ノロッコ号は50系51形客車を改造したトロッコ車両3両とディーゼル機関車1両の編成です。機関車は旭川寄りに連結され、富良野行きは推進運転となります。とはいえ推進運転であると25km/hに速度が制限されてしまうので、こちら側に制御車を設け、制御車から機関車を操作して運転するプッシュプル方式での運転となっています。そのためこの客車はオクハテ510形という形式がつけられています。普通展望制御客車とでもなりましょうか。
乗車したのは1号車のオハテフ510形。普通展望緩急客車とでも表記されましょうか。この形式記号はJR北海道にのみ存在するもので、ノロッコ号の客車で使われています。
客車内は種車の天井部分と側構部分が取り払われ、天井梁がむき出しになっています。側面は引き落とし式の窓がついていますが、基本的には開放されており、外の空気や音がダイレクトに入って来ます。座席は4人がけボックスと2人がけベンチシートが並んでいますが、時節柄指定席発売時点で1席ごとの販売となっています。
冬場に運転することもあり、その際の暖房装置としてだるまストーブも装備されています。一応種車は蒸気暖房、電気暖房が使える車両でしたが、そんなものはすべて撤去されているようです。
富良野線は今年全通120年を迎え、ノロッコ号のヘッドマークも120周年特別版となっており、車内にもそのヘッドマークが掲示されていました。缶コーヒーを買って発車を待っていると1611に富良野を発車。
発車してからもしばらくは虹が見えていました。
雨が降っていたせいで閉じられていた窓を開けて、列車の走行音と北海道の心地よい空気を感じながらノロッコ号の旅を楽しみます。すぐ隣が牽引機のDE15型ディーゼル機関車なので、DE15型独特のタタタン、タタンと3連符のはいるジョイント音も楽しめます。収穫間近の田んぼを見ながら過ごします。
次の停車駅中富良野に1629に到着。ここで約5分停車して富良野行き普通列車と交換待ち合わせ。
ホームに降りると、ちょうど機関車のあたりが線路と同じ高さになっていたので、DE15型を見上げるような形で撮ってみました。中富良野を1634に発車。
すぐにつぎのラベンダー畑駅に停車します。ラベンダーで有名なファーム富田の最寄駅で、夏から秋にかけて開設される臨時駅です。仮設駅のようなホームですが、ちゃんと駅名標が用意されていました。
ラベンダー畑駅を発車すると車窓にわずかにファーム富田の花畑が見えました。シーズンであればラベンダーの紫色に染まるのでしょう。
上富良野駅を通り、美馬牛駅でも富良野行き普通列車の行き違いのために停車。無人駅なので駅前に出ることもできました。小さな駅舎でしたが、綺麗に維持されているようです。美馬牛は1712に発車。
車窓は次第に美瑛の丘の景色になって来ます。赤い屋根の家の場所では案内放送も入りましたが、減速もすることなく一瞬で通過してしまいました。
美瑛に1720に到着。1分停車の後に発車となります。美瑛駅は7年前にゆかりんと車でやって来た駅。駅前の駐車場に車を止めて、この列車を出迎えました。懐かしい感慨に浸る間もなく列車は発車してしまいます。
美瑛を発車すると夕焼け空が。夕日に照らされた雲が綺麗です。
が、日が落ちるにつれて気温も下がって来ます。しかもノロッコ号と名乗っていながらなかなかの快速ぶりで、さすがは快速列車…と感心しているうちに体が冷えて来ました。遮るものがなく外気が直接入ってくるので当然です。幸いパーカーを羽織っていたので風除けにはなりましたが、旭川到着が長く感じられました。
すっかり日も落ちた旭川に1745に到着。札幌方面の乗り換えは1800発特急ライラック40号ですが、冷えた体を温めようと、次の1830発特急カムイ42号に乗ることにします。
駅中にあったラーメン屋さんで旭川ラーメンを食べます。旭川ラーメンといえば醤油味ですが、札幌ラーメンと比較するためにあえて味噌味にしました。味噌味とはいえ札幌ラーメンとは違いあっさりとしたスープで、麺も細めでした。もちろん美味しくいただき体もあったまりました。
ラーメンで体をあっためてから1830発札幌行き特急カムイ42号で札幌へと戻ります。夜に札幌へ戻る列車なので、空いていると思い自由席にしました。札幌まではほとんど寝て過ごし、札幌に1955に到着。コンビニで飲み物を買ってからホテルへと戻りました。