猿猴図鐔 古正阿弥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/06/199e746ac82462b2c2825af30b06a660.jpg)
猿猴図鐔 無銘古正阿弥
時代の上がる鐔の風景図で古拙な趣が漂い、それが故に面白味となっている作。春秋風景を題に得た図で、片面は満開の桜樹に親子猿、もう一面は水辺に鷺。時代は桃山頃であろうか、あるいはもう少し上がる可能性もある。時代の上がる正阿弥(しょうあみ)の、絵画風の作品の初期のものと考えてよいだろう。
真鍮地の耳を厚く丸みを持たせた木瓜形とし、左右の櫃穴を同じ形にしているのは表裏を考えない古い形式。平滑に仕立てた鐔面を高彫にして金銀赤銅の色絵を加えている。芦に鷺は水墨画から得た図であることは明白。一方の桜樹に猿猴は水墨画にありそうもない図であり、ここに金工の個性とも言いうる感性が覗いとれる。このような水墨画調の作品が後の奈良派などに影響を与えたものであろうと想像され、金工史の上でも興味が一入である。もちろん作品そのものも、見ているだけで楽しく面白い。
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猿猴図鐔 無銘古正阿弥
時代の上がる鐔の風景図で古拙な趣が漂い、それが故に面白味となっている作。春秋風景を題に得た図で、片面は満開の桜樹に親子猿、もう一面は水辺に鷺。時代は桃山頃であろうか、あるいはもう少し上がる可能性もある。時代の上がる正阿弥(しょうあみ)の、絵画風の作品の初期のものと考えてよいだろう。
真鍮地の耳を厚く丸みを持たせた木瓜形とし、左右の櫃穴を同じ形にしているのは表裏を考えない古い形式。平滑に仕立てた鐔面を高彫にして金銀赤銅の色絵を加えている。芦に鷺は水墨画から得た図であることは明白。一方の桜樹に猿猴は水墨画にありそうもない図であり、ここに金工の個性とも言いうる感性が覗いとれる。このような水墨画調の作品が後の奈良派などに影響を与えたものであろうと想像され、金工史の上でも興味が一入である。もちろん作品そのものも、見ているだけで楽しく面白い。