猿猴図鐔 壽次

猿猴図鐔 銘 壽次
東龍斎(とうりゅうさい)派の作品には独特の風合いがある。桜に関わる図では壽矩の桜に雪華図鐔を紹介した。比較して鑑賞すると、地造りや構成、耳の仕立てなどに流派の特色が良く分かると思う。その東龍斎派の壽次(としつぐ)の、猿猴図鐔である。深山幽谷の趣のある画面ながら、遠い月に桜の花をささげている猿猴の姿が美しくも愛らしい。桜を持たせることで擬人化したわけではなく、明らかに猿が人と同じ感情を抱いているであろうという視点で作品化したもの。
鉄地を鋤き下げ、耳を二重に仕立てて洞窟あるいは雲間から眺めているような構成とし、高彫に金銀朧銀の象嵌を加えた手法。再度言うが、何とも愛らしい作品である。江戸時代後期。


猿猴図鐔 銘 壽次
東龍斎(とうりゅうさい)派の作品には独特の風合いがある。桜に関わる図では壽矩の桜に雪華図鐔を紹介した。比較して鑑賞すると、地造りや構成、耳の仕立てなどに流派の特色が良く分かると思う。その東龍斎派の壽次(としつぐ)の、猿猴図鐔である。深山幽谷の趣のある画面ながら、遠い月に桜の花をささげている猿猴の姿が美しくも愛らしい。桜を持たせることで擬人化したわけではなく、明らかに猿が人と同じ感情を抱いているであろうという視点で作品化したもの。
鉄地を鋤き下げ、耳を二重に仕立てて洞窟あるいは雲間から眺めているような構成とし、高彫に金銀朧銀の象嵌を加えた手法。再度言うが、何とも愛らしい作品である。江戸時代後期。