攻撃野球の進化形を見せた東海大相模

 早いもので今年の選抜高校野球が終わって1週間が経つのだが、今年は東海
大相模が昨夏の雪辱を果たして優勝した。
 特筆すべきは相模がスピードとパワーを併せ持った攻撃をしていた事だろう。

 基本的に日本の野球はピッチャーを含めた守りに重点を置くというのが伝統
的に重要視され、特にトーナメントで戦う高校野球では その傾向が顕著だった。

 
 それが82年夏に池田が‘山びこ打線’でパワー野球を導入し、長打を連発する
スタイルが主流になったのだが‘1-0の試合が最高’と考える保守的な人達に
とっては守備力を犠牲にして攻撃力を優先するというのは許しがたいものが
あったろう。

 実際にパワーが付くとスピードが劣るため小回りが利かないという弱点が
できる。
 一方で堅守=俊敏性=機動力という連動性で、広島商に代表される固い守備
と機動力野球というのがハイレベルな野球という認識ができていた。

 ただ東海大相模の監督だった原貢は機動力野球をやっていたにも拘わらず
‘大差で負けていたり、相手のキャッチャーがよかったりしたら使えない’とパワー
なき機動力野球には反対の立場を取っていた。
 
 だから強打と機動力は両立しないという迷信めいたものがあったのだが今年の
選抜での相模はホームラン4本を含むチーム最多安打を達成し、なおかつ二遊間
や外野守備などの堅守も光っていたのだ。

 相模打線の打球は凄いものがあるが、この打球を連日捌いていれば守備力も
向上するのは当然だろう。

 つまり強打・機動力・堅守という3つの要素を全て兼ね備えていたのだから強い
はずだ。

 そして昨年の興南がやったような‘ファーストストライクからどんどん振っていく
スタイル’に迷いがなくなったのも見逃せない。

 こうしてみると高校野球の進化の早さには驚くものがある。

 それに引き換え日本のプロ野球は・・・・・

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