昨日、町田市議会2013年第1回定例会(3月議会)は最終日。議案に対する表決がおこなわれました。
このブログでもお知らせしてきた「保育料値上げ条例」は、日本共産党と民主党・社民・ネット会派は反対しましたが、賛成多数で可決される結果となりました。
実施時期は2014年4月です。引き続き、「撤回」を求めて、奮闘していきたいと思います。
◆本会議で、討論をおこないました
私が本会議でおこなった討論(「保育料値上げ条例」には反対、「認可保育所の保育料値上げ中止を求める請願」には賛成)を掲載します。(カッコ)の部分は池川が見出しをつけたもの。
通告に基づき、日本共産党市議団の一員として、第24号議案「町田市保育運営費徴収条例の一部を改正する条例」に反対、請願第4号「認可保育所の保育料値上げ中止を求める請願」に賛成の立場で一括して討論をおこないます。
(質疑で明らかになった4つの点)
今回提出された議案について、本会議、委員会の審査を通じて次の問題が明らかになりました。
第一に、最大の値上げ率が現在の2・07倍となり、低所得者ほど値上げ率が高くなっているということです。最大の値上げ率となるのは、ひとり親で市民税所得割1万2,000円以上の世帯であります。
第二に、年間1億6,500万円の負担増となり、保護者負担割合は、多摩26市の中で1番になるということです。
第三に、保育料等の在り方検討委員会でもくり返し議論されていた「保育の質」に関わって、「改定そのものが直接的に保育の質の改善につながるということではありません」という答弁があったことであります。
第四に、保育料の値上げ時期が、消費税増税と同じ時期であることについて「事務方として懸念はしていますけれども、そのことと関係なく施行時期は決定しました」と答弁があった点であります。
条例に関わって、大きく分けると以上4つの点が明らかになったと考えます。
(家計に与える影響を考慮したとは言えない)
そもそも、保育料は、児童福祉法の第56条の3 で「当該保育費用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響を考慮して保育所における保育を行うことに係る児童の年齢等に応じて定める額を徴収することができる」と規定をされていますが、今回の条例案は、3歳以上児で保育料が1・5倍以上になるのは8区分であり、低所得者に集中しています。最大値上げ率が2・07倍になることをはじめ、これらは家計に与える影響を考慮したとは到底言えないのではないでしょうか。
(認可と認可外の格差の改善というが、負担を感じる世帯を増やすだけ)
今回の条例改正の目的について、「認可保育所と認可外保育施設の保育料の利用者負担における格差の改善をおこなうため」と説明がありましたが、請願者の意見陳述の中では、「実際に認可外保育所に預けている親の立場としては、認可保育所の保育料が安いことはうらやましいと思います。しかし、だからといって認可保育所の保育料が上がり格差が是正されることが良いとは考えません。実際には認可外保育所に預けている世帯の負担は何も変わらないのです。ただ負担感を感じる世帯が増えるだけです。これが格差の解決といえるのでしょうか」と述べられています。まさに負担を感じる世帯を増やすのが今回の条例案だと考えます。
(検討委員会では必要な資料が提供されず)
保育料等の在り方検討委員会では、保育料の値上げ額の資料は提供されましたが、値上げ率についての資料は提示すらされておらず、これは大きな問題だと言わなければなりません。
(意識調査では、増額か減額かは聞くが「現状通り」の項目なし)
また、値上げの一つの根拠に「保育料等に関する意識調査」において、「増額容認」が7割になったことをあげていますが、この意識調査の項目の回答は、額はさまざまですが増額すべきという項目、減額すべきという項目、その他項目がありますが、「現状通り」という項目はありません。増額か、減額かをとるのであれば、「現状通り」という項目があってしかるべきではないでしょうか。
(経済的負担の増加が子育ての最大の不安)
2009年度に内閣府がおこなった「インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査」では、「将来子どもを持つと考えた場合の不安や、子どもをさらに持つつもりがない要因としては、『経済的負担の増加』が76.4%と際立って回答率が高くなっている」と指摘されており、経済的負担が子どもを産み育てていくうえで最大の不安となっていることは明らかであります。
(保育料の値上げはやめ、「お金の心配なく、安心して子どもを産み育てられる町田市を」)
請願者の陳述の中にも、夫が病気になり住んでいた川崎市と比較して町田市は保育料が安いから何とか子育てしていけそうだと引っ越しをされてきた方が値上げのことを知り本当にショックだと語っていたという話がありました。また、シングルマザーの方からは、「本当に大変なんですよ」という怒りに震えた訴えがあったという話しもありました。
こうした声にしっかりと耳を傾け、消費税増税実施と同時期に低所得者ほど値上げ率が高い保育料の値上げをおこなうのではなく、お金の心配なく、安心して子どもを産み育てられる町田市をつくることを強く求めて、第24号議案に反対、請願第4号に賛成の討論といたします。

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┏┓池川友一|日本共産党町田市議会議員
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