(第1話から読んでください)
ミイは、獣医師の「生命力が強い」という太鼓判のとおり、きょうだいたちよりも長生きした。もちろん、雨や雪の厳しい日には、彼女はそっとミイを部屋の中で保護していたことが長寿の要因のひとつだった。
10年を超えたころ、一時期いつものように彼女が姿を見せると真っ先に表れたが、まったくエサを食べなくなったことがあった。
「いよいよ弱ってきたかな」
彼女は心配したが、毎日のように夜中に刺身をくれる人がいて、贅沢になっただけだった。
「まったく、舌が肥えちゃって困ったもんだ」
彼女はあきれつつもホッとして、そう言った。
体調が悪そうだとみれば、そう見た人が病院に連れて行くようになった。このため、連日、違う人がミイを病院に連れて行くこともあった。
ひげ面にやや白髪の交じり始めた獣医師はその都度、「また来たか。連れてくるときは、例のエサやりさんに聞いてから連れてきな」と笑いながら言った。
近所に見守られて、ミイは無事に16年目を迎えた。もはや、この駐輪場でミイを超えて長生きしている猫は今も昔もいなかった。そして、近所では知らない人のいないほど有名な猫になっていた。
しかし、年月の重みはすべての人と猫に均等にかかっていた。
ミイは、獣医師の「生命力が強い」という太鼓判のとおり、きょうだいたちよりも長生きした。もちろん、雨や雪の厳しい日には、彼女はそっとミイを部屋の中で保護していたことが長寿の要因のひとつだった。
10年を超えたころ、一時期いつものように彼女が姿を見せると真っ先に表れたが、まったくエサを食べなくなったことがあった。
「いよいよ弱ってきたかな」
彼女は心配したが、毎日のように夜中に刺身をくれる人がいて、贅沢になっただけだった。
「まったく、舌が肥えちゃって困ったもんだ」
彼女はあきれつつもホッとして、そう言った。
体調が悪そうだとみれば、そう見た人が病院に連れて行くようになった。このため、連日、違う人がミイを病院に連れて行くこともあった。
ひげ面にやや白髪の交じり始めた獣医師はその都度、「また来たか。連れてくるときは、例のエサやりさんに聞いてから連れてきな」と笑いながら言った。
近所に見守られて、ミイは無事に16年目を迎えた。もはや、この駐輪場でミイを超えて長生きしている猫は今も昔もいなかった。そして、近所では知らない人のいないほど有名な猫になっていた。
しかし、年月の重みはすべての人と猫に均等にかかっていた。
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