新型コロナウイルス感染症について、WHO(世界保健機関)が「パンデミック」を宣言。
世界では感染が拡大し続け、深刻な事態となっています。
■「感染防止対策」は、補償などとセットで
国内でも、新型コロナの感染が拡大し、亡くなる方が増えています。
日々刻々、事態が変化しています。
「感染症防止対策」を思い切って進めることが必要です。(参考:自粛要請で苦境に陥っている事業者・個人に、「感染防止対策」として抜本的直接支援を)
同時に、私が最も心配に思っているのは、災害ともいうべき事態が発生した際に、社会的弱者その矛盾が集中することです。
正規から非正規に雇用を置き換え、所得の低い人ほど負担の重い消費税を増税してきました。こうした中で、新型コロナによる影響がインパクトとなり、雇い止め、廃業が起こっています。新型コロナで亡くなる方以上に、新型コロナの影響で亡くなる方が増えるのではという声があるのも事実です。
DV被害や虐待、家に居場所がない若い世代が、外出自粛や一斉休校などの対応で家に今回の新型コロナの広がる中で、リスクが高まっているのも事実です。(参考:性的虐待、ネグレクト…10代少女たちが新型コロナ「外出自粛要請」に怯える理由)
感染拡大を防ぐために、思い切って「感染防止対策」を行うことは必要です。しかし、その際には補償やシェルターなど居場所の確保などがセットでなければいけません。
様々な支援団体の力も借りながら、そういうところに、しっかりと支援がゆきとどく政治や行政であることが求められています。
「#自粛と補償はセットだろ」「#自粛と給付はセットだろ」というハッシュタグ。
ものすごく広がりました。これが、多くのみなさんの気持ちとぴったり来ているということでしょう。
「自粛はお願いするけれど、あとは自己責任」という政治の姿勢は、厳しく問われなければなりません。
■これまでの政治が問われている──石原都政の都立病院つぶしと小池都政の独法化方針
一方、国が公立病院の再編・統合を打ち出し、東京都も都立・公社病院の地方独立行政法人化を進めようとしています。
感染症対策も、公的病院が多くを担っています。
例えば、新型コロナの対応に奔走している「第二種感染症指定医療機関」。
東京都で感染症病床に指定されているのは、
- 東京都立駒込病院 28床
- 東京都立墨東病院 8床
- 公益財団法人東京都保健医療公社 荏原病院 18床
- 公益財団法人東京都保健医療公社 豊島病院 20床
- 青梅市立総合病院 4床
- 東京医科大学八王子医療センター 8床
- 国家公務員共済組合連合会 立川病院 6床
- 日本赤十字社東京都支部 武蔵野赤十字病院 6床
- 公立昭和病院 6床
- 国民健康保険町立八丈病院 2床
です。(参考:第二種感染症指定医療機関の指定状況)
これを見ていただくと、圧倒的に公立・公的病院が担っていることがわかります。
都議会の論戦でも、明らかになったように感染症医療はいわゆる「不採算医療」です。簡単にいうと、感染症患者を受け入れるために、ベットを空けておく必要があるため収益につながらないということです。
だからこそ、公的責任を果たすために、都立病院で言えば必要な繰り入れ(一般会計から病院会計へ)を行なっているのです。
少し時間を前に戻すと、石原都政が、八王子、清瀬、梅ヶ丘の3つの小児病院の廃止を含む都立病院を半減させました。原のり子都議の都議会予算特別委員会の質問に対して、小池知事は真正面から答えることなく、当時の都立病院の廃止を是とする態度をとりました。
さらに、小池都政は都立・公社病院をより民間に近い経営形態である独法化しようとしているから重大です。
いま、新型コロナ対応の最前線で力を尽くしている、都立・公社病院の独法化方針を年度内に決定しようとする姿勢は、許しがたいものです。
■これまでの政治や行政のあり方が問われる
今回の新型コロナから見えてくるのは、日常的な政治や行政の姿勢です。
東日本大震災の時、岩手県陸前高田市の藤倉市議から聞いた言葉が、今も私の心の奥深くにあります。
「震災のように非日常になったとき、自治体が日常的に取り組んでいる施策が問われる。震災に備えてつくった制度でなくても制度があれば役に立つ」「震災にあったとき、暮らしや福祉が大事だと心底実感した。ふつうに暮らしていると当たり前のことが、当たり前でなくなったときにこそ、福祉が本当に大事。地方自治体の役割とは、福祉の増進のためにある」
目の前に迫ったことにしっかりと対応することは重要です。同時に、これまでの政治や行政のあり方がどうであったのか、そこをしっかりと検証することが強く求められていると思います。
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