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「人は目標を決めて、昨日よりも今日、今日よりも明日という風に一生懸命努力して、自分の人生を切り開いてゆくべきだと考えています。そのための手伝いをするのが教師の仕事だとも思っています。その考えは、教師になった当時も今も変わりません。でも、夜間定時制高校の教師をしてみて気がついたことがあります。様々な事情で、どうにもこうにも、がんばろうという気持ちになれない若者がいるという現実です。その子たちにやる気を起こさせるためには、まず彼らの抱える問題を取り除いてあげなければ、前に進めないんです」(『若者たち 夜間定時制高校から視えるニッポン』247㌻、瀬川正仁、basilico)
この言葉に夜間定時制高校の今日的役割があると思います。それは、なにかきれいなエピソードとともにあるわけではありません。きれいな一本道でもありません。紆余曲折があり、時には後退しながらのジグザグの道です。
しかし、彼らの抱える問題と向き合い、伴走することができる夜間定時制高校を一つなくすことは、これまで夜間定時制高校で受け止めていた子どもたちを受け止める場所がなくなるということは紛れもない事実です。
文教委員会で、都立江北高校定時制「廃校計画」の決定の凍結・見直しを求めることに関する請願について質疑を行いました。
最初の文章は質問の最後に私が述べた言葉です。
東京都教育委員会が、小山台高校、雪谷高校、江北高校、立川高校の夜間定時制を閉課程しようとしています。
現在、雪谷高校は18年度の募集を停止、江北高校は19年度の募集停止予定とされています。
委員会には、定席数20人を超える傍聴者の方が駆けつけてくれました。
■廃校決定過程がブラックボックス──文書は「不存在」
共産党都議団としても、夜間定時制高校の閉課程の方針がどう決まったのか、廃止方針の決定に関わってどんな記録が残っているのかについて、情報公開請求を行いましたが「請求に係る公文書は存在しない」というのが回答でした。
「不存在」で、だれもその過程について知ることができないことはきわめて問題です。情報公開が一丁目一番地ではなかったのでしょうか。
■都教委が真剣にPRしないことが、応募減の元凶
「チャレンジスクールの新設やチャレンジスクール及び昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大を行うとともに、その整備の進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程」──この答弁を何度も繰り返しました。
しかし、募集に対する都教委の色分けとPR不足が、定時制高校の応募人数に反映していることは明らかです。
私の「夜間定時制高校が、現在はたしている役割は何か」という質問に、都教委は昼間に学校に通うころができない勤労青少年の学びの場とともに、多様な子どもたちの学ぶ場として、またセーフティネットの機能があることを答弁しました。
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パネルも使って紹介しましたが、「平成30年度東京都立高等学校『定時制課程、通信制課程入学案内』」では、
あなたが行きたい学校はどのタイプ?
★日中働きながら高校に通いたいな→定時制ならできます
★ライフスタイルに合わせて学習したい、全日制高校と同じ3年間で卒業できないかな→多部生の昼夜間定時制高校がオススメです
★中学校で不登校を経験しました、長期欠席が原因で高校を退学しました→チャレンジスクールなら大丈夫
★自宅学習を中心に高校を卒業したいな、普段は別の活動をしたいから登校日数は少なくできないかな→通信制高校があります
という記述になっています。
これを読めば、不登校や中途退学した学生は「チャレンジスクールかな」と思ってしまいます。
「あくまでも一例を示した」という趣旨の答弁でしたが、自ら色分けをしている何よりの論証です。
また、募集停止予定とされた雪谷高校定時制は、市民手作りのチラシを作り、広く配布をするなどPRを行うことで応募者が15年度4人、16年度7人、17年度10人と増加しました。しかし都教委は「需要が高まったとは考えていない」というあまりにも冷たい答弁を行いました。
手作りチラシには。「雪谷定時制で高校資格をとろう☆ 役立つ知識と仲間は力になる!──だれもが学べる場です。中卒の方は、何歳でも応募できます」とかかれています。
夜間定時制高校が、だれにでも開かれた場所であることが一目でわかるメッセージです。進路について悩んでいた中学生がこのチラシを見て進学を決めたという話も伺いました。
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■定時制高校を残すことで大きな問題が生じることはない
今回の請願は、決して何か特別なことを求めているものではないと思います。自分たちが関わってきた学校を残してほしいという、誰しもが抱く気持ちです。それは、4年間夜間定時制高校ですばらしい時間を過ごし、特別な場所だと感じているからです。夜間定時制高校は、学力を伸ばすのかが至上命題とされている中では蚊帳の外かもしれません。しかし、そこには江北高校夜間定時制を残すことにより大きな問題が起こるわけではありません。
不登校、ひきこもり、いじめ、高校中退などいろいろな事情を抱えた子どもたちを受け止めてもらうことができる場所がなくなるのです。
請願については、共産党以外の質問者はなく、共産党以外の反対多数で不採択とされました。
しかし、定時制の火はきえていません。むしろ役割が大きくなっている中、私も定時制高校を守り、さらにその役割を多くの人たちに届けていくために奮闘していきます。
(写真は長島可純さん撮影。写真の無断転載、二次利用はご遠慮ください)
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