怪奇大作戦では いろんな名シーンがあるのだが代表的なシーンと
して霧の童話の落ち武者や青い血の女の殺人人形に、人食い蛾の人
間溶解シーンや殺人回路でのダイアナの絵が実体化するシーンでは
ないかと思う。
そんな中で呪いの壺は被害者の目がリュート物質により神経腺を
破壊されて死ぬシーンで目が光っていたり、撒き散らされたリュー
ト物質で寺が炎上するシーンなどビジュアル的にも印象深い。
炎上シーンは妙顕寺の1/6スケールのミニチュアを組みマルチカ
メラで撮影され屋根瓦の1枚1枚まで再現しているわけで、山門越
しの合成は見事過ぎたため妙顕寺の檀家から‘本当に燃えている’
という苦情が来たのも頷ける。
基本的に怪奇大作戦は等身大のドラマなのでウルトラシリーズの
ようなミニチュアを使った特撮シーンは減ったわけで、壁抜け男の
セスナ墜落シーンや白い顔のモーターボートや水上家の炎上シーン
などのようなシーンは珍しかった。
特に後半になるとミニチュアを使用するシーンは減っており果て
しなき暴走で神経ガスを吸引したドライバーが事故を起こすシーン
などが珍しいぐらいだったので、呪いの壺での炎上シーンは久しぶ
りの登場という形だ。
ちなみに呪いの壺は京都買いますと一緒に製作されているのだが
京都買いますでは、仏像の転送シーンぐらいしか特撮の見せ場がな
いというのもあるのだろうか。
文章にしてみれば一行ぐらいで終わるのを敢えて映像化したら作
品を代表するシーンになったといえば八つ墓村での多治見要蔵の32
人殺戮シーンを真っ先に挙げられるが、呪いの壺における妙顕寺の
炎上シーンも脚本で書き記せば一行になりそうだけど作品どころか
番組そのものを象徴するシーンだと思う。
怪奇大作戦の映像などで呪いの壺のシーンが登場すると、怪奇大
作戦自体がミニチュアシーンをふんだんに使った作品というイメー
ジができてしまうのではないかと思ったりする次第。