肥後菊図鐔 甚吾
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/a9/591018d1f703a844349c41eef1fd1ad7.jpg)
① 肥後菊図鐔 無銘甚吾
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/65/42b6511c3c8e0fda45b8e6749905c607.jpg)
② 肥後菊図鐔 無銘甚吾
Photo①及び②はいずれも銀の色彩を活かした作。①は花びらの先端を筒状に描き、裏面には葉を描いている。鉄地の表面は鎚で打ち叩いた様子が顕著に覗いとれる。これも鉄の肌合いをそのまま美観として捉えたもので、茶器のそれを印象深く表現したものであろう。土手耳と呼ばれる、縁に幅を設けて少し厚手に仕立てる構造も、単に鐔という構造上の堅牢さを想定したものではなく、微妙な厚さの変化の中に指先に伝わり来る心地よい感触を求めてのもの。もちろんこの鐔が拵に装着され、拳に触れる、あるいは衣服に触れるということを想定した上での質感である。菊花はごくごく薄い高彫で、その周囲をわずかに鋤き込んで量感を表現している。銀は表面に切りつけた浅い毛彫り状の鑢目に銀を擦り付ける技法で、金工では難しいぼかしの表現。さらに銀は時とともに色調が黒く変化することを想定した上での発想であり、実に妙味ある手法といえよう。□
②は菊花の周囲に小透を設けて印象をより強くし、銀線を象嵌して渋い色調を美観としている。鉄地は黒く、表面は比較的平滑に仕上げているが、これも茶器を想わせる美しい肌となっている。銀線の周囲には、特徴的な黒い物質が滲み出ており、この経年による変化も美として捉えている。
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① 肥後菊図鐔 無銘甚吾
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② 肥後菊図鐔 無銘甚吾
Photo①及び②はいずれも銀の色彩を活かした作。①は花びらの先端を筒状に描き、裏面には葉を描いている。鉄地の表面は鎚で打ち叩いた様子が顕著に覗いとれる。これも鉄の肌合いをそのまま美観として捉えたもので、茶器のそれを印象深く表現したものであろう。土手耳と呼ばれる、縁に幅を設けて少し厚手に仕立てる構造も、単に鐔という構造上の堅牢さを想定したものではなく、微妙な厚さの変化の中に指先に伝わり来る心地よい感触を求めてのもの。もちろんこの鐔が拵に装着され、拳に触れる、あるいは衣服に触れるということを想定した上での質感である。菊花はごくごく薄い高彫で、その周囲をわずかに鋤き込んで量感を表現している。銀は表面に切りつけた浅い毛彫り状の鑢目に銀を擦り付ける技法で、金工では難しいぼかしの表現。さらに銀は時とともに色調が黒く変化することを想定した上での発想であり、実に妙味ある手法といえよう。□
②は菊花の周囲に小透を設けて印象をより強くし、銀線を象嵌して渋い色調を美観としている。鉄地は黒く、表面は比較的平滑に仕上げているが、これも茶器を想わせる美しい肌となっている。銀線の周囲には、特徴的な黒い物質が滲み出ており、この経年による変化も美として捉えている。