表に「臨時 北上」。裏は地金。
材質はホーロー。文字は浮き文字。
昭和30年代、急行列車時代の臨時列車に使われた物です。
「北上」は、北海道への輸送力増強のため、急行「北斗」を補完するために1952年(昭和27年)9月1日から上野・青森間を常磐線経由で運転開始した夜行急行列車です。
名称の由来は、東北最大であり全国でも4番目の岩手県と宮城県を流れる「北上川」で、東北を代表する河川であることからつけられたようです。
運行開始当初の表記は「きたかみ」とひらがなでしたが、1956年(昭和31年)11月19日から「北上」と漢字表記になりました。
運行終了は、急行「北斗」に先立つ1年前の、1964年(昭和39年)10月1日、寝台特急「はくつる」に格上げされるかたちで廃止されました。
この列車愛称板のローマ字表記の読みは「きたがみ」になっています。
青森県には「北上」と書いて「きたがみ」と読む姓の方がいます。おそらく、書き手の知り合いに「きたがみ」姓の方がいたためと思われます。
なお、急行「北上」廃止以降に、ひらがな表記の「きたかみ」が復活しています。
急行「きたかみ」。1965年(昭和40年)10月1日から1968年(昭和43年)9月30日まで、上野・盛岡間(東北本線経由)で運転。1968年(昭和43年)10月1日から1982年(昭和57年)11月14日まで、仙台と秋田・青森間(北上線経由)で運転。
快速「きたかみ」。1982年(昭和57年)11月15日から1999年(平成11年)12月3日まで、北上・湯沢間(北上線経由)で運転。