金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

うれしい繕いの依頼 その1

2020-07-13 17:06:40 | 多種類の繕い例
先週の10日(金)のことです。
電話で繕いの依頼がありましたが、大阪の大正区佃の方で。
てっきり、車で来られると思っていたのですが、雨の降らない時間帯に自転車ではるばると来られました。
 
いろいろとお話を伺うと、なんと2年前の尼信会館での私の陶芸の個展に来てくださった方でした。
とてもうれしい再会ですね。
 
帰られてから、芳名録を見てみると、「陶芸のことをいろいろとお話してあげました。とても感じのいい青年」と備考欄に書いています。
 
それで今回も繕いのことについていろいろとお話をして、どんな風に仕上げたいかを聞かせていただきました。
 
持ってこられたのは、この2点。
砥部焼のマグカップ。
亀裂が底のほうまで長く入っていますが、簡単な繕いになりますね。

 
もう一つは、割れてしまった指輪ですが、ご本人は赤めのうだと説明してくれました。
少し欠けている部分があります。
めのうの指輪なんて初めての体験です。
いろいろと相談させていただいて、どちらも仕上げは錫粉を蒔くということになりました。

 

そして、さっそく取り掛かって。

こちらはいつものように、器を電子レンジでうんと温めてアラルダイトの注入です。

 

そして、接着剤が固まるまでの間、こんな体制を保持して。

 

そして、難しそうな指輪のほうです。

陶芸の材料でいいサイズのものを選んで、紙を重ねてピッタリと収まる太さにして、それが容易に抜けるようにプラスチック板も巻いて。

 

そして、アラルダイトに強力粉を混ぜたもので接着です。

 

だいぶ固まってから、欠けている部分も補填して。

さあ、これで固まる翌日まで待ちました。

 
その2に続く。