17年ぶりに降り立った富良野駅。17年前は駅前の商店でレンタサイクルを借りましたが、今日は駅のすぐ近くのトヨタレンタカーでレンタカーを借ります。先客がいてしばらく待たされましたが、ほどなくして受け付けてもらえました。トヨタレンタカーは地元でよく使っておりすでにWeb決済をしているので、ほとんど説明省略で出発となりました。
試走がてら富良野市役所へ車を走らせ、マンホールカードをいただきにいきます。富良野市役所の駐車場でナビの設定をしてから出発。国道38号線を南下します。富良野市街地から布部付近までは17年前に自転車で走っているはずですが、景色もあまり記憶に残っておらず、本当にこの道を走っていたんだろうかと思ってしまいます。布部で曲がらずにまっすぐ進みます。北の国からのロケ地は後ほど…。
国道38号線をナビに従い南下。北海道の道路は走りやすいですが、あまりスピードは出さずにのんびりと走ります。峠を越えて南富良野町へ入ると目的地のJR幾寅駅へ到着。およそ1時間のドライブでした。
JR幾寅駅に着いたはずですが、駅舎についている駅名標は「幌舞駅」になっています。
1999年公開の映画「鉄道員」の撮影に際し、舞台となる幌舞駅として改修されたものです。駅舎内は鉄道員の展示スペースになっており、主演の高倉健さんの記事のほか、唯一の映画出演作品となってしまった志村けんさんの訃報記事なども掲示されていました。
こちらは映画撮影に際してキハ10系気動車っぽく改装されたキハ40 764号車のカットモデル。撮影後この姿で営業運転に就き、廃車まで「鉄道員号」として運転されていました。
幾寅駅は根室本線の駅です。駅名標に後から貼り付けられた駅ナンバリングが異様に目立っています。
しかし、現在この駅には列車は来ず、線路は錆びて配線然としています。根室本線は2016年の台風被害の影響で東鹿越ー新得間が不通・バス代行輸送となっており、列車の運転はありません。それどころか存廃論議も起こっています。
ホームにある駅名標は幾寅駅を示していますが、駅舎の方はほとんど幌舞駅。どっちが本当なのかわからなくなって来ます。
キハ40 764号の車内にも入れるので入って見ました。カットされているとはいえ車内はそのままに保存されています。壁には出演者のサインも貼られていましたが、やはり気になるのは運転席の窓の改造。車内側から見ると窓枠を埋めた跡がはっきりと残っていました。
こちらは映画のセットのだるま食堂。駅前の風景として存在していますが、あくまでもセット。しかしながら作り込みがものすごいと感じました。
改めて幾寅駅舎を見ます。幌舞駅がデカデカと掲示され、本来の駅名標は端の方にものすごく小さく掲示されていて、映画のセットのようですがまぎれもなく現役の駅舎。観光地ともなってはいますが、訪れる人のほとんどが車という現状に、本線ですら廃止になってしまうかもしれない厳しさを感じました。
駅から車ですぐの場所にある道の駅へ行って、幾寅駅の北の大地の入場券を購入。道の駅で鉄道の駅のきっぷを買うというなんだか不思議な現象を体験しつつ、車に戻って富良野市へと戻ります。