(第1話から読んでください)
彼女はいつものように、猫たちに食事を与え、自宅に戻ると急に胃がきりきりと痛み始めた。近くに住む娘に連絡をして来てもらい、病院に連れて行ってもらった。
そして、彼女は自分の命が残り少ないことを知った。
1カ月ほど入院していたが、外泊の許可が下りた。猫たち、とりわけミイのことが気になっていた。
案の定、老猫のミイは新参者の若手に追われて、駐輪場からやや離れた駐車場の隅で丸くなっていた。
「ただいま。寂しい思いをさせてごめんね」
彼女はそう言いながら、痩せた腕で年をとって痩せたミイをやさしく抱き上げた。そして、ゆっくり腰を下ろし、何時間もミイを抱き続けた。その晩、彼女はミイを部屋に入れ一緒に寝た。それが、彼女とミイの最後の分かれになった。
彼女は翌日再入院し1週間後にこの世を去った。
ミイは、そんなことを知らずに彼女を待ち続けた。来る日も来る日も…待ち続けた。彼女以外にミイの世話をする人はたくさんいたので、食事にも寝床にも困ることはなかった。でも、ミイは彼女に会いたかった。彼女に甘えたかった。彼女に抱っこしてもらって、やさしく背中をなでてほしかった。
ミイは、すでに自分の死期が近づいていることを感じていた。だから、余計に彼女に会いたかった。もう一度だけでも、会って抱っこしてほしかった。
しとしと冷たい雨の降る夜だった。彼女の変わりになっているエサやりさんが用意してくれた寝床で寝ていたミイは夢を見た。彼女の夢だった。彼女は、いつもの優しい笑顔で寝ているミイをのぞき込むようにしゃがみ込んでいた。
めったに鳴き声を上げないミイだが、このときは丸まったまま顔だけ彼女に向けて「にゃー」と一声鳴いた。それは「遅かったじゃない」と苦情を言っているようだった。
「寂しい思いをさせてごめんね」
夢の中の彼女は、そういうとそっとミイを抱き上げた。
ミイはうれしかった。とてもうれしかった。そして、安心したように、夢の中でさらに眠りについた。
翌朝、冷たくなっているミイがいた。その顔は、どこか幸せそうで、ほっとしたようだった。
彼女はいつものように、猫たちに食事を与え、自宅に戻ると急に胃がきりきりと痛み始めた。近くに住む娘に連絡をして来てもらい、病院に連れて行ってもらった。
そして、彼女は自分の命が残り少ないことを知った。
1カ月ほど入院していたが、外泊の許可が下りた。猫たち、とりわけミイのことが気になっていた。
案の定、老猫のミイは新参者の若手に追われて、駐輪場からやや離れた駐車場の隅で丸くなっていた。
「ただいま。寂しい思いをさせてごめんね」
彼女はそう言いながら、痩せた腕で年をとって痩せたミイをやさしく抱き上げた。そして、ゆっくり腰を下ろし、何時間もミイを抱き続けた。その晩、彼女はミイを部屋に入れ一緒に寝た。それが、彼女とミイの最後の分かれになった。
彼女は翌日再入院し1週間後にこの世を去った。
ミイは、そんなことを知らずに彼女を待ち続けた。来る日も来る日も…待ち続けた。彼女以外にミイの世話をする人はたくさんいたので、食事にも寝床にも困ることはなかった。でも、ミイは彼女に会いたかった。彼女に甘えたかった。彼女に抱っこしてもらって、やさしく背中をなでてほしかった。
ミイは、すでに自分の死期が近づいていることを感じていた。だから、余計に彼女に会いたかった。もう一度だけでも、会って抱っこしてほしかった。
しとしと冷たい雨の降る夜だった。彼女の変わりになっているエサやりさんが用意してくれた寝床で寝ていたミイは夢を見た。彼女の夢だった。彼女は、いつもの優しい笑顔で寝ているミイをのぞき込むようにしゃがみ込んでいた。
めったに鳴き声を上げないミイだが、このときは丸まったまま顔だけ彼女に向けて「にゃー」と一声鳴いた。それは「遅かったじゃない」と苦情を言っているようだった。
「寂しい思いをさせてごめんね」
夢の中の彼女は、そういうとそっとミイを抱き上げた。
ミイはうれしかった。とてもうれしかった。そして、安心したように、夢の中でさらに眠りについた。
翌朝、冷たくなっているミイがいた。その顔は、どこか幸せそうで、ほっとしたようだった。
ミイちゃんよかったね。彼女が迎えにきてくれたんだね。
きっとミイちゃんは世界一幸せな外猫さんだね。
たっちーさんの描写もすばらしいですね!
(最終回は少しウルッときましたよ)
心温まるお話、ありがとうございました!
ミィちゃん、きっと今頃は彼女とふたりっきりで
思いっきり甘えていることでしょうね^^
野良ちゃんで16歳まで生きるって本当にすごいことなんだと思うし
今までもミィちゃんの話を聞くたびに、きっとあり得ないことなんだろうなぁと思っていました
今回のたっちーさんのお話を読ませてもらって
やっぱり誰かの特別な愛情がなければ生きるって難しいのかもしれないなぁって思ったり…
たっちーさん、素晴らしいお話をありがとうございました♪
また楽しみにしていますよ~^^
久し振りにタビちゃんにも会いたくなっちゃったね^^
途中からなんとなくラストは想像してたけど・・・
でもこれは敢えてハッピーエンドなんだって思いたいな♪
もうこれで二人は永遠に一緒なのだから。
もう誰に何を言われる事もなくいつまでも一緒にいられるのだから・・・
そう思いたいです。
でもやっぱり涙が!
動物の愛情って偉大、感動しますよね。
レオたちは保護して家に連れてきたけど
そこまではしてやれない猫たちもたくさんいて
それでもみんな信頼して懐いてくれて・・・
猫たちに教えられた事がたくさんあった気がします。
このミイちゃんにもですね^^
ありがとうございます。
たしかにミイちゃんほど恵まれた環境にいる
外猫さんはなかなかいないと思います。
10にゃんずと暮らすmitoko☆さんに
猫写を褒めていただいてうれしいです!
読んでパソコンの前でちょっと
ガッツポーズしてました(笑)
読んていただいてありがとうございます。
ミイちゃんを思うと人間でも猫でも
生きる上で必要なものはやっぱり愛情
なんだなってすごく感じます。
タビのこと覚えていただいていて嬉しいです!
やや気が長いですが年内にひとつくらい
お話を作れたらいいなと思っています。
ご期待ください!
ラストを大幅に変更することはできませんでした。
「別れ」はどんな形でも切ないです。
でも生きていれば「別れ」はつきもの。
16年も生きた地域猫ってそういるもの
ではないのでそれ自体がハッピーな話だと
受け止めていただけると嬉しいです。
そうなんですよねぇ~
動物の人間に対する愛情ってまっすぐで
揺らがないのでぐっときますよねぇ~
ちなみに『ハチ公物語』は今観ても泣きます!(笑)