーリーの仕掛けとしては、昨日ご紹介した、同じレオナルド・ディカプリオを主人公とした「シャッターアイランド」と似ています

クリストファー・ノーラン監督による本作は第83回アカデミー賞の撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、音響録音賞の技術系4部門を受賞しましたが、ノーヒット・ノーランまでは達成できなかったかもしれません

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N響2024-2025シーズンBプロ定期会員 ⇒ 座席変更のうえ継続へ / Netflixでマーティン・スコセッシ監督「シャッターアイランド」を観る ~ マーラー「ピアノ四重奏曲」も流れる

2024年07月02日 01時00分52秒 | 日記

2日(火)。昨日はN響の定期会員変更手続き受付開始日だったので、午前中に手続きをしました 現在私はAプロ2日目、Bプロ2日目の会員ですが、この日はBプロ(サントリーホール)だけの変更です 目標は1日目に移り、通路側席を押さえることです 午前10時にさっそくWEBサイトにアクセスして手続きをしましたが、せっかく1階席の現在より前の条件の良い席が取れたと思ったら、クレジットカード決済の「認証番号」の入力の段階で手間取り、結局取り消しになってしまいました あらためて別のブロックにアクセスしてみたら、何と2階C左ブロックの右通路側が空いているのを発見しました 多分どなたかが現在の席を手放されたのだと思いますが、本当にラッキーでした

Aプロ(NHKホール)についても席替えを申し込んでいるので、7日(日)に手続きをします 現在の席は1階センターブロックの通路側なので、あえて変更しなくても良いのですが、もう少し前の席が取れたら移りたいと思います その後で、Aプロ、Bプロとも現在保有の席をキャンセルする予定です

     

ということで、わが家に来てから今日で3458日目を迎え、北朝鮮で開かれている朝鮮労働党の重要会議に出席した幹部らが、金正恩総書記の肖像が描かれたバッジを着けていることが30日、同国メディアの報道から確認された   というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

      金正恩の名前に因んだ"金"製なら価値があるけど アルミのバッジじゃ軽すぎだよね

         

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜サラダ」を作りました ビーフはいつものバラ肉ですが、とても美味しかったです

     

         

Netflixでマーティン・スコセッシ監督による2010年製作アメリカ映画「シャッターアイランド」(138分)を観ました 映画館で観るとどうしても座りっぱなしになるので、腰痛にはよくありません Netflixなら自宅で時々立って観たりできるので腰のためにはベターです

物語の舞台は1954年のボストン沖の孤島に建つ犯罪者用精神病院 失踪した女性患者の謎を探るため病院を訪ねた米連邦保安官テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)に不可解な出来事が次々と起こる

     

この作品はデニス・ルへイン原作の同名小説をもとに映画化したものです ロードショー公開時に一度観ましたが、最後のどんでん返しと音楽が印象に残っています しかし、映画の内容はほとんど覚えておらず、観ながら「え~こんなストーリーだったっけ」というほど新鮮に感じました もう一度観たいと思ったのは 何よりも音楽の使い方です テディと相棒の保安官が病院を訪ねた時、室内にLPレコードの音楽が流れています    私はブラームスの室内楽かな?と思いました すると映画の中でも「ブラームス?」という問いがあり、しばらくして、テディが「いや、マーラーだ」と答えます その後、それがマーラー「ピアノ四重奏曲 イ短調 断章」であることが明かされます そこでやっとマーラーの曲であることに気が付きました 曲の雰囲気がこの映画にピッタリだと思いました

     

マーラー「ピアノ四重奏曲 イ短調 断章」はグスタフ・マーラー(1860-1911)がウィーン音楽院に在学中の1876年(16歳)に、作曲科の試験に提出するために作曲された未完の作品です 私の愛聴盤はフォーレ・クァルテットによるCD(リヒャルト・シュトラウスの「ピアノ四重奏曲」とのカップリング)です

     

恐るべき16歳 つくづくマーラーは天才だと思います

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