川西のパレットでの金繕い教室「器再楽」の再開後2回目の様子です。
マグカップのようなカップの取っ手が壊れたもの。
皆さん、持ち帰りがとても難しいので、今回はアラルダイトのラピッドタイプも使って。
はみ出した部分を早めにきれいにして。
このお茶碗も大破していますので、ラピットタイプで処理して、持ち帰りが容易になりました。
私が最初手本を示して、あとはご本人に仕上げていただきました。
この方は3点。
お雛様のお皿は前回処理したのですが、形がよくない状態で固まったので、ルーターで削って再処理です。
仕上げは次回ですね。
この方の持参した大皿は立杭焼のいい品物。
ご友人から依頼されたそうです。
このしのぎ技法の立杭焼、どこの窯元さんのものか気になって、裏の印を確認しましたが、小さくて不鮮明で読み取れませんでした。
この修復はスタンダードタイプで行いましたので、帰宅後の面倒見をダメ押しして。
この方のカップ2つ、前回に接着などを終えていて、黒艶漆を面相筆で細く線引きして。
そのあと、錫粉を蒔いて。
こんな風に完成です。
あとは漆がしっかりと乾いてから、真綿できれいに処理するだけですね。
錫粉の色合いがよく合いそうな器ですね。
どこを修復したかわかりますかね。
左側のものは、口辺に欠けもありました。
そして、このグループの世話人の方。
もう、かなりベテランになられています。
酒屋さんの奥さんで、息子さんが居酒屋を経営されているという方です。
前回までにベースを修復した酒器や小皿。
黒艶漆を塗った後、金の丸粉を蒔いて。
金粉はとても高価ですが、さすが、こだわりがありますね。
丸粉だと、漆が乾いた後、粉固めの処理を2,3回繰り返し、最後に磨きの工程がありますが、ご自宅でしないといけないので、いろいろとアドバイスをしてあげて。
丸粉は消し粉と違って、量がたくさん必要となります。
帰り際に、「金粉(丸粉) をお持ちでしょうか」と聞かれて、新しい一包み(1g) をお譲りしました。
帰宅後に、再度金粉を蒔き足したほうが確かにいいですから。
この教室の参加費はなんとワンコイン。
金粉や銀粉以外の材料費は、錫紛や漆も含めていただきません。
貸館の費用を皆さんで分担していただくだけです。
繕いの技を広めたい趣旨の私のボランティア活動ですね。
高槻のご自宅で本漆を使った繕いの技をわざわざ教えてくださった豊島ご夫婦の最後の弟子ですから。
その亡くなられたご夫婦への感謝の恩返しです。